話は少し戻りますが、アダム=キリストの霊が若い翠さん(=イブ=ミロク) に気の術をかけて鍛練した時、彼女が最も嫌だったのが、母との情を裂かれることだった
母はアダムの大きめの分けみたまで、双子の妹格にあたり、翠さんを産み正しく育てるために神様がつかわされた人だった
おとなしい翠さんは頭の切れる母とは正反対の性格で、2人は非常に仲がよかった
(ちょうど翠さんと、兄のアダムが相性が良いように)
彼女は、聡明で洞察力があり思いやりのある母を尊敬していて、幼い頃は、物事を見通して推理し言い当てる母のあまりの賢さに、まるで神様のような人だと思った位だ
自分は何故、こんな優れた人の所に生まれたのだろうと思うこともあった
(母は子供の頃から成績は最優秀の方で毎回委員長を務め、スポーツもできるのでクラスの多くの人から好かれ、頼りにされていた
芸術的なセンスや、直感力もあった
しかし周りの人の心を読み取るので、でしゃばりすぎず、みんなのためを思い立案するのでみんなから支持された)
翠さんは大人になるにつれ、さすがに神様みたいとは思わなくなったが、稀有な人であり崇敬の気持ちは変わらなかった
だが、アダムは18才の翠さんを本格的に訓練するにあたり、母への想いを断ち切らせた
母にいつまでも頼っていたい気持ちを否定させ、もう大人になるのだから、是非頼らずに自立せねば、と思い込ませたのだ
そしてある日、気の術をかけて、無理やり彼女の気持ちを完全に母から引きはがした
それから、躁状態にして張り切らせ過ぎ、一年ほど経って挫折させた
後は、擬似的ノイローゼに仕立て、人や自分を時折憎むかのような、偽の体験 (本物そっくり) をさせた……
このようにしたのは、未来にミロクとして彼女が邪霊やサタンのお祓いをせねばならず、その時に悪人や不幸な者達の最低最悪の気持ちを知っていて初めて、心から共感でき、その上で素早く気持ちを切り替えて、相手に妥協しない態度で清めのお祓いをする、という2重の能力が求められたからだ……
生まれつきお人好しで純粋な彼女に足りないのは、悪への共感力だ
元々、どんな人に対しても嫌うということがなく、みんなから批判されている人に対してでも、「あの人は○○だから、仕方なくそういう事をしてしまうのだ、」とつい味方して弁護したくなる性質の彼女だ
だが、それでも心底腐った人間の気持ちは、わからない
それを、アダムは擬似的に術で彼女に教えようというのだ
数年間、アダムは気の術であらゆる悪徳を彼女に短時間ずつ、感じさせた
偽の発作的憎悪、呪う気持ち、暴○衝動、人の不幸や死を願ったり、不幸な人をあざ笑う気持ち、(本当に、勝手に口の端が上がって笑みを浮かべさせられるので、彼女はびっくりしてやめた、)
良い人を妬む気持ち、意地悪をする気持ち、聖なるものにつばを吐きたい気持ち、
死にたい気持ち、その他訳のわからない暗い妄想……など、
その度に彼女は突然自分にわいてくるひどい悪心に驚き、周りに気づかれないように、顔に出さないようにし、むろん行動に出るなど論外で、必死で打ち消しこらえた
アダムは彼女が嫌な気持ちを外へ発散させて、ストレス解消しないように、内側へため込んで辛抱するように、強い制御をかけたので、その悪心をきゅうっと縮めて自分のお腹にため込むような感じになった
だから悪心を抑えて耐えれば耐えるほど、自分の中に黒い想いがどんどんたまっていく気がした
(後でその都度、アダムがひそかに消していたので本当は大丈夫だった)
それは未来にお祓いで、相手の邪気を沢山受け止めて辛抱する練習でもあったが、勿論そんなことは、当時の彼女は知るはずもない
ただ、いくら日に2、3度起きる悪い想いを打ち消しても、また次の日出てくるので、彼女はノイローゼがちっとも治らないなと悲しくなった
中でも、一番嫌だったのは大好きな母に、突如憎しみがわくことで、別にほとんど何も理由はない
彼女は母に気づかれまいとしたが、母はカンに優れていたので気がついていたようだ
しかし、娘を愛し、信じていたのでずっと辛抱し、何も言わなかった
(一度だけ、困ったように、「あなたのおなかは真っ黒よ、」と言われたことがある)
…悪人というのは自分の肉親だけは守ろうとする者もいるが、もっと性根の腐ったやつになると、平気で身内を傷つける冷酷な者もいる
アダムはその心理まで、翠さんに体感させなければならなかったから、心を石にして、彼女と母との間を擬似的憎悪で何度も引き裂こうとした (もちろん、本気じゃない)
その度に、翠さんは心で必死で葛藤し、なんとか打ち勝った
けれど、母にはすまない気持ちでいっぱいで、とうとう数年の後に訓練が終了した後でも、
(実際には更に20年間、なかなか善人になれない悪党の気持ちを体感するため、アダムはゆるい術を頻度を減らして翠さんに時折かけていたから、合計30年近く特訓を受けたことになる
同時に、その20年間は、彼が彼女の丹田を開封して、お祓いの術を伝授していったのと完全に、重なる時期でもあった)
彼女は母に罪悪感を持ち続け、とても深い心の傷となった
ようやくミロクとして覚醒して、神様やアダムと会ってしゃべれるようになり、一切は訓練であり、彼女は何も悪くなく、病気でもなかったとわかって、彼女はほっとした……
しかし、今でも母に対しては、特に辛い心の記憶として残っている
(だいぶ心の痛みはましになりましたがね
そして、母は彼女をとうに許している
いつだったか彼女に、「何があっても最後まで相手を信頼することが大事だとわかった、」と言っていた)
みなさんには言うのは恥ずかしいような話なのですが、ミロクの翠さんがどのような精神的修行を経たか、娘の使命を知らない母が、どんな気持ちで、強い信念と愛と広い心を持って見守っていたか、
そして愛する2人の魂の「妹達」に、術を仕方なく行使したアダムが、冷酷に見えて本当はどんなに心配で苦しい気持ちであったか、
は、我々の記録として残しておきたいので、ここに記させておきます……
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