憧れを超えた侍たち 世界一への記録
侍ジャパンが14年ぶりの王座奪還を果たした「第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」の裏側を映像に納めた映画作品『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』。
当初は3週間限定上映でしたが、観客動員好調のため、上映期間が1週間延長された後、6月29日(木)に惜しまれつつ終映。
そして、7月1日(土)からAmazonのプライムビデオで独占放送開始。あの激闘の感動と興奮が、ご家庭で味わえます――。
世界一になったドリームチームの裏側
当初は3週間限定上映でしたが、観客動員好調のため、上映期間が1週間延長された後、6月29日(木)に惜しまれつつ終映。
そして、7月1日(土)からAmazonのプライムビデオで独占放送開始。あの激闘の感動と興奮が、ご家庭で味わえます――。
世界一になったドリームチームの裏側
映画は、侍ジャパンの選考会議から始まり、宮崎キャンプ、強化試合へと続きます。
選考会議では、栗山監督の「最高のチームを作りたい」という断固たる想いや熱意が伝わってきます。あまりの想いの熱さに、度々空気が固まるのも面白いです。
他にも、強化試合で大谷選手やヌートバー選手、吉田選手が合流した時の様子や、大谷選手が衝撃のホームランを打った時のベンチ内の様子など未見の映像がたくさん。
映像も、バスの中やベンチ裏、ブルペンなどがメインで、選手や監督、コーチ目線の今まで見たことの無い秘蔵映像ばかり。
WBC本選でも、自分がその場に実際にいるかのような錯覚に陥るほど臨場感が高く、没入感が凄いです。
WBC本選でも、自分がその場に実際にいるかのような錯覚に陥るほど臨場感が高く、没入感が凄いです。
また、インタビューシーンは一切無いので、ある意味で侍ジャパンのスタッフになってWBCを疑似的に体験する「侍ジャパンVR」と言っても過言ではないです。
源田選手が韓国戦で小指を骨折して、ベンチ裏で治療している時の“怪我をしてしまった自分への怒りと無念さ”がない交ぜになった表情に、胸が締め付けられます。
また、メキシコ戦で3ランを打たれた佐々木投手が、大一番で先発としての責任を果たせなかった不甲斐なさに、誰もいない通路で悔し涙を流す姿にも胸を打たれます。
そして、栗山監督やコーチ、選手が話す言葉に、組織論や人間学、人生哲学の一旦が垣間見れるので、言葉を意識して観るのもいいかもしれません。
いずれにしても、侍ジャパンの素晴らしさ、野球の素晴らしさ、スポーツの素晴らしさを再認識できる作品になっています。
なお、Prime Videoでの配信は、スマホで観てしまうと迫力や臨場感、没入感がほぼ失われ、劇場で味わった感動と興奮が半減してしまいます。
作品の魅力を最大化して楽しむためには、部屋を暗くして、できるだけ大きな画面で、ヘッドホンで大きな音量で観ることをお勧めします――。
編集後記
“山川ショック”でメンタルをやられ、WBC熱も醒めていたし、内容も既出の映像ばかりだと思って斜に構えて観てみたら、大間違いでした。
「何が何でも世界一を奪還する」という栗山監督や選手たちの決意や情熱がビシビシ伝わってくるし、魂を揺さぶられるシーンが多く、自然と涙が溢れてきます。
選手たちが目の前にいて距離感が近く、カメラマンの目線と一体化しているので、侍ジャパンの一員としてWBCを一緒に戦っているような気分になります。
なので、最後の優勝シーンでは、侍ジャパンのメンバーと共に長い時間を過ごしてきた気持ちになっているので、心の底から喜びが湧き上がってくる感じがしました。
「光が強ければ強いほど影は濃くなる」といいますが、侍ジャパンの影の部分である苦労や苦難を知ることで、それらを乗り越えた喜びがプラスされるんだと思います。
栗山監督が胴上げされるシーンでは、選考会議のシーンが走馬灯のように蘇ってきて、「あの時、思い描いた夢が正夢になったんだ」と感慨深くなりました。
懸念だった山川選手が映るシーンは、メキシコ戦で投球を終えてベンチに戻る山本由伸投手を迎える時と8回裏の犠牲フライの場面。
そして、最後にメンバーの前で栗山監督が挨拶する時の3回だけで、声を発するシーンも無いのでほとんど気になりません。
選手や監督、コーチたちが、日の丸を背負い、重圧や緊張と闘いながら、14年ぶりの王座奪還という大きな夢に向かって共に戦う姿は何物にも代え難く、尊いです。
なお、エンドロールの後に”笑撃の事実“が判明するので、最後までお見逃しなく――。