反戦への強い思いをまっすぐに表し続けてこられた生き方もさることながら、頑固さと許容の精神が同居するキャラクターが魅力の人だった。
いつぞやテレビで、素人の投句の語句の解釈を巡って、稲畑汀子氏と論争、というかそれぞれが自分の解釈を曲げない“意地の張り合い”(笑)があって、互いにそっぽを向くような態度でいるのを、宇多喜代子氏が間に入って苦笑いしながら「まぁまぁ」となだめるシーンがあった それは、俳界の第一人者たちのプライドのぶつかり合いだったのだが、プライドというよりも、年寄りが少々意固地になっている、とても可愛らしいシーンだった
宇多喜代子氏の講演は一度だけ拝聴したことがあるが、穏やかな人柄の中に、俳句への熱い思いが感じられて、感銘を受けた。金子兜太氏のお話も、テレビ以外でうかがう機会があればよかったのだが、もう叶うことがない。
残念です。ご冥福をお祈りいたします。
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