<List>
1. The Spirit of Radio
2. Freewill
3. Jacob's Ladder
4. Entre Nous
5. Different Strings
6. Natural Science
)Tide Pools
) Hyperspace
) Permanent Waves
<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)
1980年リリースの7th。このアルバムは傑作"Moving Pictures"以上に重要な作品かも知れません。
それは前作のファンタジックかつ大作志向な"Hemispheres"の反動で収録時間の短い代表曲"The Spirit of Radio"が出来ました。この曲は、それまでのRushの曲に比べるとちょっとポップな感じです。それはYesの"90125"やAsiaの1stアルバムのリリース時期より前の出来事で、それらのバンドのムーブメントとは全然関係ありません。この曲はシングルカットされてスマッシュヒット。多くのファンを獲得しました。
としながらも、まだ過去のスタイルを引き摺って(悪い意味ではありませんよ)収録時間の長い曲があります。"Freewill"や"Jacob's Ladder"、組曲"Natural Science"に至っては9分以上あります。
私感では多くのRushの曲の中で"Freewill"が最もRushらしい曲だと思っています。曲の中間のバトルは何度聞いても感動します。聴く度にギター、ベース、ドラムを別々に意識を集中して聴いています。3人とも素晴らしい!
"Jacob's Ladder"はほぼミドルテンポのインストゥルメンタルなのですが、Neil Peartが色々な業を繰り出し、あらためてその技量の高さに驚くのでした。この曲を次のLive(アルバム)でやってくれないかなぁ?
"Entre Nous"は今でも近年のライブアルバムで聴く事が出来ます。最後の"Natural Science"は大作です。これくらいの長さの曲はいともたやすく出来てしまうのでしょう。この曲も近年のライブアルバムに収録されていますね。
"The Spirit of Radio"が以後のRushの幅と可能性を突破したのだと思います。この曲がなければ以後もアルバムの色調は変わらなかったかもしれません。
忘れてはならないのはGeddy Leeの歌い方が変わった事です。それまでの無理して高い声を張り上げることはなくなりました。聴くところによると、あのMichael Schenkerに諭されて自然な歌い方にしたらしいのですが、本当でしょうか?
唯一残念なのは"Permanent Waves"と"Moving Pictures"を境界としてレコーディング・プロダクションが大きく異なる事です。前者は悪くはないのですがまだ70年代の音像です。後者から音が大変良くなりました。レンジが広く透き通った音です。まだデジタルレコーディングではないでしょうが、当時の他のアーティストのアルバムと比較してもかなり音が良い部類に入ると思います。その後の"Exit...Stage Left"は音が悪いのですが。
現時点で最新フルレンスアルバムである"Clockwork Angels"がコンセプトアルバムとしながらも、独立した曲の集合だったのとはまた違った形で大作、組曲を作って欲しいなと思いました。