ネフローゼ症候群による甲状腺機能低下症の4症例の報告
Endocr J 2021; doi: 10.1507/endocrj.EJ21-0387
T4 は 75%がサイロキシン結合蛋白、20%がトランスサイレチン、5%がアルブミンに結合している。サイロキシン結合蛋白はアルブミンよりも分子量が小さい蛋白なので、ネフローゼ症候群では尿中に失われてしまう。そのため、ネフローゼ症候群では甲状腺機能低下症になる。
丁度、原発性ネフローゼ症候群にともなう潜在性甲状腺機能低下症を見ていて、ステロイド治療後にネフローゼ症候群が寛解したのにともなって甲状腺機能は正常化した。抗サイログロブリン抗体と抗サイロペルオキシダーゼ抗体はいずれも陰性で、超音波でも異常所見はなし。
ネフローゼ症候群にともなう甲状腺機能低下症の原因として知っておいても良いだろう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/endocrj/advpub/0/advpub_EJ21-0387/_article