ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

ゴキゲン中飛車対超速【△4四銀型:現代の定跡へリンクする新構想】

2012年02月26日 02時51分47秒 | 超速対銀対抗
日本将棋連盟が棋譜について著作権を主張し出した様で世間は混乱している。

ニコニコ動画の一般ファンが作成した将棋関連の動画が
棋譜の使用を理由に削除されている様なのだ。

私もゴキ研の記事をローカルに保存しておかないとダメかなと戦々恐々としている。

確かに棋譜で収入を稼げれば将棋連盟としてもおいしいかもしれないが、
ファンがそれを良しとするはずがない。

将棋連盟が自ら新規ファンが入りにくい環境を作り出している様に思えてならない。

しかし、ネット中継で手に入る棋譜解説などを無断で自由に使用する者への
将棋連盟からの警告とも取れる。

我々ブロガーも棋譜などを引用する時には十分に気を付けなければならない。

連盟が棋譜に著作権を主張するのであれば、これから述べる新構想にも特許権を主張したいものだ。
(もちろん、特許権など存在するはずないし、冗談だが…。)

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初手からの指し手
▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲4八銀△5五歩
▲6八玉△3三角▲3六歩△4二銀▲3七銀△5三銀▲4六銀△4四銀(基本図)



今回アイデアが浮かんだ形は超速対△4四銀型の将棋。

△4四銀型は常々私が超速に対して最有力と勧めている対策であり、
まだアイデアも出尽くしていない。

私は、ゴキゲン中飛車と超速の争いは△4四銀型にて後手良しの
結論が出て終息すると見ている。

まずは、一般的な進行を見て行こう。

基本図からの指し手①
▲7八玉△6二玉▲5八金右△7二玉(第1図)



前回の更新(ゴキゲン中飛車対超速【実戦編:△4四銀型対▲6七歩型左美濃】)でも述べた通り、
第1図からの居飛車の作戦は

(1)▲6八銀~▲7七銀の急戦。
(2)▲6六歩~▲6七金とする穴熊や左美濃を主体とする持久戦。
(3)▲7七角~▲6八金寄とする角道を通したままの穴熊。

の3つに分かれる。

解説の順が前後して申し訳ないが、
(3)の角道を通したままの穴熊には定跡が確立している。

△9五歩と位を取り、片美濃囲いに組んで
△5六歩~△5六同飛~△7六飛(参考1図)と転換すれば良い。



これは、王座戦で久保利明棋王・王将が見せた構想で定跡となっている。

歩を沢山持っているので、端攻めが脅威となり
居飛車は安易に仕掛けられない。

このあたりは将棋世界 2012年 03月号
最強久保振り飛車 さばきのエッセンスを参照して欲しい。

(2)の持久戦には現状、相穴熊からの袖飛車に苦労している印象がある。

そこで、第1図から▲6六歩には振り飛車に△5六歩と決戦する手段がある。

以下、▲同歩△同飛▲5五歩△同銀▲6七金△6六飛▲同金△同銀▲6八金
△5六歩▲5三飛(参考2図)という反撃があり、重く△5七金と打たされる。



この急戦策は▲5三飛~▲4三飛成の活用があり、難しいながらも先手良しの結論となっている。

このあたりは将棋世界 2012年 02月号
最強久保振り飛車 さばきのエッセンスに詳細な解説が述べられているので参考にして欲しい。

(1)の急戦に対しては振り飛車も囲いを決めていないので
片美濃、金美濃、穴熊を使い分ける事が出来る。

現在最有力なのは金美濃囲いだろう。

美濃囲いは▲5五同角(参考3図)と出られる変化があり、
▲7四桂が気になるので△3三桂と跳ねる事が出来ないので指されていない。



と言う訳で、△4四銀型の現状を簡単にまとめると、
▲6六歩からの持久戦に苦労していると言う事になる。

では、本題の新構想について述べたいと思う。


基本図からの指し手②
▲7八玉△6二玉▲5八金右△7二銀(テーマ図1)



