膜侵襲複合体(Membrane-Attack Complex :MAC)のページを更新
- 膜侵襲複合体(Membrane-Attack Complex :MAC)または終末補体複合体、細胞膜傷害性複合体は、蛋白質から成る複合体。ふつう宿主の補体系の活性化により病原体の細胞膜表面、特にC3活性化部位の付近に形成され、標的細胞の細胞膜に膜貫通孔を導くことで脂質二重膜を破壊し、それらを溶菌や細胞死に至らせる免疫系の作用因子(エフェクター)として働く。
補体の活性化によってできる最終産物。補体のC5bが活性化した後、C6、C7、C8が次々に活性化し、これらすべてが結合してできる複合体。C5b6789やC5b-9複合体とも。*1*2*3
細菌の膜に穴を開け、浸透圧の変化を利用してそれを排除する役割を持つ。ナイセリア属など一部のグラム陰性菌に対する感染防御として重要であるが、厚い細胞壁を有するグラム陽性菌種に対しては無効。*4
糖尿病性腎症において、補体制御因子のCD59が糖化を受けて補体活性を抑制できなくなるため、腎組織では膜侵襲複合体が沈着する。
<出典:HealthWordsWiki>