カネシゲタカシの野球と漫画☆夢日記

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球界再編問題「最初から感情論に決まってるじゃねーか。」(追記してます)

2004年11月30日 07時02分58秒 | ☆提言・苦言・球界再編
この記事を書くのは長い間ためらっていました。時間がかかりそうなのと、上手く書ける自信がなかったからです。
よって言いたい事がうまく伝わるかどうかわかりませんが、勢いでたたきつけますんで、良かったらお付き合いください。

僕がずっと言いたかった事は、プロ野球再編問題に際して「ファンは感情論でものを言うな。現実的に合併・球界縮小はいたしかたないだろう」というご意見に対する反論。

僕の乱暴な意見を言います。
「最初から感情論に決まってるじゃねーか。説明責任を放棄したプロ野球経営陣は、感情論を逃げ口上に使うな。『感情』を『勘定』し、得をしてきた事実を無視するな。」


ちょっとした実験をしますね。
皆様は以下に書いた企業名から、ご自由にイメージを膨らませてください。
いわば連想ゲームのようなものです。

○京 阪
○山 陽
○近 鉄
○阪 神
○小田急
○京 王
○西 武
○京 成
○東 武

●伊藤ハム
●日本ハム
●丸大食品
●グリコ
●ロッテ
●森永乳業
●ダイエー
●イトーヨーカドー

これら企業名を口に出して生じるイメージ。
プロ野球ファンなら、「近鉄・阪神・西武・日本ハム・ロッテ・ダイエー」に差し掛かったときにある種の豊かな感情が湧き上がってきませんでしたか?
その「豊かな感情」こそが、プロ野球経営陣が莫大な金額を毎年投下する対価として得ていた「感情」です。
(近鉄やダイエーに関しては今となっては微妙ですが…)

再編騒動で地に堕ちた感のある「オリックス」という企業名も、かつては阪神大震災で被災した神戸の人々にとって勇気を与えてくれる神々しいイメージでいっぱいだったはずです。
少なくとも球場に足を運び、ブルーウェーブの球団発行誌を購読していた僕としては、いまだに当時の好ましいイメージは完全に捨てきれないんです。

ちゃんと「ファンの好意的な感情」という対価は得ているんですよ。
経営陣だって、いろいろといい思いをしたはずなんです。
先に挙げたような企業イメージの底上げはもちろん、公の場でも私的な場でも。
「ライオンズおめでとうございます」「オリックス、調子いいじゃないですか」とか言われて「いや、ありがとう」なんて笑顔で答えるのは気分が良かったはずです。
経営陣も、その社員も。
そりゃ、いいことばかりじゃないでしょうが…。

応援させといて、好意的な感情を抱かせといて、「もうからないから」という理由で無責任に感情を踏みにじるから、大騒ぎになった。
「感情論で子どもじみたことを言うな。経営が苦しいんだ」といわれても、「子どもみたいな感情で応援してくださいと言っていたのはそっちだろう」と僕は言い返したくなります。
本当に子どもじみて無責任ですがね。

たしかに現在のパ・リーグとセ・リーグの経済的な格差は見逃せません。
一部の球団だけが好意的な感情を得ることにプラスして莫大な利益まであげているというのはどこかがおかしい。
工夫は必要です。
それこそぶち壊してもう一度つくり上げるぐらいの覚悟を持って。

今季の再編問題の最初の頃、各経営陣はなにもぶち壊す覚悟がないことがあからさまだった。
いや、リーグや球団をぶち壊すってことじゃなくて、その原因となっている「読売依存の状態」をぶち壊す覚悟が。
そこに頼っている以上、「読売こけたら皆こけた」状態になる。
それはやっぱり危険すぎますって。

ファンの中にも「感情論に走る気持ちはわかるが、まず球界縮小して、1リーグにして、格差を縮めることこそ現実的」という意見がありますが、僕はそう思わない。
ミクロな視点で考えれば良いかもしれませんが、マクロな視点で見れば危険極まりない。
リーグの問題はともかく、球団数の縮小は野球文化の縮小を意味します。
その件については、再編問題の当初(6月)に記事として書きましたんでそちらを参照してください。

プロ野球は企業活動かもしれませんが、ひとつの立派なスポーツ文化なんですよ。
それこそ世界に胸をはれるレベルにある、歴史あるプロスポーツ文化です。
損得勘定もいいが、それに携わってるという覚悟と誇りは経営陣になかったのか?と問いたい。
例えば甲子園の高校野球を視察にくるメジャーリーグの関係者などは、まずそのレベルの高さに驚くと言います。
現時点でプロ野球12球団は国内の野球文化においてその頂点なんですよ。
企業としてそこに関わることができることに、もっとプライドを持ってもらいたい。


