抗ミトコンドリア抗体(AMA)のページを更新
- 抗ミトコンドリア抗体(anti-mitochondrial antibody:AMA)は,原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC)の診断に用いられる疾患特異性の高い自己抗体である。AMAの対応抗原はその局在や酵素処理に対する反応性などからM1~M9までの亜型に分類されており,PBCに特異的な抗体は抗M2,M4,M8,M9抗体である。
厚生省難治性の肝炎調査研究班による診断基準では,肝生検による組織学的な裏付けがなくとも,臨床的にPBCが考えられ,AMAまたは抗PDH抗体(抗M2抗体)が陽性であればPBCと診断してもよいとしている。ただし,本検査はこれら抗ミトコンドリア抗体を総括してみており,PBC以外の疾患(梅毒,一部の膠原病,薬剤性肝障害など)で陽性となる場合がある。
<出典:日本リウマチ学会> - ■ 異常値
- 原発性肝汁性肝硬変(PBC), 梅毒, 慢性活動性肝炎, 薬剤惹起性肝炎, 膠原病
⇒ 抗原と抗体
コロナワクチン接種後に発症した抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎の一例
内田智久 (嬉野医療セ リウマチ内科)
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202202236661513013
新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注)
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000948953.pdf
接種2日後に倦怠感、食思不振で近医受診、肝酵素上昇、抗ミトコンドリアM2抗体陽性を認めた。症状持続、下肢紫斑出現し、7月6日に入院し、血液疾患の疑いで14日に転院。という例もあった。