■ アジアンタムブルー／淡い色の音がする・・・・・

これは純愛・・・なのかもしれない・・・

　“アジアンタムブルー”と云うこの　花の咲かない植物は育て難い植物らしい。
陽を当てすぎてもダメ　水は根だけでなく葉にもかけないと枯れてしまう。
枯れるのも“ちりちり”と淡い緑が茶色くなってしまい　一度この
ブルー（憂鬱）になるとちょっとやそっとでは蘇生はしない。
稀に治ったものは二度とブルーにはならない。


　成人男性向け雑誌の編集者・山崎隆二は、水たまりばかり撮影している
カメラマン志望の葉子と出会う。
風俗の世界に身を置き、友人の妻と浮気を繰り返す自分に絶望しきっていた
隆二は不遇にあっても汚れを知らない葉子に惹かれていく。

間もなく２人は同棲を始めるが、幸せな日々は長く続かなかった。
葉子の身体を、病魔が蝕んでいた。余命１ヶ月…。隆二はすべてを捨て、
葉子が憧れる地、仏・ニースへと２人で旅立つ決意をする。

　原作では回想シーンの展開で　登場人物も多く“死”や“ポルノ的”なものが
多いらしいが　映画ではＳＭシーンが少しあるだけで“死”も少なかった。



　友人の妻と不倫中の　ＳＭ雑誌編集者の阿部寛。
“トリック”とはまるで違う役。　けだるい仕事や生活感のほうが似合って
幸せな時間が　瞬間が　あまり伝わってこなかった。

　本当にこの女性を愛しているの？
　一緒に死んでもいいと思っているの？



　ヌードモデルの小島聖。　スタイル抜群です！
いきなりＳＭ雑誌の撮影シーンが出たときは驚きました～～～
聞いてないぃ～～～　こんな話なの～～　
真っ赤なエナメルのブーツを履いて　ムチでぴしっっ・・・・・ロウソク！

　でもこの人がとってもいい人なんです。　職業と私生活は別？　感じの良い人！
　


　葉子役の松下奈緒。　ＢＧＭでピアノも弾いています。
そんなに美人ではないのに　だんだん美しく見えてくる・・・・・

少し押しが強い女だったのに　愛され始めると弱さが出てくる女性。
自分が愛される事に慣れていないから　自信がない・・・
そんな心細さが大きな体ながら　子犬がまとわりつくような雰囲気でした。

　葉っぱが枯れる。　葉子が・・・・・



　観終わったら　浅い感情表現が　淡い葉の色と同じように残りました。
ニースの風の色や海の波音が淡いのと同じ。　残ります。
浅いから残るのか　淡いから残るのか　一年後に自分の記憶がどうなのか楽しみ。

　解っていても少しだけ　「うっ・・・」
　あの二人で並んだ写真素敵です！　美しい映像と音楽は満足。

　これは純愛映画でした！