毒まんじゅうはいかが?

CDのレビューとかなんとか

Snakes & Arrows/Rush

2015-01-17 23:35:06 | レビュー

<List>
1. Far Cry
2. Armor and Sword
3. Workin' Them Angels
4. The Larger Bowl
5. Spindrift
6. The Main Monkey Business
7. The Way the Wind Blows
8. Hope
9. Faithless
10. Bravest Face
11. Good News First
12. Malignant Narcissism
13. We Hold On

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

2007 年リリースの18th。本作を最初に一通り聴いた時、つまらない、帯に記してあったNeil Peartの「捨て曲なし」というのはウソじゃないか、捨て曲だらけじゃないかと思ったものです。曲が頭の中を通過するのだけでフックがなくて曲が覚えら れない。まず傾向として、16thの"Counterparts"から次作の"Clockwork Angels"の1曲目、つかみの曲が似通った印象で弱いのではないかと。名曲"The Spirit of Radio"や"Tom Sawyer"には遠く及ばないと。その思いは変わらないのですが、本作を何度か聴くうちに説得されていくのでした。こんなにテクニカルで細かい演出が あったのかと聴くたびに新たな発見があります。それとこのアルバム、前作までの流れから外れて音がクリアーではありませんか?ギターのコードもベースの音 も潰れずに綺麗に聴こえます。ドラムも付帯音が取り除かれています。各パートを別々に追って聴くと「こんなことしてたんだ」といろいろ細かい芸に気付くと 思います。そして、一番の特徴はGeddy Leeのボーカルが冷静で一定のテンションを越えず、淡々と聴こえる事です。そのこともこのアルバムの色合いを決めていると思います。きっと彼らはこの時 期にこんなアルバムを残して置きたかったのでしょう。過去のどのアルバムにも似ていません。そこはさすがです。