毎日が遺言

ノリ

 “ノリ”=中村紀洋。
 いかにも関西風味の野球選手である。
 近鉄バファローズは20年来のファンだった。藤井寺球場は狭くて、客が少なくて、少ない客の口が悪くて、そりゃぁもう…ヤケクソになって笑うような球団だった。
 でも野球は面白かった。
 オリックスとの試合で、初回に4点とられ、その裏に4点取り返し、「よしっ!」と思ったら、次の回に7点とられて、そそくさと帰ったこともある。
 ダイエー(現ソフトバンク)の城島が新人の年、両チーム10点以上の大乱戦になって、最終回の裏に、大村の打った球がピッチャーのグラブに挟まって、その間にランナーが帰ってサヨナラ勝ちもした。
 大阪ドームができてからは客も上品になったが、大味な試合は相変わらず。
 でも面白かった!
 仕事帰りに急いで駆けつけたが、30分ほど遅れてしまい、球場に入ってスコアボードを見たら、初回に西武が7点を取っていて、山村が投げていた。「確か前川が先発だったはずなのに」と思っていたら、前川は初回を保たずに7点を取られて早くも交代していたのだった。今思えばこれも無免許のルーズさか。
 松坂とノリの勝負は見物だった。1-1の同点で、ノリが松坂の速球を、バックスクリーン上段に打ち込んだのをライトスタンドで見ていた時は、恐ろし気持ちいいような鳥肌が立った。その夜、スポーツニュースで見てみると、打たれた松坂がマウンドからノリと笑顔を交していた。
 何より、仕事を休んで見に行った試合で、北川が代打サヨナラ逆転満塁ホームランを打った試合は、あの驚きの感覚を今も覚えている。
 と、そんな思い出のノリが、あれこれと無様なことがあったりしながら、今は復活をし、中日のテストを受けるという。
 去年見に行ったノリは全くだめだった。やっぱ、無理が過ぎたんだろうと思う。もう選手生命も終わりかな?と私は見切りをつけかけていた。それに、だいいち、オリックスという名前になってからは全然応援する気にならないしね。
 ただ、そんなノリの、あのフルスイングは、もう一度見てみたいのだ。どこの球団でもいい。ノリの野球姿を、しかも絶好調の姿を、もう一度見せてほしい。
 ノリ、がんばれ! 
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