毒まんじゅうはいかが?

CDのレビューとかなんとか

So Far, So Good... So What!/Megadeth

2015-01-20 14:25:09 | レビュー

<List>
1. Into the Lungs of Hell
2. Set the World Afire
3. Anarchy in the U.K.
4. Mary Jane
5. 502
6. In My Darkest Hour
7. Liar
8. Hook in Mouth

<Member>
・Dave Mustaine(Guitar, Vocal)
・David Ellefson(Bass)
・Jeff Young(Guitar)
・Chuck Behler(Drums)

1988年リリースの3rd。この作品を初めて開封して聴いた時、エフェクトの掛かっていない軽めのギターのイントロから始まり、急にギターリフが襲い掛かってくるように鳴りはじめて、時計の秒針を刻む様な展開の中複雑にギターが絡み合い、とても恐ろしく思うのでした。そして年寄りの♪I don't want set of fire~とのどかな歌の後で爆弾の音がして…嗚呼、神様、仏様、恐ろしやー。スラッシュメタルとはこんなに恐ろしい音楽なのか。凄まじいギターリフとドラムの音。音楽を聴いていてこんなに恐ろしい思いをしたことはなかったのでした。その後も複雑な展開が頭を混乱させ、ボーカルも怒ってるし、、、今聞いてもこの複雑さはへヴィーメタルの粋を越えていますね。2ndの次にこれが好きですね。次が4thかな。同様に複雑な曲展開を見せる"Mary Jane"、Cliff Burtonの死に触発された暗い"In My Darkest Hour"、その他の曲も良い曲ばかりです。でも"Anarchy in the U.K."は要りません。大佐、この作品を称してどこがPOPなのですか?私の勝手な持論なのですが、アグレッシヴな音楽はボーカルを少し引っ込めた方が良い事を実践しています。リバーブ類は掛かり過ぎかもしれませんね。アルバム全体がコンパクトなのも良いです。




The Tall Ships/It Bites

2015-01-19 23:10:33 | レビュー

<List>
1. Oh My God (5:49)
2. Ghosts (4:47)
3. Playground (5:34)
4. Memory of Water (4:51)
5. The Tall Ships (6:19)
6. The Wind That Shakes the Barley (8:14)
7. Great Disasters (5:01)
8. Fahrenheit (5:18)
9. For Safekeeping (5:29)
10. Lights (4:56)
11. This is England (13:51)

<Member>
・John Mitchell(Vocal, Guitar, Bass)
・John Beck(Keyboard, Vocal)
・Bob Dalton(Drums)

2008 年リリースの4th。前作である"Eat Me in St. Louis"から19年も経ってしまいました。メンバーはその間にバンド名を変えたり別のバンドで活動したりでいろいろあり、やっとIt Bites名義でリリースされた訳ですけど、あまりにも長すぎましたね。オリジナルメンバーでありバンドのカラーを決定付けていたFrancis Dunneryはいません。John Mitchellが加入しました。「2人の声は似ていて違和感がなく良かった」というポジティブな意見を聴きますが、全然似ていないと思いますし性格もか なり違うみたいです。John Mitchellの声は良いです。個性としてしゃがれた感じがあります。彼がバンドに持ち込んだものは突拍子のないような展開が無くなって、とても落ち着 いたものです。でも、思うのですがもう前作から19年経っているのですから彼らが大人の成熟した音楽を演奏するのは当たり前です。前作 の"Positively Animal"を演奏しますか?止めた方が良いです。そういう意味で本作品は納得がいきます。曲も良いです。John BeckがかなりIt Bitesの音楽性を決定していたのが解ります。John Mitchellのギターは、前任者と比べるともっとロックの魂が籠っているいるタイプではないでしょうか。ロックギターリストです。バッキングもソロも 結構オーバードライブしています。折角新しく再スタートを切ったのだから長続きして欲しいです。曲は押し並べてどれも良いですが、"This is England"は彼らの意地のような曲ですね。


...And Justice for All / Metallica

2015-01-18 22:43:39 | レビュー


1. Blackened
2. ...And Justice for All
3. Eye of the Beholder
4. One
5. The Shortest Straw
6. Harvester of Sorrow
7. The Frayed Ends of Sanity
8. To Live Is to Die
9. Dyers Eve


・James Hetfield(Vocal, Guitar)
・Kirk Hammett(Guitar)
・Jason Newsted(Bass)
・Lars Ulrich(Drums)

