■12月4日(日、269日目)
一夜明けて快晴。
・産経web---『東電冬の「でんき予報」、3日連続で「やや厳しい」』
『冬の節電を促すため東京電力が今月からリニューアルした同社サイト上の「でんき予報」は、3日連続で電力需給の逼迫(ひっぱく)度合いを示す使用率が90%超の「やや厳しい」となった。1日からの冷たい雨で暖房や照明需要が増えたため。荒れた天気が予想される3日も90%を想定したが、東電は「供給余力は十分にあり安定供給に支障のないレベル」と説明している。』
→90%を超えてはいるが夏場の最大供給能力からみると現在の母数そのものが低すぎるのではないか。『本当』の最大供給能力がいくらで、当日の供給能力がいくらで、その使用実績がいくらと解かり易く出してほしいものだ。こんな『でんき予報』では狼少年になってしまう。
・読売online---『「奇跡の一本松」保護を断念…海水で根が腐り』
『東日本大震災の津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」について、保存活動を続けてきた地元の「高田松原を守る会」が保護を事実上断念したことがわかった。
同会は、国の名勝「高田松原」に唯一残った松を復興のシンボルにしようと、周囲に鉄板を打ち込んだり、地中の海水を吸い上げたりしてきた。しかし、財団法人「日本緑化センター」(東京)が10月に調べたところ、海水で根がほとんど腐り、松を維持するのは極めて難しい状態と判明。会では「再生不可能」として保護作業を打ち切った。現在は立ち枯れるのを見守るしかない状況という。』
→復興のシンボルだっただけに残念だ。
■12月3日(土、268日目)
冷たい雨の寒い朝。
・日経web---『東電中間報告、自己弁護に終始 幹部証言公表せず 』
『東京電力が2日発表した福島第1原子力発電所事故の中間報告書は、事故原因に迫る詳細な資料や幹部の証言などについては公表しなかった。第三者が検証したとしているが、事故対応の正当化と自己弁護の印象が強い。事故原因については政府や国会などが第三者委員会を複数設け、それぞれ独自の調査・検証作業を進めている。東電自らの検証の限界が浮き彫りになり、第三者の事故調査委員会が事実の詳細を明らかにできるかどうかが焦点になる。
東電の社内調査は、山崎雅男副社長を委員長とし、役員、部長が委員となって手掛けた。強い権限を持つ立場にもかかわらず社内資料の公開が不十分で、幹部の証言なども盛り込まなかった。
東電が中間報告の評価を委ねた第三者委員会(委員長=矢川元基東大名誉教授)も、東電の事故後の対応について「誰が指揮、作業していようがほぼ同じ状況になっていたに違いない」「本当に頭が下がる思いである」などとの意見書を公表した。委員は2日の記者会見には同席しなかった。
中間報告書は、専門家から大津波の可能性について指摘は受けたが根拠がなかったとして対策を見送った経緯を説明した。ただ、専門家らの間には異論が出ており、複数の事故調の検証が待たれる。
今後は政府の事故調査・検証委員会や民間の福島原発事故独立検証委員会のほか、国会、経済産業省原子力安全・保安院などが設置した事故調の見解に注目が集まる。
国会の事故調は国政調査権で証言を求めることができるなど強制力を伴う。東電の中間報告は検証の通過点にすぎず、様々な観点から事故原因の究明が続いている。』
→7個のPDFが東電のサイトに公開されている。読むだけでも大変な量だ。山崎副社長は会見で「国と一体となって安全対策を実施してきた」と国の責任を強調。『安全上重要な機器に地震による損傷はなく、事故の直接原因は想定以上の津波』と主張するのであれば、今回の事故が『原子力損害賠償法が定めた「異常に巨大な天災地変」の免責条項に該当すること』を堂々と主張してはどうか。
中間報告別冊個別項目のPDFに、3月14日~15日にかけての全員撤退問題が記されている。項目名は『一部所員撤退』となっているが。その一部を引用しようと思ったがPDFにコピープロテクトがかかっている。こんなに細かくプロテクトをかけなくともいいのではないか。
・毎日jp---『◆東電中間報告の骨子◆』
『・安全上重要な機器に地震による損傷はなく、事故の直接原因は想定以上の津波
・津波の想定は、唯一の基準の土木学会の手法に基づき評価。より大きな津波を想定した社内試算は具体的根拠に欠ける
