ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

超速対銀対抗【ゴキ研流急戦封じ】

2015年01月01日 02時57分04秒 | 超速対銀対抗
将棋の日という事でこの記事を書き始めている。

結局、完成は元旦を迎えてしまったw

明けましておめでとうございますw

今期も社団戦に参加し、全日程が終了した。

第25回リーグ表第5日

今期は6部の鰻チームに入れて頂き、ほぼ通しで大将を務めるという貴重な経験が出来た。
(遅刻して1戦は七将で出場した・・・。)

特に、初日に連勝した後に調子に乗って連敗したのはかなり堪えた。

その1敗がチームの1敗に繋がってしまい大いに反省した。

1局の重要性を痛感し、心構えが変わった事を実感している。

また、食事にも気を付け昼食は自前で用意して臨む様にした。

実は、遅発性フードアレルギーという検査に引っ掛かっていて、
一部の食品に対してアレルギーを持っている事がわかっている。

いわゆる、花粉症に代表される様なアレルギー症状ではなく、
遅発性と言われるように緩やかに人によっては数時間~数日後に症状が現れる。

なぜか良く分からないが、頭痛がしたり頭が働かないと言う症状に
覚えのある方は以下の検査をおススメする。

遅発性アレルギー検査

私の場合、昼食にラーメンを食べた事でアレルギー物質を摂取してしまったのがまずかった。

大事な仕事や試験などでミスが許されない状況はだれにでも訪れる。
私も次の日の仕事に影響しないように食事に気を付ける様にしている。

自分の身体の事を知っているのは大いに助けとなるはずである。

ちなみに、リンク先はアフィリエイトなどは関係なく、
私自身が実際に行った病院である。

検査料金は高いが、受けて良かったと思った為紹介した次第である。

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さて、話が脱線したがここから本題に入りたいと思う。

前回2月に更新した時のゴキゲン中飛車の状況としては、
超急戦と超速にかなり押されていた。

超急戦はまだ振り飛車が回避策を採るなど押されているが、
超速は△3二金型が廃れたものの銀対抗が生き残っている様に見える。

その銀対抗の現状としては、急戦一辺倒であったはずが
持久戦が息を吹き返してややこしい状況になっている。

詳しい事は私もまだ詳細な研究を行っていないのではっきりとは言えないが、
▲6六歩と止めずに穴熊にする作戦において▲6八金右が必須でない事がわかったのと、
▲6六歩型においても角を右辺に転換する事で袖飛車以外の仕掛けに幅が広がった事が要因だと推測している。

持久戦についてはまたの機会に触れるとして、
今回は社団戦用に用意していた急戦対策を紹介したいと思う。

正直、まだ手探りの段階なのでこの記事を見て皆様なりの結論を出してから使用して欲しい。

初手からの指し手
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲6八玉 △5五歩 ▲4八銀 △3三角 ▲3六歩 △4二銀
▲3七銀 △5三銀 ▲4六銀 △4四銀 (基本図)
▲7八玉 △6二玉 ▲6八銀 △4二金 (テーマ図)



まずは銀対抗に組み上げた基本図。

ここから居飛車が急戦を狙う場合▲7八玉~▲6八銀と進むが、
ここで△4二金が今回の研究テーマになる。

今期社団戦にて本研究の狙い通りに進行した将棋があるので、
まずはこちらをご覧頂きたい。

最後の寄せがお粗末なのはご了承頂きたい。(苦笑)