で、話はちょっと変わるのですが…

僕は再編問題に際し、一貫して「選手会」を応援してきました。
ただ、「選手会」が全面的に正義だったなんて思っていません。

再編問題・特にストライキ突入に際して我々ファンの多くが全面的に選手会側を支持したのは、いわば「政党」の趣旨に賛同して、乗っかり、一票を投じたようなものだった思います。

我々が衆議院や参議院の選挙で自分達の望みや欲望を一番かなえてくれそうな政党に一票投じるのと同じことです。

だから「未来永劫選手会を応援する」とはいえませんし、政党と例えるなら批判すべき部分だって数多くあるということ。
ファンに選ばれたといえる「選手会」という政党の真価が試されるのはこれからです。

とりあえずちょっと前(11月26日)のサンスポに掲載されていた横浜・多村選手の契約更改に関する発言には腹が立ちました。

横浜・多村が25日、代理人同席で契約更改交渉に臨んだが、条件提示には至らなかった。10年目の今季、球団で日本人歴代最多となる40本塁打に加えて、打率.305、100打点と自己最高の成績をマーク。年俸3700万円から、最低でも1億円を希望し「大台にいかない理由がない。出さないと球団が恥ずかしいと思う」と強気。高木チーム運営部長は「査定では大台にいかないが(増額の)幅はある」と説明した。
厳しいことを言わせてもらえば、「んなもん一億行く方がおかしい」。

チーム成績が最下位だったうんぬんは、まあいい。
やっとまともに一年間仕事したからって、「一億出さないと球団が恥ずかしい」なんて言ってる多村選手のほうがよっぽど恥ずかしい。

多村選手がどれだけのお客を球場に呼べたのかどうかは知りませんが、現実問題として、選手も今はプロ野球の経営について考えるべきとき。
「自分を通す」というのが彼の高校時代からのキャラクターだったそうですが、発言があまりに自分本位というか、時代の流れを読まないというか…。

同じ横浜の佐伯選手が「球場料金の値下げ」という前代未聞の条件をぶちあげてFA交渉したのに比べると、心構えが雲泥の差です。
(ただし、この報道だけで判断しています。実は前後の発言などがカットされていて誤解を招くような報道になっているだけだとしたら、多村選手に対して心より謝ります。)

今季のプロ野球で一番お金を貰うべき人間は古田。
そして、SHINJO。

古田は未来への手がかりを。
SHINJOは夢を。そしてプロ野球の面白さと華やかさを。
我々ファンに与えてくれました。

ただ繰り返しますが、僕は未来永劫選手会ならびに古田選手会長(いずれ交代するでしょうが)に「一票」を入れ続けるつもりなどありません。
むしろ「一票」入れたファンに対する恩をどういった形で返してくれるのかにプロ野球の将来はかかっている。

全てのファンは見ています。
公約破りは政党としてご法度です。
真価が試されるのはこれからです。

うまくやれば、プロ野球はうまくいきます。
少年の瞳と大人の知恵をもってすれば、きっと…。



再編問題はまだまだ終わってなんかいませんので、この総括のようにみえる記事もあくまで途中経過。
また、チーム名に企業名をつけた「企業スポーツ」の是非自体については論点がぼやけるので語っていません。

論旨の破綻や矛盾があるとおもいます。
ものすごく子どもじみた「感情論」な内容ですから。

ツッコミをいただいたら、謝りながら訂正・加筆していきたいと思います。


【追 記】
ていうか、どこに入れればいいのかわからなかったのでここに書いておきます。

「プロ野球からの身の引き方」というものも大事だということ。

これはクイズなのですが、今年最初までのプロ野球界において最も最近「身売り」を経験したチームはいったいどこでしょうか?

「南海→ダイエー」となったホークスや、「阪急→オリックス」となったブルーウェーブと答えた方はいませんか?

正解は「横浜ベイスターズ」です。

それこそライトな野球ファンの方なら気付かないぐらいの、段階的ですみやかな身売り。
ホエールズ時代からの親会社だった「マルハ」の身の引き方は、ファンに余計な負担を無理強いすることのない鮮やかなものでした。
こういった「身の引き方の勉強」も、実は大事なんですよね。

そういえば過去に大阪近鉄バファローズが球団名を「大阪バファローズ」にするという構想を打ち出した際に「身売りする気か!?」という各方面からの批判があったことを思い出します。
我々ファンも今年はいろいろと勉強しました。
未来と発展へつながる身売りなら、それは歓迎すべきなんじゃないのかということを。