・国と一体で整備した過酷事故対策を超え、機器がほぼすべて機能喪失
・津波到達後の運転員の操作は手順書に基づいており、問題はない
・1、3号機の爆発を引き起こした水素の漏えい経路は不明。2号機で水素爆発はなく、4号機の爆発音を誤認
毎日新聞 2011年12月3日 東京朝刊』
■12月2日(金、267日目)
今年の流行語大賞に『なでしこジャパン』に決まった。お祭りと言えばそれまでだが『暫定基準値を超えましたが安全です』を忘れてはならないのではないか。
・東京web---『核燃料露出まで1・5メートル 福島4号機プールの水位低下 』
『東電福島第1原発事故で、冷却機能を失った使用済み核燃料プールでは燃料の熱で水が蒸発、発熱量が多い4号機では水位が5・5メートル低下し、燃料の上端から1・5メートルに迫っていたとの評価結果を東電がまとめたことが1日、分かった。
水位低下は3月11日の事故発生後、4月20日すぎまで1カ月以上続き、燃料が露出する寸前の状態になった。22~27日に930トンを集中的に注水して満水状態に戻したが、東電が作成したグラフでは、この注水がなければ5月初めに燃料が露出していたと読み取れる。燃料は露出が続くと溶け、放射性物質が環境中に放出される恐れがある。』
・毎日jp---『福島原発事故:発生直後、千葉のキセノン濃度40万倍に』
『東京電力福島第1原発事故直後、大気中の放射性物質「キセノン133(半減期5日)」の濃度が事故前に比べ最大で約40万倍になっていたことを、環境中の放射性物質の調査などを専門に行う財団法人「日本分析センター」(千葉市)が1日、明らかにした。同日東京都内で行われた文部科学省の環境放射能調査研究成果発表会で公表した。
同センターによると、キセノン133の大気中の平均濃度は、3月14~22日に千葉市で1立方メートルあたり1300ベクレルへ急上昇した。事故前は「不検出」から3.4ミリベクレルの間で、3月11日の事故直後は40万倍に達した。通常の濃度に戻るまで約3カ月かかったという。
同センターの磯貝啓介さんは「キセノン133は福島第1原発からプルーム(雲のような塊)になって千葉市まで流れてきたのだろう。3カ月間の外部被ばく量の累積は1.3マイクロシーベルトで、健康に影響が出るレベルではなかった」と話している。
キセノン133は、原発の燃料として使われるウランやプルトニウムが核分裂するときにできる。他の物質とほとんど反応しないため、吸い込んでも内部被ばくの恐れはない。同センターは千葉市の敷地内と、全国の4カ所(札幌市、秋田市、福岡県太宰府市、沖縄県南城市)で専用装置を使って06年度から継続的にキセノンなどの濃度を観測している。』
こんなことまで記録に残す必要があるかどうか若干のためらいはあるが・・。
・スポーツ報知---『西山元審議官、やっぱり福島行かない』
『女性職員との不適切な交際で停職1か月の懲戒処分を受け、環境省の福島除染推進チーム次長に就任した西山英彦・元官房審議官(54)が、赴任するはずだった福島には行かず、東京で勤務することが1日、分かった。
参院東日本大震災復興特別委員会で、社民党の吉田忠智氏(55)が西山氏の女性問題に触れ「こんな人物が除染を担当して福島の皆さんが信頼すると思いますか。不適切ではないか」と質問した。
「コクムダイジ~ン!」と呼ばれて答弁に立ったのは、細野豪志環境相(40)だった。「福島環境再生事務所」の設置に向け、「各省に応援要請しており、今ご指摘の人物についても経産省の方から併任という形で派遣をしていただいている」と答えた。
細野氏は西山氏から「被災者の皆さんのためにもしっかりやりたい」と言われたことを明らかにした。ただ、「福島の皆さんもいろいろ思いがありますので、本人は表に出ることなく、東京、そして本当に必要なときは地元に行って、裏方としてしっかりと除染で汗をかきたいと申しております」と語った。
環境省は11月18日に西山氏の人事を発表。チームの本拠地がある福島に赴任し、放射性物質除去関連業務に当たると説明していた。環境省秘書課によると、西山氏は就任後1度、福島入りしたが、現在は東京にいて「出張などで福島に行くかも知れないが、次にいつ行くか分からない」という。』
■12月1日(木、266日目)
・日経web---『福島1号機の溶融燃料、格納容器の床65センチ侵食 東電発表 』
