なんだかわかりにくいタイトルですねー、顕微鏡で寄生虫の卵をみつけるいい方法はこれだ!って感じです。
コロナウイルスの影響もあって、これまでやってきたことをまとめて、科学的といはいえない部分も多々ありますが、情報提供になればと思い腰を上げました。
家畜診療(主に牛、馬、山羊、羊)を13年やってきました。(現在は牛の繁殖専門に特化してやっていますが)
診療していて得意不得意や好き嫌いが獣医師に少なからずあると思います。
苦手なところはやりたくない、また、めんどくさいなどの後ろ向きな気持ちが出てくるのではと思います。
まじめな人は、そういう状況でもルーチンとされていることをこなしていくものです。
自分みたいなめんどくさがりな人も少なくないはずです。
子牛の下痢の診断で、寄生虫検査はやっかいなやつの一つで、寄生虫の有無だけではなく、集卵による定量的診断いわゆる1g中に何個虫卵があるかというOPGやEPGが大事だと言われています(今度そのデータものせますので)
現場ではこれがめんどくさくってやってられんという意見が多数を占めています。いや実はそんな意見はないけども実際にルーチンにやっている人をほぼ見たことがないっ!という個人的見解です。
これをうけて実際に診療したカルテをひっくり返すと、3ケ月齢以下の子牛の下痢において、腸炎の治療カルテ件数における寄生虫検査の実施率は
な、なんと6.5%(3391/52328)でした。
俺もやってないし、みんなもやってないんだ、ほっ。てちょっとなりました。でも、これではだめですね。なんでこんなに低いのかというと、方法の煩雑さが一つあると思います。
遠心浮遊法という方法やOリング法というのがありますが、糞便を処理して遠心分離がまー、めんどくさいんですよ。
顕微鏡みたらすぐ、おぉ、虫卵みーっけた!で終わるのですが。(クリプトスポリジウムはちょっと熟練が必要)
そこで、簡単にできる方法はこれだと思っている自分がやっている簡易迅速ショ糖浮遊法(以下簡易法とでもいいましょ。)を評価して報告してみました。
クリプトスポリジウムの診断において、簡易法とめんどくさがりが大好きな方法のイムノクロマト法(IC法)を比較しました。IC法とはこちらです。
これはほんと簡単でいいんですが、ちょっと高い、高いというのがネックですが、使いやすく簡便でほんとにいい商品です。ちなみにロタやコロナや大腸菌の接着因子も検出できるものもあります。でもこれも追加でみると更に高い、高いんです。
話はそれましたが、結果は
推定OPG500以下でIC法は陰性となり、推定OPG4000以上で陽性を示したことろから、推定OPGによるIC法の検出感度を10³OPG以上としました。この結果はChartierらの報告と一致しました。というかIC法より俺の顕微鏡を見る力が上なのかっという驚きと優越感にひたりました。この結果からIC法と同程度の検出感度を得るには100倍で10視野みるだけでいいということになります!1分もかかりませーん。(先ほども言いましたが、クリプトスポリジウム虫卵は5μm程度の大きさなので100倍でみるには熟練が少し必要です。)
余談で見え方を写真にのせますね。
顕微鏡の1000倍のズームから100倍まで写真でいきますねー。100倍は写真でみてもこんな感じに見えるとは説明しずらいですね。ピンクに輝くんですよね。酵母とにてますが決定的に見え方はことなります。説明できん~。まずは1000倍のデジタルズーム、オーシストの中にスポロゾイトが4つみえますねー。コクシジウムと違ってスポロシストはありません。
次は1000倍
次は400倍
次は100倍(画像に→で示しています)
だめだ、これではうまく説明できません。ここに関しては上司や大学などで習ってください。
次に、クリプトスポリジウム症発生農場で3頭の子牛をこの方法をもって下痢発症前または当日から推定OPG推移をモニタリングをしてみました。横軸に生後日数の日齢、縦軸に推定OPG(虫卵は指数関数的な増減をしますので指数表示しています)
赤、緑、青の3頭とも下痢している間は、推定OPGが10³個以上でした。簡易法は100倍10視野の鏡検で診断方法として有用であると示されたと思います。
続きありますが、次回!