7二へ玉ではなく銀を上がるのが新構想。

テーマ図1も第1図と同様に

(1)▲6八銀~▲7七銀の急戦。
(2)▲6六歩~▲6七金とする穴熊や左美濃を主体とする持久戦。
(3)▲7七角~▲6八金寄とする角道を通したままの穴熊。

という作戦があるので全てに対応できるかが使えるかを判断するカギとなる。

まず、(3)は美濃囲いに組んで端の位を取れば
前述の定跡(参考3図)へとリンクするので問題ない。

しかし、定跡を知っている人ほど、(2)の▲6六歩からの持久戦に対して
美濃囲いは勝率が悪い事を知っているので、テーマ図1の様なアイデアは
真っ先に切り捨てる手だと思う。

しかし、▲6六歩からの持久戦こそテーマ図1の工夫が待ち構えるところなのだ。

テーマ図1からの指し手①
▲6六歩△5六歩▲同歩△同飛▲5五歩△同銀(途中図)
▲6七金△6六飛▲同金△同銀(第2図)



△7二銀型の狙いはこの急戦策の成否にある。

気を付けるべきは、△5五同銀(途中図)のところで▲同銀(A図)と応じられた場合だ。



ここは後手も重箱の隅を突く様な咎め方をしている以上、
最善を尽くさないと悪くなるので注意が必要だ。

(1)△5五同飛とすると▲8二銀(B図)で駒損必至となり不利となる。



以下、△5六歩▲6八銀△5七銀▲9一銀成△5八銀成▲同金△5七金▲5九香△5八金▲同香
△5七金▲4六銀(C図)で完全に切らされる。



(2)△5五同角(D図)と取るのが良い。



▲4六銀と受けるくらいだが、
(a)△同飛は▲同銀△同角▲4八飛(E図)が痛い。



そこで、(b)△3三角と引いて▲4五銀に△6六飛とすれば、
▲6七金△同飛成▲同玉△8八角成▲同銀△5五角▲5八飛△6六金(F図)が一例で振り飛車よし。



しかし、(b)△3三角には▲2四歩と突き捨てる手がある。

これを△同歩と取るのは後で飛車を走られてしまうので△6六飛と攻め合うが、
▲2三歩成△6九飛成▲同玉△8八角成▲同銀△6六角▲7七銀△3九角成▲2五飛(G図)
と逃げられて振り飛車が劣勢となる。



居飛車の▲4六銀型が隙が無い。

これらを踏まえた上で、(c)△5七歩(H図)と打つのが勝る。



(i)▲同金は△同飛成▲同銀△2八角成(I図)で話にならない。



(ii)▲6七金は△4六角▲同歩△同飛(J図)と捌いて振り飛車が優勢。

先手は歩切れなので、一時的に受けても△3六飛を防ぐ手段が無い。



(iii)▲5五銀には△5八歩成▲同金△5五飛(K図)で二枚換えに成功。

K図では▲2二角が最善に思うが、△2七銀▲4八飛△5二飛▲1一角成△5七銀▲5五香
△同飛▲同馬△4八銀成▲同金△5九飛(L図)は駒割りも効率も固さも振り飛車が勝り優勢だろう。

2012.2.26 ▲4八飛では▲5五角成がある為訂正

▲2二角には△5一飛(△5二飛だと▲5三歩~▲5五香がある)▲1一角成(次に△1二金で角が詰む為)
△3九銀▲5五香△2八銀不成▲5一香成△同金右(訂正L図)にて後手優勢。

角と金銀の二枚換えで左香が捌けている計算で玉の周辺の金駒の数も後手が勝る。



(iv)▲4八金なら今度こそ△3三角が成立しそうだ。

▲2四歩の突き捨てには△3九銀(M図)を用意しているのだ。

▲2三歩成なら△1五角だし、▲3八飛も△4八銀成▲同飛△5八金だ。



したがって、居飛車に変化の余地は無いので第2図への進行を辿る事になるが、
ここで工夫の効果が現れる。

第2図からの指し手
▲6八金△5六歩(第3図)



先程の参考2図と比較して欲しい。



不安定に見えた△6二玉型により▲5三飛が無くなっている。(!)

