地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

2018年地理B(追試)第3問解答解説 集落

2018-11-02 10:42:55 | 地理講義


  

解答
【13】③
解説 日本の輪中集落とフランスの丘上集落の問題。
(ア)輪中集落:岐阜県の濃尾平野に江戸時代以降にできた、堤防で囲まれた集落。
(イ)丘上集落:フランス南部の丘あるいは小山の頂上にできた集落。

詳細な解説
輪中集落
岐阜県の濃尾平野は木曽川・長良川・揖斐川の木曽3川のつくった沖積平野である。岐阜・愛知の県境を流れる木曽川は、江戸時代に岐阜県側の堤防が3尺低く造られたので濃尾平野は洪水が頻発した。このため濃尾平野の農業集落は自衛のために集落を堤防で囲んだ。
丘上集落
フランス南部では、外的かやマラリアなどかやら集落を守るため、丘上に鷲の巣のような集落ができた。

環濠集落
日本の古代集落では、集落を敵や盗賊から守るため、集落の周囲を水堀で囲んだ。弥生時代の水田集落にあったが、奈良盆地の条里集落でも見られる。
林地村
ドイツで見られる。山地が短冊状に割り振られ、道路沿いに所有者の住宅がある。路村の形。

 解答
【14】①
解説 都市と経済機能
①× シアトルではなく、シカゴが正しい。
②◯ ジュネーブには国際赤十字、EFTA、国際気象機関、UNCTADなどがある。
③◯ パリ・コレクションが有名である。
④◯ ロンドンのシティが国際金融街である。

詳細な解説
① シカゴ:混合農業地帯にあり、とうもろこし・大豆の栽培地域である。これらの国際取引以外に、小麦・食肉の国際敵取引の中心でもある。
② ジュネーブ:スイスは国連に加盟していない、永世中立国である。国際政治にも中立であることによって多くの国際機関を集めた。ジュネーブはフランス語圏である。
③ パリ:世界のファッションの中心である。パリ・コレクションやファション・ウィークなどで、ファッションの発進地となっている。
④ ロンドン:シティにはロンドン証券取引所、イングランド銀行があり、世界の大手銀行の支店・営業所が置かれている。大英帝国時代からの金融情報には定評がある。

 


 

 

解答
【15】① 
解説 リオデジャネイロのファベーラ
①× 低級住宅地区は工業地域には隣接しているが、商業地区とは隣接していないから誤り。
②◯ 高級住宅地が隣接するのは、中級住宅地。低級住宅地と隣接しないから正しい。
③◯ ファベーラは傾斜地や丘陵地に密集しているから正しい。
④◯ ファベーラは低級住宅地内部や中級住宅地周辺にもある。山地斜面にも見られる。

詳細な解説
リオデジャネイロの人口600万人のうち、100~120万人がファベーラで生活する最貧困層である。黒人失業者が多く、治安も悪い。2016年のリオオリンピックでブラジル政府はファベーラの一層を図ったが、ほとんど何もできなかった。
  

 

解答
【17】④
解説
①× シンガポール。コンテナ取扱量が、1990年、2010年とも非常に多い。
②× 東京。都市別の総生産額が第1位である。
③× シドニー。コンテナ取扱量が増えてはいるが、まだ少ない。
④◯ 上海。コンテナ貨物取扱量が、中国の経済発展とともに、急増した。

詳細な解説
都市別総生産
1位東京、2位ニューヨーク、3位ロスアンゼルス、4位ソウル、5位ロンドン、6位パリ、7位上海の順である(2016年)。東京が都市別総生産では第1位である。
①が東京、④が上海になる。
コンテナ取扱量
1990年には、第1位がシンガポール、第2位ホンコン、第3位釜山、第4位ドバイであり、上海の取扱量はシンガポールの1割程度であった。上海は、中国の経済の貿易拠点となり、コンテナ取扱量は世界第1位になった。



 

 解答
【17】①
解説 関東・近畿・東北の人口増加傾向。
(カ)関東。首都圏には生産年齢人口が多い。その子供も多く、人口は増加傾向。
(キ)近畿。近畿圏は首都圏に次いで人口が増加する。人口は多少増加傾向。
(ク)東北。生産年齢人口の流出により、人口減少傾向にある。

詳細な解説
東京圏と大阪圏に人口が集まるが、特に東京圏の人口増加が顕著である。東京への一極集中が見られる。大阪圏の人口増加が頭打ちになっている。東北地方は人口減少により、過疎化が大きな問題になっている。
1960年から2000年までの人口増加率は首都圏94.6%(2000年の人口は3,072万人)、近畿圏60.5%(1,657万人)、名古屋圏64.2%(885万人)である。自動車工業の発展した名古屋圏も人口増加率が高い。この3圏以外の増加率は12.7%(7,078万人)である。
日本の人口は2011年には1億2,777万人が最高であり、その後は減少傾向にある。2015年には1億2,690万人である。

 

 

解答
【18】③
解説 都道府県ごとの合計特殊出生率
①◯ 合計特殊出生率は大都市圏で低く、中部・九州・沖縄で高い傾向がある。
②◯ 自然増加率は生産年齢人口の多い大都市圏で高い。
③× 合計特殊出生率が2.1を下回ると、人口維持はできない。多くの地方は1.6以下。
④◯ 地方から大都市圏に人口が移動し、高齢者が多くなった。

詳細な解説
合計特殊出生率(TFR)
女性が生涯に出産する子どもの数であり、理屈の上では2.0人であれば現状維持だが、結婚しない女性がいるため2.1人が人口維持の目安である。2.1人を下回ると、将来は人口が減少をする。日本の全都道府県が2.1人を下回り、2017年には1.43人である。1975年に2.0人を下回り、2011年から人口が減少傾向が続いている。



自然増加率
自然増加率は出生数と死亡者数の差である。高齢化の進んだ地域では低くなり、大都市では高くなる。2017年の日本全体の自然増加率は-0.2%であり、人口は減少傾向にある。


 


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