※画像やデータは著作物にあたらないそうで転用してもいいみたい、でもその場合は一言メッセージなど連絡もらえると嬉しいです。
コロナウイルスの影響もあって、これまでやってきたことをまとめて、科学的といはいえない部分も多々ありますが、情報提供になればと思い腰を上げました。
家畜診療(主に牛、馬、山羊、羊)を13年やってきました。(現在は牛の繁殖専門に特化してやっていますが)
診療していて得意不得意や好き嫌いが獣医師に少なからずあると思います。
苦手なところはやりたくない、また、めんどくさいなどの後ろ向きな気持ちが出てくるのではと思います。
まじめな人は、そういう状況でもルーチンとされていることをこなしていくものです。
自分みたいなめんどくさがりな人も少なくないはずです。
子牛の下痢の診断で、寄生虫検査はやっかいなやつの一つで、寄生虫の有無だけではなく、集卵による定量的診断いわゆる1g中に何個虫卵があるかというOPGやEPGが大事だと言われています(今度そのデータものせますので)
現場ではこれがめんどくさくってやってられんという意見が多数を占めています。いや実はそんな意見はないけども実際にルーチンにやっている人をほぼ見たことがないっ!という個人的見解です。
これをうけて実際に診療したカルテをひっくり返すと、3ケ月齢以下の子牛の下痢において、腸炎の治療カルテ件数における寄生虫検査の実施率は
な、なんと6.5%(3391/52328)でした。
俺もやってないし、みんなもやってないんだ、ほっ。てちょっとなりました。でも、これではだめですね。なんでこんなに低いのかというと、方法の煩雑さが一つあると思います。
遠心浮遊法という方法やOリング法というのがありますが、糞便を処理して遠心分離がまー、めんどくさいんですよ。
顕微鏡みたらすぐ、おぉ、虫卵みーっけた!で終わるのですが。(クリプトスポリジウムはちょっと熟練が必要)
そこで、簡単にできる方法はこれだと思っている自分がやっている簡易迅速ショ糖浮遊法(以下簡易法とでもいいましょ。)を評価して報告してみました。
クリプトスポリジウムの診断において、簡易法とめんどくさがりが大好きな方法のイムノクロマト法(IC法)を比較しました。IC法とはこちらです。
これはほんと簡単でいいんですが、ちょっと高い、高いというのがネックですが、使いやすく簡便でほんとにいい商品です。ちなみにロタやコロナや大腸菌の接着因子も検出できるものもあります。でもこれも追加でみると更に高い、高いんです。
話はそれましたが、結果は
推定OPG500以下でIC法は陰性となり、推定OPG4000以上で陽性を示したことろから、推定OPGによるIC法の検出感度を10³OPG以上としました。この結果はChartierらの報告と一致しました。というかIC法より俺の顕微鏡を見る力が上なのかっという驚きと優越感にひたりました。この結果からIC法と同程度の検出感度を得るには100倍で10視野みるだけでいいということになります!1分もかかりませーん。(先ほども言いましたが、クリプトスポリジウム虫卵は5μm程度の大きさなので100倍でみるには熟練が少し必要です。)
余談で見え方を写真にのせますね。
顕微鏡の1000倍のズームから100倍まで写真でいきますねー。100倍は写真でみてもこんな感じに見えるとは説明しずらいですね。ピンクに輝くんですよね。酵母とにてますが決定的に見え方はことなります。説明できん~。まずは1000倍のデジタルズーム、オーシストの中にスポロゾイトが4つみえますねー。コクシジウムと違ってスポロシストはありません。
次は1000倍
次は400倍
次は100倍(画像に→で示しています)
だめだ、これではうまく説明できません。ここに関しては上司や大学などで習ってください。
次に、クリプトスポリジウム症発生農場で3頭の子牛をこの方法をもって下痢発症前または当日から推定OPG推移をモニタリングをしてみました。横軸に生後日数の日齢、縦軸に推定OPG(虫卵は指数関数的な増減をしますので指数表示しています)
赤、緑、青の3頭とも下痢している間は、推定OPGが10³個以上でした。簡易法は100倍10視野の鏡検で診断方法として有用であると示されたと思います。
続きありますが、次回!
※画像やデータは著作物にあたらないそうで転用してもいいみたい、でもその場合は一言メッセージなど連絡もらえると嬉しいです。
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