1988 年リリースの4th。Cliff Burtonが亡くなり、Jason Newstedが加入して初めてのフルレンスアルバムです。この作品はリリース当初から物議を醸しました。スネアの音がおもちゃの鼓笛隊のような軽い音 で、確かにエフェクトを掛けていないクリーンな音ではあるけれども、メタリカの様な音楽に合うのか疑問です。それ以上に問題なのは、ベースの音が明らかに 小さい事。新加入のJasonへのイジメじゃないかと言われました。それはともかく、これは再生環境でかなり印象は変わってきます。今はJBLの CONTROL1で聴きながら原稿を書いているのですが、これでもかなりベースの音は聴こえます。サイズが大きいスピーカーは複数所有しておりますが、あ えてメインに据えているJBL 4301で聴くとなかなかのバランスです。でも、ミックスの過程で誰かさんが音を絞ったに違いありません。確かにJames Hetfield(Kirk Hammettはまたリフを弾かせてもらえなかったらしい)のギターのローエンドは太いですが、あんまりです。しかし、JasonのBassが正確に Jamesのマシンガンのようなギターリフににシンクロしているのは見事です。ピックで弾いているからだと思います。現在MetallicaにJason はいませんが、彼はRobert Trujilloより適任だったと思います。Robertも上手いですけどMetallicaには向いていないと思います。ウォーム過ぎます。さてこの作品ですが、な にかにせかされて仕上げたのかしりませんが、完成度が低いと思います。1曲目の"Blackened"は名曲です。Kirk Hammettのギターも上手かったです。彼らはプログレッシブ的な作品として答えていましたが、"...And Justice for All"や"The Shortest Straw"等は複雑ですが退屈なリフワークで、それが今日(こんにち)まで引き継がれていると思います。"Eye of the Beholder"やライブでよく演奏される"Harvester of Sorrow"のようなミドルテンポの曲もフックがありません。"Dyers Eve"はただ速いだけです。やはり作曲に"Cliff Burton"と"Dave Mustaine"がかなり多大な影響を与えていたのだと再認識した1枚なのでした。


Snakes & Arrows/Rush

2015-01-17 23:35:06 | レビュー

<List>
1. Far Cry
2. Armor and Sword
3. Workin' Them Angels
4. The Larger Bowl
5. Spindrift
6. The Main Monkey Business
7. The Way the Wind Blows
8. Hope
9. Faithless
10. Bravest Face
11. Good News First
12. Malignant Narcissism
13. We Hold On

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

2007 年リリースの18th。本作を最初に一通り聴いた時、つまらない、帯に記してあったNeil Peartの「捨て曲なし」というのはウソじゃないか、捨て曲だらけじゃないかと思ったものです。曲が頭の中を通過するのだけでフックがなくて曲が覚えら れない。まず傾向として、16thの"Counterparts"から次作の"Clockwork Angels"の1曲目、つかみの曲が似通った印象で弱いのではないかと。名曲"The Spirit of Radio"や"Tom Sawyer"には遠く及ばないと。その思いは変わらないのですが、本作を何度か聴くうちに説得されていくのでした。こんなにテクニカルで細かい演出が あったのかと聴くたびに新たな発見があります。それとこのアルバム、前作までの流れから外れて音がクリアーではありませんか?ギターのコードもベースの音 も潰れずに綺麗に聴こえます。ドラムも付帯音が取り除かれています。各パートを別々に追って聴くと「こんなことしてたんだ」といろいろ細かい芸に気付くと 思います。そして、一番の特徴はGeddy Leeのボーカルが冷静で一定のテンションを越えず、淡々と聴こえる事です。そのこともこのアルバムの色合いを決めていると思います。きっと彼らはこの時 期にこんなアルバムを残して置きたかったのでしょう。過去のどのアルバムにも似ていません。そこはさすがです。


Trilogy/ Yngwie J. Malmsteen

2015-01-16 22:35:54 | レビュー

<List>
1. You Don't Remember, I'll Never Forget
2. Liar
3. Queen in Love
4. Crying
5. Fury
6. Fire
7. Magic Mirror
8. Dark Ages
9. Trilogy Suite Op: 5

<Member>
Yngwie J. Malmsteen(Guitar, Bass)
Mark Boals(Vocal)
Jens Johansson(Keyboard)
Anders Johansson(Drums)

速弾きギターリストの元祖であるYngwie J. Malmsteen、1986年リリースの3rd。特に本作は彼の作品の中で傑作とされていますが、納得のいく内容となっております。曲は中庸かな?能力 の高いMark BoalsをVocalに据えて見事な歌いっぷりを見せています。が、キラーチューンが欲しかったです。上手いんですけど、癖がなく躍動感を感じません。 この頃のYngwie J. Malmsteenの速弾きは本当に素晴らしいです。とても精確なリズムで畳み掛けてきます。ピッキングが見事です。ギターもFender社の弾きにくい ギターをさらにスキャロップ(指板を削る)してさらに弾きにくくしています。弾きにくいからこそ個性が出るのだそうです。ピックアップはリアを DiMazio社のシングルサイズのハムバッカーを搭載しているのですが、音はシングルピックアップに近いです。なので、速弾きをしても1音1音が潰れま せん。そして、Yngwieに負けないくらい頑張っているのがJens Johanssonです。高速Keybord奏者ですね。この人、もっと評価されていいです。アルバムのハイライトはやはり"Trilogy Suite Op: 5"ですね。速さよりリズムの正確さに驚嘆します。でもあの曲は途中フェードアウトして中弛みしてしまうのが難点です。で、頭を強く打ってからの後の作品は…