これなら、重く△5七金と打つ必要が無いので△5七銀成が狙えるので
振り飛車の展望は明るいのだ。

この変化の成否は居飛車の持久戦策を封じる可能性を秘めている。

今後詳しく第3図の変化を調べたいと思う。

最後に(1)▲6八銀~▲7七銀の急戦について触れたい。

既に美濃囲いの外郭を作っているので参考3図に進んで不利な様だがそうではないのだ。

テーマ図1からの指し手②
▲6八銀△6四歩▲7七銀△6三銀▲6六銀△7四歩▲3七桂△6五歩(第4図)



玉の囲いを後回しにして△6三銀型を作る手があった。

第4図は▲同銀には△7三桂があって困っている。

居飛車の急戦もそう簡単に成功しないのだ。

また、居飛車には別の指し手も考えられるので見て頂きたい。

テーマ図1からの指し手③
▲6八銀△6四歩▲6六歩△7一玉▲6七銀△8二玉(第5図)



これは超速の定跡としては部分的にある形で、名人戦にも登場している。

しかし、△4四銀型では通用しないと思う。

第5図で居飛車の攻めは袖飛車くらいだが、

▲3八飛△5一角▲3五歩△同歩▲同銀△4五銀(N図)で空振りだ。



以下、▲3四銀には△同銀▲同飛△3二飛と飛車交換を迫れば低い陣形の振り飛車の優勢は明らか。

以上が私の考えた新構想である。

まだ机上の研究段階で実戦では試していないが、使ってみる価値があると思う。

読者の皆様も興味があれば使ってみて頂きたい。

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ゴキゲン中飛車対超速【実戦編:△4四銀型対▲6七歩型左美濃】

2012年02月12日 18時19分43秒 | 超速対銀対抗
昨日81dojoでの対局で対超速の良い教材となりそうな将棋が指せたので紹介したいと思う。

とは言え、最近81dojoでの対局は控えている。

仕事で残業が続いているのもあるが、sc24で指す様にしている。

81dojoではソフト指し防止の為に、対局者が対局画面のブラウザ以外の物をアクティブにすると
対局者の名前が黒からグレーになる様になっている。

頻繁にやると点滅しているように見えるのだ。

また、対局中に棋譜をコピーすると「誰々は棋譜をクリップボードにコピーしました」
とチャット欄に表示されるようになっている。

先日、この両方を同じ相手にされてとても不快な思いをした。

特に、前者の「名前が黒からグレーになる」人は頻繁に出くわす。

こちらが優勢の局面から突然おかしな挙動をし出して別人の様な指し手をされると嫌になる。

81dojoも順調に利用者を増やしているに伴い、マナーが悪い輩が増えた。

こればかりは利用者のモラルなので仕方がないのだが、
81dojoの機能が充実し過ぎているが為に相手の不正(疑惑だが)
が可視化してしまうのが残念だ。

今回の対戦相手はこれまで何度か対戦してきたが正々堂々と戦ってくれるし、
私のゴキゲン中飛車に超速で正面からぶつかってくる相手なので
こちらも安心して真っ向勝負で挑む事が出来た。