参考棋譜リンク


先手:相手チーム大将
後手:ゴキ研管理人

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲6八玉 △5五歩 ▲4八銀 △3三角 ▲7八玉 △6二玉
▲3六歩 △4二銀 ▲3七銀 △5三銀 ▲4六銀 △4四銀
▲6八銀 △4二金 (テーマ図と同一局面)
▲7七銀 △5三金 ▲6六銀 △5四金 (A図)
▲5八飛 △7二玉 ▲1六歩 △8二玉 ▲6八金 △7二銀
▲5六歩 △同 歩 ▲同 飛 △5五歩 ▲5八飛 △6四歩
▲9六歩 △9四歩 ▲2八飛 △5六歩 ▲3五歩 △同 歩
▲3八飛 △6五歩 ▲7五銀 △4五銀 ▲3三角成 △同 桂
▲5八歩 △3六銀 ▲4八金 △4五金 ▲7七角 △4四角
▲同 角 △同 歩 ▲4三角 △6二飛 ▲5四角成 △6六歩
▲同 銀 △3四角 ▲5五銀右 △2五角 ▲2八飛 △5五金
▲同 馬 △2七銀打 ▲3七桂 △同銀成 ▲同 馬 △2八銀不成
▲同 馬 △3四角 ▲6四銀 △3六桂 ▲3七馬 △4八桂成
▲5三金 △6四飛 ▲同 馬 △5九銀 ▲6九金 △3八飛
▲7七玉 △6五歩 ▲同 銀 △6六歩 ▲同 玉 △3六飛成
まで90手で時間切れにより後手の勝ち



A図を見れば狙いがわかるだろう。
左金で5五を支える事により急戦を封じるのが本研究の目的なのだ。

しかし、それだけであれば従来にも同じ狙いの作戦は存在する。

そこで、A図とプロの実戦でも出現しているB図を比較して欲しい。




玉側の守りの駒を温存している分、堅く囲う余地が残っているのが分かると思う。

つまり、「5五へ利きを足して急戦を封じる狙いを残しつつ玉を堅くしたい」という
両立を狙った欲張りな作戦という訳だ。

この作戦への居飛車の対応としては2つの手段が考えられる。

(1)△5四金が間に合う前に超急戦を仕掛ける。
(2)左金の不在により生じた3一の隙を端角で狙う。

順に調べて行きたい。

テーマ図からの指し手(1)
▲3七桂 △5六歩 (第1図)



△5三金を直接的に防ぐ手段としては▲3七桂がまず思い付くところだろう。

これには、△5六歩(第1図)と捌いて行くのが良いだろう。

このタイミングであれば▲4五桂の反撃も△同銀と応じて早速罠にハマる。

つまり、(1)▲同銀△8八角成▲同玉△5五角(C図)は王手飛車。
(2)▲3三角成は△同桂(D図)で後手の桂得。

いずれも失敗に終わるのだ。



また、第2図で▲5六同歩は△同飛▲7七銀△3五歩(E図)と気持ちよく攻めて行ける。



以下、▲2六飛なら△1五角▲1六飛△4六飛▲同歩△3七角成(F図)で
飛車の捕獲も見込める状況とあれば振り飛車優勢と見て良いだろう。



一番厄介なのは▲5八金右だ。

第1図からの指し手
▲5八金右 △5七歩成 ▲同銀上 △5三金 ▲5六銀 △6四金
▲5五歩 △4二角 (第2図)



▲5八金右に△3五歩は目に付くが、
▲2六飛△1五角▲1六飛△5七歩成▲同銀上(G図)の連結が良く決まらない。



この仕掛けは▲7七銀型でないとなかなか決まらない。

ここは△5七歩成として△5三金が良いと思う。

5筋を切った事により▲4五桂には△同銀で角筋が通るので
王手飛車の筋が生じるのはここでも同じ。

ただ、飛車の利きが止まったので居飛車にも▲5六銀と突っ張る手段は生じる。

好形を許すのは癪だが、△6四金▲5五歩と打たせて
△4二角(第2図)とすれば居飛車の攻めは止まる。

振り飛車の囲いが完成する前に動きたいところだが、

(1)▲4五銀左は△5五銀▲同銀△同金▲3四銀△6四角(H図)
(2)▲6八金寄△5一飛▲5八飛なら今度は5五歩を守れるが△3五歩(I図)という反撃が生じる。
以下は、▲4五銀左△3六歩▲同銀(▲4四銀は△同歩で問題ない。)△3一飛▲3五歩△5六歩(J図)




