嘘の中には、人を助けるための優しさの嘘もあるという。ただ、それによって相手が真実を知るための機会を奪ってるのだとしたら。
例えば、多くの人が関わって準備してきた、話題性のあるスペースシャトルの打ち上げが予定されていた。打ち上げ当日になって天候が思わしくなく、設計時の想定よりも気温が低かった。とは言え、多くの人たちの期待や話題性に配慮し、問題ないと宣言した。その結果予定どおりスペースシャトルの打ち上げをするとこができた。しかし、直後にスペースシャトルが爆発した。原因は低気温にりゴムが硬化し、燃料が漏れだしたことだった。
これは技術者倫理でよく扱われるチャレンジャー号の打ち上げ失敗の話だ。僕ら技術者は、たとえみんなのためついた嘘であったとしても、その結果、人の命が失われることになるかもしれない。と言う教訓だ。だから、エンジニアはいかなる状況でも事実を正しく話す必要がある。しかし、この嘘をつかないと言う道は厳しく、人々を説得するチカラが必要だったり、空気が読めないと叱責されたりするのに堪えなければならない。
けれど、エンジニアには優しい嘘はいらない。そして、嘘をつかないための強さを身に付けたい。