百瀬川扇状地の扇頂の水門
琵琶湖西岸断層が扇頂とほぼ一致する。
扇頂の水門により百瀬川の水は、扇央の水田・畑・果樹園、あるいは百瀬川本流に流される。
琵琶西岸断層帯と地震
2009年8月27日 地震調査研究推進本部地震調査委員会
琵琶湖西岸断層帯は、滋賀県高島市(旧マキノ町)から大津市国分付近に至る断層帯である。
過去の活動時期の違いから、断層帯北部と断層帯南部に区分される。
断層帯北部は、高島市に分布する断層であり、長さは約23kmで、ほぼ南北方向に延びる。
断層帯南部は、高島市南方(旧高島町付近)の琵琶湖西岸付近から大津市国分付近に至る。
断層帯全体の長さは約59kmであり、断層の西側が東側に対して相対的に隆起する逆断層である。
断層帯の過去の活動
琵琶湖西岸断層帯北部の平均的な上下方向のずれは、1000年で約1.8~2.1mである。
最新の活動時期は約2800年前~2400前である。
断層の西側が、東側に対して相対的に2~5m隆起した。琵琶湖側が相対的に沈降したことでもある。
断層帯の将来の活動
琵琶湖西岸断層帯北部では、マグニチュード7.1程度の地震が発生すると推定される。
その際に断層付近の地表面では、断層の西側が東側に対し、2~5m隆起する可能性がある。
今後30年間に地震が発生する可能性は3%以下だが、日本の活断層の中では高いグループに属する。
扇頂と断層
百瀬川扇状地の扇頂付近が、琵琶湖西岸断層帯(北部)とほぼ一致する。野坂山地(比良山地)の隆起は琵琶湖側で急崖になる傾動地塊である。つまり、百瀬川扇状地側が断層活動による隆起量が大きく、高度差が大きい。つまり、琵琶湖側が急傾斜である。一方、山地の西側はゆるやかな傾斜地であり、断層活動は弱い。
(2010年)
扇頂下流の砂防ダム
百瀬川に流れた水は、扇央の伏流水となって、表面流量はすぐに減る。
大きな砂防ダムは、洪水時の砂礫で埋もれ、雑草が生い茂っている。
これだけ砂防ダムが埋もれると、洪水時に砂礫を止めることができないだろう。
なお、国土交通省用語では「砂防ダム」は誤りで、「せき」(平仮名)が正しい。
(2003年)
電柵
金網の手前が百瀬川扇状地の扇頂、金網の向こうは扇央である。
比良山地のサル集団の生活圏は扇頂までであった。
しかし、人間が扇央の開発を進め、米・野菜・果樹栽培面積を広げた。
サル集団には、最高の食物倉庫ができたようなものであった。
前年までは、爆竹でサル集団を追い払っていたが、慣れると爆竹の効果はなかった。
そこで、扇央の農地を金網で囲み、金網の上の電線には高圧電流を流すことになった。
サル集団の侵入防止には有効だが、しかし、農家にムダな出費である。
なお、道路の左側の農業用水路は、扇頂の水門で流量がコントロールされる。
(2007年。2010年にも同じ電柵があった。効果があるのだろう)
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