狙いすました順が続き、次に△5一飛が厳しく振り飛車が優勢となる。

かと言って、動かないのであれば一局ではあるが、
振り飛車の思惑通りの展開と言えるので作戦は成功と言えると思う。

以上により急戦策はクリアしていると考える。

次に、(2)左金の不在により生じた3一の隙を端角で狙う。

このテーマについて考えて行きたい。

テーマ図からの指し手(2)
▲9六歩  △9四歩  ▲7七銀  △5三金  ▲6六銀  △5四金
▲9七角  (第3図)



一度端の交換を入れてから銀を繰り出し△5四金を催促する。

こうして出来た3一への隙を狙って▲9七角と覗くのが居飛車の切り札だ。

なお、△6四金と出ればこの覗きは無いが、他の面で不都合が生じる。

例えば、▲3八飛△4二角▲3五歩△同歩▲同飛△3三歩▲4五飛(K図)の様な揺さぶりが生じるし、
後で△4四金と飛車に当てながら飛車先を通す様な手が狙えない。



なるべく形良く△5四金と上がりたいのだ。

ここで振り飛車には3通りの受けが考えられるが正解はどうやら1つしかない様だ。

第3図からの指し手(1)
△3二飛  ▲5八飛  △7二玉  ▲5六歩  △同 歩  ▲同 飛
△5五歩  ▲5八飛  △8二玉  ▲7九角  △5一角  ▲8八角
△3三角  ▲3八飛  △7二銀  ▲3五歩  △同 歩  ▲同 銀
△同 銀  ▲同 飛  △4四金  ▲3六飛  △3四歩  ▲9七角
(第4図)



まずは△3二飛から。

▲3八飛は角を引けば受かる仕組みだが、
飛車が5筋からいなくなった事により▲5八飛から一歩入手されるのが見た目以上に痛い。

長手数進めたが、角の動きに翻弄されるのも
△2二角では▲2四歩△同歩▲2三歩が生じるのが原因だ。

第4図は▲4一銀が受けにくい。

第一の手段△3二飛は無理筋の様だ。

第3図からの指し手(2)
△5一飛  ▲3八飛  △7二玉  ▲3五歩  △同 歩  ▲同 銀
△同 銀  ▲同 飛  △4四金  ▲3六飛  △3四歩  ▲4二銀
△5二飛  ▲3三銀不成△同 桂  ▲4二角打 △5六歩  ▲5三角上成
(第5図)



次に△5一飛を調べたい。

今度は▲3八飛と狙われたときに、
角の利きで飛車を3筋に回せない上に角の引き場が無い。

3筋で清算されて更に▲4二銀が生じて困った。

第6図は押さえ込まれて完敗だ。

第二の手段△5一飛も不発に終わった。

ここまで▲9七角の利きで大駒が釘付けにされたのが痛かった。

となると、最終手段はこれを遮断する手を考える。

第3図からの指し手(3)
△6四歩  ▲3八飛  △4二角  ▲3五歩  △同 歩  ▲同 銀
△同 銀  ▲同 飛  △3三歩  (第6図)



最後に△6四歩を考える。

玉頭に穴が空くだけに怖い手だが大丈夫。

今度は▲3八飛に△4二角と引けるのが大きい。

3筋での清算に△3三歩(第6図)で収まる。

▲2四歩△同歩▲2二歩も△5三角(L図)の切り返しがある。



第7図以下は▲3八飛なら△2七銀でも△5三角▲2八飛△2二飛でも十分だ。

また、△6四歩に▲5八飛は△7二銀として、▲5六歩に△7一玉(M図)が成立する。

以下は、▲5五歩△同銀▲同銀左△同金▲6四角△4六金▲5二飛成△同金
▲3一飛△6一銀打▲3三飛成△同桂▲4六角(N図)で捌けて一局ながら二枚飛車が大きいと思う。



以上をもって、急戦封じ△4二金は有力な超速対策になりうる事を示せたと思う。

時間が取れれば次は持久戦対策にもふれておきたいと思う。

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