真冬でも健気に咲くノースポール。
今年は日本は暖冬の影響で豪雪地帯でもあまり雪が降らない。エルニーニョ現象の影響とのことだが、世界各地で起きている異常気象を考えると空恐ろしい気がしてくる。
NEWSWEEK(2007.2.7号)によると、地球温暖化の終末時計は現在深夜11時53分を指し、地球の破局までに残された時間は7分しかない。破局を表わす深夜0時は地球の平均気温が産業革命(1750年)以前に比べて2度(現在と比べて1.3度)上昇した時点と設定できる。人類絶滅には至らないが、温暖化が一気に加速し問題解決がきわめて困難になる境目が2度上昇というわけだ。
『いったん2度を超えれば、食糧生産や水資源、生態系への影響は深刻さを増し、元に戻せなくなる。壊滅的な事態も生じかねない』(EUが1月10日発表した温暖化の影響に関するレポート)
南米の熱帯雨林は立ち枯れ、ロシア北部のツンドラが干上がる可能性もある。1度上昇の場合と比べ、アフリカのマラリア感染者は4000万~6000万人増加する。03年に欧州を襲い2万人以上の死者を出した記録的猛暑と同じスケールの熱波が2年ごとにやってくる。海面上昇や洪水、干ばつの影響で家を追われる人も、世界で最大2億人に達するという。 これらはそんなに遠い未来の話ではない。オックスフォード大学気候変動研究所は2050年以前と予測する。これが欧州の専門家のコンセンサスであるという。
それでは、温暖化の時計の針を戻すにはどうしたらいいのか。EUのレポートによれば、大気中に含まれるCO2の量は現在380ppmだが、それを約450ppmで安定させることができれば、50%の確率で2度上昇を回避できる。そのためには、CO2の排出量を90年水準の半分にする必要がある。京都議定書では2012年までに先進国全体で5%削減をめざすが、その達成さえ危ぶまれている。
NEWSWEEKは最後にこう締めくくっている。「核の終末時計は人類の努力次第で大きく後戻りさせることもできる。だが、温暖化時計は、ある時点を越えると人知では止められなくなるかもしれない」