北ミサイル発射

北朝鮮が中距離弾道弾を発射した。ピョンヤン郊外のスナンから発射されたもよう。飛行距離は2700キロメートル、襟裳岬の上空で550キロメートルの最高高度に達し、太平洋上の日本の排他的経済水域外に落下したとされる。この飛行距離と、落下地点に謎がある。中距離弾道弾にしては飛距離が短すぎる。また、3つに分離したとのことだが、なぜ落下地点が同じなのか。3段式ロケットを段階的に分離すれば落下地点は3つに分かれるはずだ。それとも1段式だったのか。あるいは多弾頭だったのか。飛行距離が短かったことで今回の発射が失敗だったのか。わからないことが多い。ただはっきりしていることは、ミサイル発射の方向が、前回発表したグアム周辺ではなかったことだ。グアムへの発射計画はアメリカのトランプ大統領を刺激し、軍事攻撃の可能性を高めたことで、方向を東に切り替えたのだともとれる。だが、逆に狙いはアメリカ本土だと示そうとしたとも考えられる。射程距離の長いテポドンだったらアメリカ西海岸が射程範囲に入ってしまう。米韓合同軍事訓練へのけん制であることは明らかだ。北はＩＣＢＭの大気圏再突入技術をまだ身に着けていないとされているが、弾頭小型化と合わせてその技術を身に着ければ脅威は一気に増す。アメリカが今回の北の再挑発にどういう反応を示すか注目される。