日本は【化科】?
紫微斗数という命術に「四化星(しかせい)」という四つの星があります。
紫微斗数では、誰でも四つの四化星を持って生まれています。
この四化星が12の宮の何処に入るかで、その人の性格や行動、さらには人生も分析出来てしまいます。
では、この四化星とは、どのような星なのでしょうか。
以下に四つの四化星の象意を示します。
} 化禄A(縁起・縁の始まり)
} 好感・好かれる・好印象・温厚
} 化権B(無情・感情に流されない・即決)
} 主張・権力・命令・競争心・即断即決・短気・物質主義・摩擦
} 化科C(恋情・感情に左右される)
} 穏便に済ませたい・相手の感情に配慮する・曖昧・決断力の欠如・行動が遅い・一歩が踏み出せない・のんびり・マッタリ・怠惰・病気・姚花・トラブルを被る・文化芸術・趣味・和の精神
} 化忌D(縁滅・縁の終わり)
} 執着・拘り・束縛・囚われ・粘着・苦労・獲得
これらの四つの星を「命宮」に持てば、性格への影響が強まります。
しかも、四化星を一つだけでなく二つ、あるいは三つ併せ持てば複雑なことに成ります。
これらの四化星は個人個人の傾向を観る星ですが、この四化星を国と言う集団にも当てはめることが出来るのではと感じました。
つまり、国民性としても観ることが出来るのでは、と云う事です。
例えば、【化権】は自分の権利や立場を主張する傾向を持った星です。
そのために積極的です。負けず嫌いの傾向もあります。
相手の感情に振り回されず損得判断が出来る。しかし摩擦が生じやすい傾向も有ります。
これは個人主義の傾向が強い国の国民性ですね。
日本は、こうしてみると【化科】がピタリです。
日本の国民性は「和の精神」を尊びます。つまり、常に相手の感情を大切にします。争いごとは基本的に避けます。
もっとも第二次世界大戦の時は、日本国は【化権】の勢力に乗っ取られて大変なことに成りました。
しかし、戦後の日本は【化科】の国に成りました。
【化科】は、常に相手との気不味い思いを避けます。
そのために、逆らう事が基本的に出来ない傾向です。また物事をハッキリ言う事によって相手が気分を損ねることに躊躇しますから、Yes、Noもハッキリ言いません。ハッキリ言わなくても「分かって欲しい」という奥ゆかしい心を大切にします。
しかし、これが個人個人の関係では、【化科】の人は【化権】の人に逆らえずに、従う関係になります。
【化権】は不利な要求に対しては断固拒否できます。しかし、【化科】は断ることで気不味いことに成るのが嫌ですから、意思表示も曖昧です。そのために誤解も生じやすく、結果的に不利な立場に追い込まれてトラブルを背負う事にも成り易いです。
日本は【化科】の国なので、諸外国との交渉では常に主張は控えめで不利になり易かったとも云えます。
領海問題などに関しても相手が強引な行動に出ても、日本は単刀直入な表現は極力避けようとします。それは【化科】だからです。
また【化科】の特性として、のんびりマッタリですから、行政も上に習えで、お尻に火が付くまでは動こうとしません。でもお尻に火が付いてからでは手遅れの場合も多いのです。
つまり、【化科】の特性として行動力が乏しいので問題解決は手遅れになります。
次回の記事は、【化忌】が福徳宮に入っている場合は、どんな精神状態になるか述べてみたいと思います。
【化忌】が福徳宮に入ると、基本的に嫌な事をいつまでも覚えています。
また、日々遭遇する忌まわしい事、悔しい事、憎い事などを積立貯金のように深層心理にコツコツと蓄えて行く習性があります。
(もちろん、たゆまない努力で改善できます)
これが国に現れると、過去の忌まわしい思い出を百年、千年と経過しても、昨日の出来事のように恨み続けます。未来までもまた恨み続けます。
これが国民性に反映すると、その国自体が発展にブレーキを掛けてしまいます。
仏教の教えで、「許すことで幸せに成れる」、この言葉は本当と思っています。
相手をいつまでも許せない人は、いつまでも幸せになれません。
恨みも最大の煩悩ですから。【化忌】ですから。
では、次回に。