電動キックボードMEISYA列伝

電動キックボードなどの特定小型原付全般のブログです。
毎回、少しマニアックな視点で書いています。

電動キックボードMEISYA列伝 #18 MDX3

2024-06-30 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。

 

冒頭から足早なのですが、今回はYADEAから発表のYDX3を取り上げていきたいと思います。最後までお付き合い頂けたらと思います。

 

あくまで私個人的な感想なのですが、このモデルはすっきりした外観で洗練されたデザインを持っているのが特徴だと同時に魅力だなぁって思います。

 

どれとは言いませんが電動キックボードの中には配線類が剥き出しになっているものが割とあるのですが、それらは隠してしまったほうがデザイン的に洗練されているという印象は受けると思うのです。

 

あと、バネが剥き出しになっていないという事もスッキリとした外観に一役買っているのではないかと私は思います。どうしてもバネや配線類が剥き出しになっていると無骨な感じが出やすくなるとは思うのですが、その無骨な感じこそが機械的な精悍さを演出してくれていて良いという人もいるかとは思います。

 

まあ、デザインに関しての好みは人それぞれなのでその点につきましてはここまでということにさせて頂きたいと思いますが、バネについて触れたところでこの車種を車体の横から見ると、バネらしいバネは見あたらず、くの字状のスイングアームだけなんですね。

 

これはメーカーの公式ではポリマー素材を使ったサスペンションを使用と発表をしているのですが、ポリマーという言葉自体は素材そのものの種類を指す言葉では無いために詳細は不明です。

 

で、そのポリマーという素材そのものがバネなのか、バネはバネで別にあってダンパーの役目のみをしているのかは正直、分からないのですが、大昔ゴムだけのサスペンションを採用しているというオートバイはあったんですよ。

 

今から約50年以上前にヤマハ発動機から発売されていたMF-1というホンダのスーパーカブみたいなオートバイなんですが、普通のバネに比べるとあまり良くはなかったみたいで、後に発売された後継車種のヤマハメイトでは普通のバネを採用したという例があります。

 

まあ、今はその時とは違って技術も格段に進歩していますので、当時と同じように考えるというのはナンセンスだと言うことは分かるのですが、耐久性が十分であるということに期待はしたいとは思っています。

なんだかんだとは言いましたが、この手のサスペンション方式の利点はなんと言っても可動範囲を大きく取れるということです。スペース的に制約の多いキックボードにおいては持ってこいの方式なんですね。

 

今回の車種のようなサスペンションを持つモデルは他にもあるのですが、今回のモデルは他とはちょっと一線を画した部分があったりもします。

 

分かり難い部分かも知れませんが、フロントフェンダーの取付方法です。スイングアームに取り付けてあるのでフェンダーもスイングアームと一緒に動くんですね。

 

これはつまり、タイヤがフェンダーを擦る心配が無いという事になるのですが、フェンダーを車体のほうに固定した場合、サスペンションの可動範囲を大きく取れば取るほどタイヤがフェンダーを擦りやすくなるということが考えられるんですね。擦るのを避けようと思ったらオフロードのバイクみたいにタイヤとフェンダーの距離を大きく離すという必要があるんですね。

 

そのほうが格好いいと言われればそれまでなんですが、今回のモデルのフロントフェンダーの取付方法は良く出来た隠れた特徴のひとつと言っても良いのではないのかな?と私は思っています。

 

そして、今回の車種には隠れた特徴がもう一つあるんですよ。ステアリングのオフセットなんですが、これが他の車種には見られないという設定なんですよ。

 

ステアオフセットとは?については過去にこのブログで何度も触れたのですが、簡単におさらいをすると、タイヤの中心線をステアリング軸の中心線から前方にずらすことによって旋回時の安定性を向上させることができるんですね。

 

ところが今回の車種の場合はタイヤの中心線をステアリング軸の中心線から後ろにずらしているんですよ。毎度おなじみの当ブログの推定値ではステアオフセットの量は-15mm程のようです。

 

通常とは逆の向きでオフセットを取っているというのは非常に珍しい事で、向きを逆にすることによってついでに直進安定性の向上に関係するトレール量も大きく取れているんですよ。今回のモデルのトレール量は当ブログの推定値で40mm程のようです。

 

通常、電動キックボードのトレール量は-20mm位から多くても25mm位なので、今回のモデルのトレール量の多さは電動キックボードの中では優れたものと言っても良いかと思います。

 

あと、直進安定性の向上に欠かせないのがホイールベースの長さなのですが、このモデルは短く見積もっても930mm程度はあり、電動キックボードの中では長い部類に入ります。

 

で、ホイールベースが長いということは人間の乗る部分、すなわちデッキの長さも長くなるという傾向にあり、このモデルの推定デッキ長は440mm程度のようです。足の置き場に困るということは無いんじゃないかな?と思います。

 

それと今回のモデルは様々な部分で十分な寸法を確保しているにも関わらずに車体全長が1180mmとコンパクトな事も魅力のひとつだと思います。

 

実に上手い具合に良いとこを取っている一台なんじゃないのかな?と私は思います。

 

それではごきげんよう~



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