IgG4関連疾患(IgG4 related disease: IgG4RD)のページを更新
- IgG4関連疾患(IgG4 related disease: IgG4RD)とは、主に膵臓、唾液腺、涙腺、腎臓、血管/後腹膜などを含む全身のいろいろな臓器が腫れたり、硬くなったりする原因不明の病気で、何らかの免疫異常が関わっていると考えられています。(指定難病300)
血中IgG4高値に加え、リンパ球とIgG4陽性形質細胞の著しい 浸潤 と著明な 線維化 により、同時性あるいは異時性に全身諸臓器に腫大や結節・肥厚性病変などを認める原因不明の疾患です。罹患臓器としては膵臓、涙腺・唾液腺、胆管、腎臓、肺、後腹膜、動脈、中枢神経系、甲状腺、肝臓、消化管、前立腺、リンパ節、皮膚、乳腺など多臓器にわたり、病変は複数臓器に及ぶことが多いですが、単一臓器病変の場合もあります。 障害される臓器によって症状は異なりますが、頻度の多いものとしては、閉塞性黄疸、上腹部不快感、食欲不振、涙腺・唾液腺腫脹、眼・口腔乾燥、水腎症、喘息様症状などがあります。ステロイド治療が第一選択となりますが、減量、中断によって多くの例で再発が見られる難治性の疾患です。
高齢の男性に比較的多く認められますが、唾液腺や涙腺が冒される患者さんには男女差はありません。
原因はいまだはっきりわかっていませんが、各種自己抗体の存在、血中IgG4高値、IgG4陽性形質細胞浸潤、ステロイドが有効、喘息やアトピー性皮膚炎の合併率が高いことなどから、自己免疫性疾患あるいはアレルギー性・炎症性疾患と考えられています。 - ■ 症状
- 冒される臓器により異なりますが、肺では喘息症状、涙腺・唾液腺では眼瞼や下顎部・耳下部の腫れ(時にドライアイや口腔乾燥を伴う)、胆管や膵臓では 黄疸 や糖尿病、腎臓・後腹膜では腎機能障害、尿管 狭窄 (水腎症)などを来たすことがあります
- ■ 治療法
- 治療としては、ステロイド投与が第一選択薬であり、比較的高用量で導入して、その後漸減して、低用量の維持療法を行います。多くの症例でステロイド治療は奏功しますが、減量や中断によって約半数で再発が見られます。その場合、ステロイドの増量や免疫抑制薬の併用などが行われていますが、再発時の治療法はまだ確立されていません。欧米では、再発症例においてリツキシマブが有効との報告がありますが、本邦では保険適応外です。
<出典:難病情報センター >