非ステロイド骨格ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬フィネレノンの2型糖尿病患者における腎疾患に対する効果を検討したランダム化比較試験(FIDELIO-DKD)
NEJM 2020; 383: 2219-2229
高カリウム血症の副作用に対する懸念のためか、組み入れ基準が複雑で 、eGFR が低下している腎症2期の患者と eGFR がさほど低下していない腎症3期の患者を組み入れていて、腎機能が低下している患者には低用量のフィネレノンを投与している。
eGFR の低下はフィネレノン投与群で有意に抑制されていて、尿アルブミンも低下している。しかし、著者らも議論している通り、カナグリフロジンの腎保護作用を示した CREDENCE と比べると腎保護作用は小さそう。また、高カリウム血症はやはりフィネレノン投与群で多い。
ステロイド骨格ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬でも尿アルブミンを31%減少させることがメタ分析で示されているので、スピロノラクトンでも良いのかもしれない。
そうすると、腎症2-3期の糖尿病患者では、電解質に注意しつつ、降圧薬を ACEI/ARB、利尿薬、スピロノラクトンの組み合わせにするのも良いかもしれない。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2025845