地理講義   

容量限界のため別ブログ「地理総合」に続く。https://blog.goo.ne.jp/morinoizumi777

243. 道路神社が道を曲げる。仙台市泉区上谷刈3丁目

2017年02月27日 | 地理講義

奥州街道は現在の国道4号線で江戸時代の街道を起源とする。400年前までは、仙台市泉区上谷刈3丁目17を起点とし、平泉に至る古街道が存在した。秀衡街道あるいは義経街道と呼ばれた。その起点に道睦神社があった。道六神社とも言われた。これが現在の道路神社の古名である。最近はマンションが建設され、道路神社が、マンション団地周回道路を直角に曲げている。
古街道の利用されたのは400年前までであり、通行人がやっとすれ違える程度の細道であった。江戸時代に奥州街道(現在の国道4号線)が整備されてからは、古街道は廃れた。古街道の起点に道路神社は残っている。


道六神社あるいは道睦神社が道路神社になったものである。神仏を丁寧に扱う日本人の心性があり、神社は七北田川崖淵に残り、大正12年には建て替えられた。マンション街の周回道路は、道路神社を避けて通る。神仏を粗末に扱うと、後日のたたりがあるからであろう。無人で何もない社務所と小さな祠だけではあるが、マンション居住者の家内安全・交通安全を祈れば、粗略にすることはできない。


縦横高さ各1間の小祠は、氏子の篤志によって支えられているものである。付近には道路神社から発せられる空気が漂い、異質の空間を形成している。道路神社の存在を否定すれば、何らかの罰が当たるようであり、マンションの駐車場などには転用できにくい存在である。

道路神社から発する霊的な空気が、異質空間アジールをつくる。道路神社に近ければ、交通事故にはあわない。道路神社に近い分譲マンションであれば家内安全は間違いないのである。
マンション建設会社もマンション購入者も、道路神社のアジールを感じるのであれば、道路神社を移転させることはできない。団地の周回道路も道路神社を直角に避けて通りらざるを得ないのである。


 

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。