さて、第1図は超速対△4四銀型で良くある局面。



ここからの居飛車の作戦は

(1)▲6八銀~▲7七銀の急戦。
(2)▲6六歩~▲6七金とする穴熊や左美濃を主体とする持久戦。
(3)▲7七角~▲6八金寄とする角道を通したままの穴熊。

現在、プロの対局で最も多いのは(2)だろう。

先日の棋王戦第一局も(2)からの左美濃だった。

ちなみに、現在将棋世界で連載中の最強久保振り飛車 さばきのエッセンスでは
この銀対抗が取り上げられている。

ゴキゲン中飛車の急所でも△4四銀型の銀対抗は扱われているが、
今月号の解説は最新形も基本となる変化もとても詳しかった。

これから解説する実戦にも水面下でその解説手順が潜んでいるので、
購入して手元に置いておくことをおススメする。


               将棋世界 2012年 03月号

余談だが、この表紙になっている掛川城対局は私も大盤解説に参加した。

そこでは解説されなかった菅井流の変化が佐藤康光九段により述べられているのでこちらも参考になった。

さて、今回の実戦は(1)~(3)のいずれでもない単に▲7七角からの左美濃だった。

実は、この作戦は疑問なので咎める手順を学んで頂きたい。

第1図からの指し手
△8二玉▲8八玉△7二銀▲7八銀△9四歩▲9六歩△5六歩▲同歩△同飛▲6六歩(第2図)



その作戦とは、美濃に囲って△5六歩と仕掛けるだけ。

次に△7六飛があるので▲6六歩と受けてきたが、
それならば(1)▲6六歩~▲6七金の左美濃を選択すれば
5筋の歩交換を喫する事は無かったので作戦負けを認めた事になる。

ただ、本譜の△9四歩は緩手だった恐れがある。

と言うのも、▲6六歩△9五歩▲6七金(A図)となると、
後から居飛車には銀冠に組んで▲9六歩の反発がある。



こうなるなら穴熊に組みたいところだ。

これはむしろ振り飛車が作戦負けだろう。

なので、9筋の交換は入れずに△5六歩が最善だと思うので
読者の皆様は注意願いたい。

また、△7二銀の美濃を見届けてから▲6六歩(B図)と
穴熊を目指すのは欲張り過ぎで振り飛車も怒って反撃する。



B図以下、△5六歩▲同歩△同飛▲5五歩△同銀▲6七金△6六飛
▲同金△同銀(C図)となって、これは陣形差が大きい。

参考図の急戦定跡よりも大分得しているのが分かると思う。



先手玉が角筋に入っており、後手陣は鉄壁なので理想的展開と言える。

第2図からの指し手
△5一飛▲6七金△6四歩(第3図)



実を言うと、第3図は既に振り飛車が指しやすい。

と言うのも、次に△5五銀の攻めがあり、
(1)▲4五銀には△6五歩の追撃があり、
(2)▲同銀は△同角で捌ける。

従って、何か攻めを見せたいところなのだが、
▲3八飛には△5二金左(D図)とする。



(1)▲3五歩なら△同歩▲同銀△3七歩▲同飛△1五角▲3六飛△3五銀
▲同飛△4八角成▲3二飛成△5八銀(E図)で振り飛車好調。

(2)▲1六歩として角の飛び出しを防いでも、△4二角▲3五歩△同歩
▲同銀△3一飛(F図)となって戦える。



実戦は第3図から別の手段で攻めて来た。

第3図からの指し手
▲2四歩△同角▲3七桂△3二金▲4五桂(第4図)



▲2四歩には△同角と取れば大丈夫。

もし、△同歩と取って▲2二歩△同角▲2四飛△3二金(G図)で
1歩得を主張するのもアリだが本譜が勝る。



つまり、△2四同角▲2二歩は歩切れになるので、
△3三桂▲2一歩成△5六歩(H図)が激痛になるのだ。



これは将棋世界 2012年 03月号に載っているので目を通して欲しい。

よって、▲3七桂と自重したが、△3二金で1歩得となった。

このままではジリ貧なので▲4五桂としたが次の手が厳しい一手だ。

第4図からの指し手
△5六歩▲5三歩△4五銀▲2四飛△同歩▲4五銀
△5三飛▲5六銀△3三桂(第5図)



