『雨煙る。』

観劇ノート。
『雨煙る。』は現実との境界が雨で滲むイメージ。一瞬、何処かで繋がっているかもしれない舞台上と此方側の話。

NAIKON AID2023春(配信)

2023-06-13 12:02:12 | NAIKON AID2023春
【NAIKON AID2023春】 6/2
キャスト :spi、鍛治本大樹、松村泰一郎/横道侑里、ナカヤマムブ、劇団員
 
 
spiさん初めての朗読劇。そしてファーストテイク朗読劇。
 
あらすじの前情報無しに配信で視聴しました。 結果、まず前情報無しで観るの正解だと思いました。主役の時間の流れを追いながらだんだん本題に迫っていく感じなので、1回目は新鮮な気持ちでお話を観る為にも前情報無しの方が、年を経ていく過程に触れる際に、なんとも言う事が出来ない感情の渦に飲み込まれる気がしました。
 
実際にあった事をベースに脚本にしているだけあって、生々しい部分と演劇的な部分とが混濁していて 本当に何とも言えない。配信期間終わるまではストーリー的な部分にはあまり触れないでおこうかと思う。(それでも、配信見る前にこの文章を読まないで欲しいとは思う)
 
 
このお話は、演劇的な部分……フィクションがあることによって少し救いがあると同時に、そのせいで、より、絶望感が深い。 光が横にある事によって生まれる、影と闇の深さが凄い。
光と影的な事で考えると、あのお話において、あえて社会制度について あまり描かずにいた事も良いと言うか……。社会的な政治的な問題の部分を色濃くして脚本を仕上げようと思えば出来たと思うが、していない。 もしかしたら頼ることが出来たかもしれない『社会制度』を敢えて描かない事によって、柔らかくも抉ってくる内容になっていた。すぐ隣にいた『親友』や『恋人』や『仲間』しか描かない事で、頼ることが出来るかもしれないものが、隣に すぐ側にあっても【頼ることが出来ない、出来なかった人】として主人公を仕上げている脚本がグサッと抉ってくる。
 
 
 
余談。
あとこれは……もう私の単なる推し話になってしまうので小声で言うけど、どんどん項垂れていく推しが 余計心を抉るのよ。大きな身体で項垂れていく様が。 変な話、めちゃくちゃ好きなんだけど……ねぇ。すっごい抉ってくるじゃん。好き。泣く。