不安を抱きながら

　相変わらずの寝不足なので、９時に起床。

　午前中はTVを見ながら、作戦？を練る。

１時２０分から授業が始まるらしいので、少し前にネクタイを締め、用意して行く。

　（まだ、早いかな・・・）

小学校の前の駄菓子屋で缶コーヒーを買い、店のおばあちゃんと世間話。

「今日は休みかい？」

「うん。授業参観でも行って見ようかなって」

「きっと喜ぶよぉ」

少しボケたと思っていたが、覚えていてくれたのかな？

　５分ほど遅れて中学校に到着。

正門前に空きスペースを見つけて駐車したが、思えば校舎から丸見えだった！

　スリッパ持参で行ったが、学校側でも用意してあった。

（詳細は知らないもんなぁ。）

今日は理科室の授業のようで、２Fの教室へ向かう。

　廊下の左右に分かれていて、入り口の外からチラチラと子供の姿を探す。

そこで会ったのが、Sさん。

　弟の同級生で、子供同士が仲良くTDLとかも一緒に行っているらしい。

　私の事も噂で聞いている様子で、授業をしている生徒に声を掛けて息子の居場所を尋ねてくれた。

　場所を確認すると、出入り口の外から様子を伺う。

部活で黒く焼け、身長も同じ位に成長した姿に戸惑う。

　顕微鏡を覗いて、玉ねぎの細胞を調べているようだ。

教室を動いて死角に入ったので、自分が動いて探そうか少し迷ってしまう。

　でも、結局探して少しでも顔を見たいと思う。

他の生徒と目が合う中、一度も子供と視線が合わなかったのは存在を気付かれてしまったか。

　時間にして、ほんの４～５分。

　　　　　　　もう、十分だ・・・

　帰り際にSさんにお礼を言って帰ることにした。

不思議と込み上げるモノも無かった。

　こんなに大きくなった成長過程を知らない自分。

　気付かなかったと言えばそれまでだが、無視されたのでは無いか・・・

　様々な思いを後にして、帰宅した。

何処か遠い所に行ってしまった気がしてならない。

　こんなに近くに居るのに・・・

｛おまけ｝

階段を降りようとした時、同じく授業参観に来た母親と遭遇。

「あのぉ、３年２組はどこでしょうか？」

なぜか言葉にする事が出来ず、愛想笑いで首をかしげるしかなかった。

「すいません・・・」

平日だと、来る父親は先ずいないだろうな。

　先生ではなくて、申し訳ないです・・・