『東京電力は30日、福島第1原子力発電所の原子炉内で、溶け落ちた核燃料がどうなっているか推定した結果を発表した。1号機では全量が原子炉圧力容器を突き抜けて格納容器に落下。底に敷かれたコンクリートを、場所によっては鋼鉄製の容器の壁から37センチのところまで侵食したという。燃料の広がりは今後の除染や廃炉へ向けた作業を妨げる可能性がある。
30日に国が開いた研究会で、東電が水位計データなどをもとにしたコンピューター解析の結果を示した。政府と東電は年内に冷温停止状態の達成を計画する。圧力容器底部が100度以下になるのが条件の一つだが、1号機の圧力容器に燃料が残っていなければ、底部温度を判断基準にする意味は薄れる。
東電の推定によると、地震後もっとも早く炉心溶融(メルトダウン)を起こした1号機は最悪の仮定では全燃料が格納容器に落下、コンクリート床の深さ1.2メートルのくぼみなどにたまった。燃料は1500度以上になり、コンクリートと反応して最大65センチ侵食したという。燃料は格納容器内にはとどまっている。
溶けた燃料が配管を傷つけ、高濃度の汚染水が格納容器の外に流れ出した可能性もあると推定した。東電は2号機で燃料の最大57%、3号機では同63%が溶け落ち、格納容器の床を12~20センチ侵食したと試算した。
2、3号機では溶け落ちた核燃料の3%程度が水から露出しているものの、冷却は進んでおり侵食を起こす反応は「現在は停止している」と分析した。2号機の格納容器の一部は11月でも約400度と高温だが、「温度計付近に溶けた燃料が付着していると考えられる」(東電)。
ただ、水位計などのデータは信頼性に問題がある。1号機で事故直後に圧力が急低下した理由なども不明。エネルギー総合工学研究所の内藤正則部長は「圧力容器の支えが損傷し、傾いている可能性もある」とみる。
岡本孝司・東大教授は「(燃料が圧力容器内にとどまった)米スリーマイル島原発事故のときより燃料の取り出しは難しい」と指摘、廃炉作業は難航する公算が大きい。東電などは今後、別の計算法による推定も試みる。』
→日経朝刊には『溶けた核燃料、格納容器の壁まで37センチ』の見出しが。客観的事実の推定は解ったが、これがどの程度危険なのか、危険でないのか、若しくは解らないのか、これらの記事からは読み取れない。あくまでも『推定』で実際に内部の様子を把握できていないというのは不安が残る。ファイバースコープのようなもので中をのぞき見ることはできないものか。『オリンパス』など、日本の技術を結集すればできそうな気もするのだが・・・。
■11月30日(水、265日目)
・共同通信---『注水停止命令は形だけ 指示無視、第1原発所長』
『東京電力福島第1原発で事故後、1号機の原子炉で始めた海水注入を東電本店が中断するよう求めたが、吉田昌郎所長が現場の作業員に「今から言うことを聞くな」と前置きして「注水停止」を命令し、注水を継続していたことが、政府や東電関係者への取材で29日、分かった。吉田所長の行動には「独断だ」との批判の一方、「事態のさらなる悪化を防いだ」との評価もある。政府が設置した第三者機関「事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)も、この「形だけの停止命令」を把握、原発で過酷事故が発生した際、現場がどのように判断し、意思決定すべきかを考える具体例として注目している』
・中日web---『中日春秋』
『▼内閣府の原子力委員会は、過酷な事故が起きる可能性は最悪の場合、一基当たり「五百年に一回」との試算を発表した。原発コストを計算する中で、原子炉の運転実績と福島第一原発1~3号機の事故を三回と数えた
▼五百年に一回であれば、少し安心するかもしれないが、この数字に猛反発しているのが原発推進派の学者だ。見方を変えれば、五十基以上の原発がある日本では、十年に一度はどこかで福島第一原発級の事故が起きる計算になるからだ
▼安全の強化を前提に、推進派が適切とするのは一基当たり「十万年に一回」。国際原子力機関が求める安全目標値だ。原発の稼働から約四十五年間に、最悪の事故が三基で起きたのにこんな数字を平然という神経を疑う』
■11月29日(火、264日目)
・日経web---『原発事故調、菅前首相らの聴取来年に 』
