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「ウルトラマン55周年記念PV」完全解説

2021年12月13日 | ウルトラ関連


 ウルトラマン55周年記念PV


 2021年の今年、『ウルトラマン生誕55周年』を迎えたことを記念して円谷プロダクションによってプロモーションビデオが制作されました。

 そして昨日、ウルトラマン公式チャンネルの登録者数が200万人を突破し、本日、映画『シン・ウルトラマン』の公開日が2022年5月13日に決定しました。

 それらを記念して、PVの解説記事を作成させて頂きました――。







 完全解説


 宇宙に浮かぶ地球の映像から始まるPV。この映像は、ウルトラマン第33話「禁じられた言葉」のラストシーンからの引用。





 そして、「美しい。地球というのは本当に美しい星なんだ」というハヤタ隊員の台詞は、第25話「怪彗星ツイフォン」で、日本アルプスに降り立った時のもの。

 空を見上げるハヤタ隊員の映像は、第4話「大爆発五秒前」のラストシーンからの引用。


 



 地球人の暮らし


 その後に続く地球人の暮らしを描いた映像は、順番に第15話「恐怖の宇宙線」、11話「宇宙から来た暴れん坊」、第21話「噴煙突破せよ」の1シーン。

 
 



 下記は、第25話「怪彗星ツイフォン」で、地球に接近するツイフォンと名付けられた彗星を不安げに見つめるシーン。








 科特隊と怪獣登場のシーン


 そして、科特隊のジェットビートルの発進シーンは第5話「ミロガンダの秘密」で初登場し、以後様々なシーンで登場する。







 このイデ隊員が叫ぶシーンは、第8話「怪獣無法地帯」で多々良島に偵察に訪れた科特隊がレッドキングを発見した時のシーン。





 その後は、第9話「電光石火作戦」のガボラ、第25話「怪彗星ツイフォン」の二代目レッドキング、第2話「侵略者を撃て」のバルタン星人と続く。












 ウルトラマン登場


 オサム少年が木の棒をベータカプセル代わりにしてウルトラマンを呼ぶシーンは、第26話「怪獣殿下(前篇)」より。





 そして、ハヤタ隊員がベータカプセルでウルトラマンに変身する場面。

 最初のベータカプセルのアップの映像は第34話「空の贈り物」でワイヤーロック作戦が失敗し、ハヤタの乗ったビートルが墜落した後のシーン。





 ベータカプセルから出た光がハヤタの体の周りを回転しながら下に降りていく映像は、10話「謎の恐竜基地」から。







 ウルトラマンの登場シーンは、第8話「怪獣無法地帯」での映像が使われている。





 イデ隊員がホシノ少年に「君が呼んだから来てくれたんだよね」と語りかけるシーンは、第3話「科特隊出撃せよ」より。





 ウルトラマンがファイティングポーズをとるカットは、第10話「謎の恐竜基地」でジラースと対戦する時のもの。





 そして、第3話「科特隊出撃せよ」のネロンガ、第8話「怪獣無法地帯」のレッドキング、第11話「宇宙から来た暴れん坊」のギャンゴと続く。










 科特隊とウルトラマンの攻撃シーン


 ムラマツキャップの合図でガマクジラを攻撃するシーンは、第14話「真珠貝防衛指令」より。







 続いて、第1話「ウルトラ作戦第一号」で竜ヶ森湖でビートルから攻撃を受けるベムラー。





 第10話「謎の恐竜基地」のジラースと第12話「ミイラの叫び」のミイラ人間に対しては、アラシ隊員のスパイダーショットで攻撃。










 スペシウム光線


 スペシウム光線を放つウルトラマンは第7話「バラ―ジの青い石」より。




 
 そして、同作品のアントラー、第31話「来たのはだれだ」のケロニア、第38話「宇宙船救助命令」のキーラ、第21話「噴煙突破せよ」のケムラーと続く。











 第39話「さらばウルトラマン」のゼットンにはスペシウム光線が効かず、吸収されてしまう。





 また、第16話「科特隊宇宙へ」の二代目バルタン星人に対しては、スペルゲン反射光によってスペシウム光線が跳ね返されてしまう。






 ムラマツキャップとジャミラ


 第23話「故郷は地球」のジャミラは、打ち上げに失敗した有人衛星に乗っていた宇宙飛行士で、遭難した星で怪獣になってしまったという。

 科特隊パリ本部のアラン隊員からジャミラ征討命令を受けたムラマツキャップと、自らの運命を悟ったかのようなジャミラの表情が切ない。










 窮地のウルトラマンの反転攻勢


 ウルトラマンが水爆の爆発とともに死んでしまったのでは心配するホシノ少年に「大丈夫だよ。彼は不死身だよ」とハヤタ隊員が語かけるシーン。

 これは、第4話「大爆発五秒前」のラストシーンからの引用。





 そして、第5話「ミロガンダの秘密」のグリーンモンス、第24話「海底科学基地」のグビラとの戦いで窮地に陥るウルトラマン。







 第37話「小さな英雄」で、科学特捜隊の存在意義を見失っていたイデ隊員だったが、ピグモンの死とハヤタ隊員からの叱責に「くそーー!」と奮起。





 第16話「科特隊宇宙へ」の二代目バルタン星人のハサミから発せられる重力嵐で膝から崩れ落ちるウルトラマン。





 さらに飛びかかって来るバルタン星人に対して、ウルトラスラッシュで反撃するウルトラマン。





 このスペシウム光線はウルトラスラッシュの後に連続して発射されたものと思いがちですが、第36話「射つな!アラシ」でザラガスに対して発射したもの。





 第27話「怪獣殿下(後篇)」のゴモラの頭部に、スペシウム光線が炸裂!