先程も出て来た△5六歩が厳しい一手。

次に△5七歩成からの二枚換えが見えている。

▲5三歩と止めて耐えるが、△4五銀の追撃があった。

▲同銀では△5七歩成がある。

▲2四飛と切って凌ぎ、飛桂と角銀の交換で振り飛車の駒損だが
第5図は駒の効率に勝る振り飛車が良いと思う。

第5図で▲5五歩なら△4四桂だ。

以下、終盤は難しかったが囲いを崩して攻め駒を責め、
駒の入手を図った手が良かったようで勝ち切る事が出来た。

読者の皆様も、角道を開けたまま左美濃にするという構想に遭遇したら強く反発して欲しい。

【参考棋譜】

#KIF version=2.0 encoding=UTF-8
開始日時:2012/02/12
場所:81-Dojo (ver.2012/01/03)
手合割:平手
先手:
後手:mus_musculus
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 0:5/)
2 3四歩(33) ( 0:1/)
3 2六歩(27) ( 0:6/)
4 5四歩(53) ( 0:1/)
5 2五歩(26) ( 0:4/)
6 5二飛(82) ( 0:1/)
7 4八銀(39) ( 0:3/)
8 5五歩(54) ( 0:1/)
9 6八玉(59) ( 0:2/)
10 3三角(22) ( 0:1/)
11 3六歩(37) ( 0:4/)
12 4二銀(31) ( 0:1/)
13 3七銀(48) ( 0:6/)
14 5三銀(42) ( 0:1/)
15 4六銀(37) ( 0:5/)
16 4四銀(53) ( 0:1/)
17 5八金(49) ( 0:5/)
18 6二玉(51) ( 0:1/)
19 7八玉(68) ( 0:5/)
20 7二玉(62) ( 0:1/)
21 7七角(88) ( 0:5/)
22 8二玉(72) ( 0:3/)
23 8八玉(78) ( 0:5/)
24 7二銀(71) ( 0:1/)
25 7八銀(79) ( 0:5/)
26 9四歩(93) ( 0:7/)
27 9六歩(97) ( 0:5/)
28 5六歩(55) ( 0:1/)
29 同 歩(57) ( 0:5/)
30 同 飛(52) ( 0:1/)
31 6六歩(67) ( 0:20/)
32 5一飛(56) ( 0:15/)
33 6七金(58) ( 0:4/)
34 6四歩(63) ( 0:37/)
35 2四歩(25) ( 0:21/)
36 同 角(33) ( 0:28/)
37 3七桂(29) ( 0:26/)
38 3二金(41) ( 0:21/)
39 4五桂(37) ( 2:20/)
40 5六歩打 ( 0:19/)
41 5三歩打 ( 0:19/)
42 4五銀(44) ( 0:25/)
43 2四飛(28) ( 0:5/)
44 同 歩(23) ( 0:3/)
45 4五銀(46) ( 0:5/)
46 5三飛(51) ( 0:32/)
47 5六銀(45) ( 0:20/)
48 3三桂(21) ( 0:53/)
49 9五歩(96) ( 0:5/)
50 5五歩打 ( 0:23/)
51 9四歩(95) ( 1:1/)
52 9二歩打 ( 0:1/)
53 8六角(77) ( 0:39/)
54 5六歩(55) ( 0:28/)
55 6四角(86) ( 0:5/)
56 5四飛(53) ( 0:1/)
57 5五銀打 ( 0:10/)
58 5一飛(54) ( 1:21/)
59 5二歩打 ( 0:10/)
60 同 金(61) ( 0:4/)
61 5三歩打 ( 0:5/)
62 6二金(52) ( 0:5/)
63 5四銀(55) ( 0:25/)
64 5七歩成(56) ( 1:32/)
65 同 金(67) ( 0:5/)
66 6八歩打 ( 0:1/)
67 同 金(69) ( 0:15/)
68 5九飛打 ( 0:2/)
69 5八金(68) ( 0:5/)
70 7九銀打 ( 0:32/)
71 7七玉(88) ( 0:5/)
72 4九飛成(59) ( 0:8/)
73 6七金(58) ( 0:46/)
74 6三金(62) ( 0:54/)
75 同 銀成(54) ( 0:30/)
76 同 銀(72) ( 0:2/)
77 6二金打 ( 0:24/)
78 6四銀(63) ( 1:2/)
79 8六歩(87) ( 0:5/)
80 9五桂打 ( 0:51/)
81 3七角打 ( 0:35/)
82 8八銀打 ( 0:7/)
83 投了 ( 0:3/)


