ブライダルカメラマンをしていると、当たり前だが挙式の撮影をする。
純和風の神前式か、キリスト教風の教会式が多い。人前式というタイプもあるが、今回は神前式を紹介したいと思う。
私は神前式が好きなのだ。それも結構前から。
なぜ好きなのかというと、日本人らしい奥ゆかしさとでもいえばいいのだろうか。
祭主が立ち上がり、一礼。神殿前で一礼といった具合で、行動の合間に一礼が入ったりと、礼節の深さを感じたりするからだ。
もちろん教会式も好きなのだが、なんでか神前式が好きという具合だ。
ただ、神前式の場合だと、感情があまり現れないという側面は隠せないのはまぎれもない事実だ。教会式だと、新婦と新婦父が今までのことを振り返りながら歩くバージンロードがあるが、神前式っていまいち感情が高ぶるポイントがない。
そう思ってたのだが、先日撮影した新郎新婦さんの挙式で、新婦さんのお母さんが式中にあふれる気持ちを抑えきれずに涙を拭っているのをみて、私も一緒に涙してしまった。神前式で見る初めての涙でした。
新婦さんのお父さんが病気で挙式に参列できなかったという悔しさがあるんだろうなあと。披露宴のお開き時には、父の代わりに弟さんが立つと、弟さんも人目をはばからずに男泣き。
親類の方もみなさんあふれる涙がこぼれていた。
その様子を見て、写真を撮りながら一緒に泣いて、同じ気持ちで撮影した。
この写真を、参列できなかったお父さんに見てもらいたいと思ったから。
ファインダーの中から「がんばれ」そういいながら撮影しました。
私が大好きなカメラマンから教えてもらった「ブルーハーツのやさしいうた」が心の中で流れるのだった。
気持ちが通じるいい式でした。
森永健一HP
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