 怪獣大集合


 その後は、ウルトラマンに登場する怪獣のオンパレード。

 第2話「侵略者を撃て」のバルタン星人、第19話「悪魔はふたたび」のバニラとアボラス、第37話「小さな英雄」のジェロニモン。









 そして、第33話「禁じられた言葉」のメフィラス星人、第17話「無限へのパスポート」のブルトン、第28話「人間標本5・6」のダダ。









 さらには、第35話「怪獣墓場」のシーボーズ、第15話「恐怖の宇宙線」のガヴァドンA、第37話「小さな英雄」のピグモン。










 怪獣を倒さなかったウルトラマン


 毎回怪獣を倒すことに心を痛めていた古谷敏氏の要望で、ウルトラマンが最後に倒さずに逃がした怪獣がいる。

 それが第20話「恐怖のルート87」のヒドラと、第30話「まぼろしの雪山」のウーだった。







 ちなみに、アラシ隊員の「ウルトラマンはなぜ戦わなかったんだろう」という台詞は、第33話「禁じられた言葉」のラストシーンからの引用。







 
 さぁ光の国へ帰ろう

 
 そして、ゾフィーによる「さぁ私と一緒に光の国へ帰ろう」という台詞は、第39話 (最終回) 「さらばウルトラマン」のラストシーンから。
 
 ゾフィーが手を前に伸ばす映像は、ハヤタとウルトラマンの体を分離するシーンより。







 その後は、第1話「ウルトラ作戦第一号」でハヤタ隊員がウルトラマンからベータカプセルを渡されて一心同体になるシーンへと続く。







 フジ隊員が敬礼する姿を見て、科特隊メンバーが慌てて敬礼するシーンは、第21話「噴煙突破せよ」から。







 科特隊が満面の笑みで佇む映像は、第34話「空の贈り物」で“怪獣風船化作戦”が成功して喜んでいるシーンからの引用。

 視線の先には、水素ガスで膨らんで空に浮かんでいくスカイドンの姿があるはず(笑)





 ウルトラマンが頷く映像は、第37話「小さな英雄」で科特隊の存在意義を失っていたイデ隊員が、ウルトラマンと協力してジェロニモンを倒したシーンから。





 そして、ウルトラマンがゾフィーと共に光の国に帰る映像は、第39話「さらばウルトラマン」より。

 ゾフィーの「ウルトラマン、そんなに地球人が好きになったのか」という台詞は、自分の命と引き換えにハヤタを助けたいというウルトラマンの言葉への返答。





 ウルトラマンが地球をバックに宇宙へ飛んでいく映像は、第4話「大爆発五秒前」で、水爆を宇宙空間で爆発させようとするシーンからの引用となっている。






 編集後記


 アクション・スターのブルース・リーが監督・主演を務めた『ドラゴンへの道』(1972年)。

 そのクライマックスシーンで、ウルトラマン第10話「謎の恐竜基地」の1シーンのオマージュ演出をしていたことが明らかになりました。





 それは、ウルトラマンが剥ぎ取った襟巻きを絶命したジラースの顔にそっとかけるシーンで、敗者にも敬意を捧げる武士道が描かれていて衝撃を受けたという。

 なお、『ドラゴンへの道』では、絶命した相手の顔に戦う前に着ていた道着をそっとかけるというシーンになっています。

 この驚きの事実は、今年7月発売の「ウルトラマン不滅の10大決戦」に書かれていたものです。





 そんな中、先日、その翌年に制作された『燃えよドラゴン』(1973年)でも、ウルトラマン第22話『地上破壊工作』のオマージュ演出のようなシーンを発見しました。

 それは、パリ本部から来たアンヌ隊員に化けた地底人が顔のアップで高らかに笑うシーン。

 『燃えよドラゴン』にも、サングラスをかけた金髪の女性が笑い続けるシーンがあり、前触れもなく唐突な登場の仕方になっていて違和感を感じます。

 オマージュ演出と考えればつじつまが合うため、十分にあり得る話だと思います。





 ウルトラマンなどの円谷作品はスティーブン・スピルバーグジョージ・ルーカスにも影響を与えていますが、ブルース・リーにも影響を与えていたのは驚きです。

 改めて、ウルトラマンの作品の凄さを再認識した次第です。

 また、「ウルトラマン55周年記念PVの解説記事を作ろう」と軽い気持ちでこの記事を作成し始めましたが、途中からとんでもない時間がかかることが判明。

 全39話からまんべんなくシーンを抜き出して、感動的なストーリーに仕立てて、2分17秒の動画にまとめ上げた制作者の凄さも同時に感じました。

 「ウルトラマン生誕55周年イヤー」はもうすぐ終わってしまいますが、2022年5月15日の『シン・ウルトラマン』の公開を期待して待ちましょう――。







【出典】「ウルトラマン公式 ULTRAMAN OFFICIAL」「ウルトラマン不滅の10大決戦
    「ドラゴンへの道」「燃えよドラゴン


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