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ゴキゲン中飛車対超速の現状【△4四銀型】

2011年11月05日 13時07分47秒 | 超速対銀対抗
近年、プロ棋界ではゴキゲン中飛車の対策として超速が流行して久しいが、
その勢いに押されてゴキゲン中飛車の採用数は減少傾向に傾き始めたように思う。
多くの対策が講じられたものの、現在生き残っている構えは次の3通りだけと言っても過言ではないと思う。

・美濃囲い△3ニ金型(A図)
・△7ニ銀+△3ニ銀型(B図)
・△4四銀型(C図)



これらの構えについて現状をまとめ、考察したいと思う。

初手からの指し手
▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩▲2五歩△5ニ飛▲4八銀△5五歩▲6八玉△3三角▲3六歩(途中図)

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(中略:A図とB図は次回以降公開)

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【△4四銀型】

途中図からの指し手(3)
△4ニ銀▲3七銀△5三銀▲4六銀△4四銀(C図)



この構えのメリットは、じっくりとした持久戦に持ち込めることにある。

C図からの指し手(1)
▲5八金右△6ニ玉▲7八玉△7ニ玉▲6六歩△8ニ玉▲6七金△9ニ香▲7七角△9一玉▲8八玉△8ニ銀▲9八香△7一金▲9九玉(3-1図)



穴熊が完成した後手はここから左金を如何にして玉に寄せて行くかが課題となる。

3-1図からの指し手(1)
△5一金▲8八銀△6一金左▲8六角△5一飛▲3七桂(3-1a図)



単純に左金を玉に寄せると▲8六角の揺さぶりがあり、▲3一角成が受けにくい。
3-1a図は▲4五桂が受からず先手が良い。
固め合いでは分が悪いと見られていたが現在は見直されている。

3-1図からの指し手(2)
△4ニ角▲8八銀△5一金▲7九金△6一金左(3-1b図)



予め△4ニ角と引き▲8六角の揺さぶりを消す。
この時に将来の▲3七桂〜▲4五桂や、▲3七桂〜▲4五銀が角当たりになるのを予め避けている意味がある。
ここから△5一金〜△6一金左と固める。
固い玉型から中終盤勝負に持ち込める事にこの戦型の魅力がある。

また、後手から積極的に動いて超急戦を仕掛ける事も出来る。

C図からの指し手(2)
▲5八金右△6ニ玉▲7八玉△7ニ玉▲6六歩△5六歩▲同歩△同飛▲5五歩△同銀▲6七金△6六飛▲同金△同銀(3-2図)



▲6六歩の局面は後手が△5六歩と仕掛ける最後のチャンスである。
こう来れば先手も真っ向から咎めるなら3-1c図までの進行が必然となる。
3-1c図の先手玉は詰めろなので受けるなら▲6ハ銀、▲6ハ金、▲6八飛。
飛車と金歩二枚の交換なので駒損ではあるが、手番を握っており、先手は歩切れなので主張点はある。
この超急戦に後手良しの結論が出ると、▲6六歩からの持久戦を封じる可能性を秘めている。
持久戦にするにはひと工夫が必要であるし、旧式の▲3七銀急戦に頼ることになる。

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