『政府の東京電力福島原子力発電所の事故調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長)が12月26日に公表する中間報告で、菅直人前首相ら事故当時の政府首脳の証言が盛り込まれない見通しになった。前首相や関係閣僚へのヒアリングが来年1月以降になる公算が大きくなったためだ。原発事故の検証では政府の対応の是非も焦点となっているが、事故後9カ月たってまとまる中間報告でも全体像は明らかにならず、解明には時間がかかりそう。
ヒアリング対象は前首相の他に枝野幸男前官房長官(現経済産業相)、海江田万里元経産相、細野豪志前首相補佐官(現原発事故担当相)ら。これまでの東電関係者らへのヒアリングは非公開だったが、前首相らの場合は同意があれば公開も検討する。2月下旬の海外専門家を招く国際会議までに一定のめどをつけたい考え。
事故調は11月29日に開く第5回会合で、中間報告の事務局原案をまとめる。』
→中間報告に官邸のヒアリングがなければその価値はずいぶん下がるのではないか。中間報告といえばそれまでだが、今までいくらでもヒアリングする時間は取れたのではなかろうか。一部では原発の情報は国民の目に触れることなく非公開の事故調査・検証委員会に流れてしまうとの報道も。日本という国が存亡の危機にあった(まだある?)状況を一刻も早くオープンにして欲しいものだ。
・asahi.com---『福島産の米、宮城産と偽り販売 仙台の会社を県が調査』
『宮城県の米卸大手「協同組合ケンベイミヤギ」(仙台市太白区)が、福島県産の米を宮城県産などと偽って販売していたことが分かった。東北農政局や宮城県、仙台市は日本農林規格(JAS)法や米トレーサビリティー法違反などの疑いがあるとして調べるとともに、同組合に立ち入り調査をした。
宮城県などによると、同組合は2010~11年、昨年収穫した福島県産のひとめぼれやコシヒカリを宮城県産としたり、宮城県産の通常のササニシキなのに農薬を抑えた特別栽培米と表示したりして販売していた。農政局と宮城県が先月2回にわたって立ち入り調査をした際、同組合は誤って表示したことを認めたという。
県の調査では、米の取引情報を帳簿などで適切に記録・保存していなかったほか、実際より価値の高い商品に見せかけた疑いが強いとして、米トレーサビリティー法と景品表示法に違反する可能性があるという。また、JAS法違反の疑いで仙台市が調べている。』
→予想されたこととはいえ、これだけはやめて欲しいものだ。産地偽造されたら、一袋単位で調べないかぎり解らない。
・共同通信---『福島県が2市に出荷見合わせ要請 コメ基準値超えで』
『福島市と福島県伊達市の農家で生産されたコメから暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、県は29日までに、二本松市と本宮市の一部のコメについても出荷を見合わせるよう求めることを決めた。
県によると、対象は二本松市の旧岳下村や本宮市の旧白沢村など9地区で2381戸。県はすでに緊急調査を進める同県伊達市など4市1941戸の農家に出荷見合わせを要請しており、見合わせの対象は計4322戸になる。
うち、基準値超えが判明した伊達市の旧小国村と旧月館町計312戸に対しては、政府が29日午後にも出荷停止の指示を出す方針。』
→福島米の安全宣言が出されたとたん、局地的ではあるかも知れないが、次々と基準値越えが出てきた。本当に安全なのか判断のしようがない。
先週末くらいのTV報道(局は忘れたが)で、福島の生産者が自分の孫には茨城米を食べさせているとの映像が流れた。福島米が安全とはいえ、当事者(家族)の正直な感覚だろう。ふと思ったが、福島県でも20歳以下の子供達には積極的に県外産米(少しでも汚染されてないお米)を食べさせた方がいいのではないか。多少の非難は無視すべきだ。少しでも子供達を放射能から遠ざけるのが最優先事項。全国の60歳以上が積極的に基準値を下回るお米を食べればいい。嫌な人は食べなければいいだけの話し。それくらいのことを言う政治家・識者と言われる方々はいないものか。
■11月28日(月、263日目)
・共同通信---『「大津波あり得ない」東電動かず 原発事故調査委、経緯解明へ』
『2008年に東京電力社内で、福島第1原発に想定を大きく超える津波が来る可能性を示す評価結果が得られた際、原発設備を統括する本店の原子力設備管理部が、そうした大津波は現実には「あり得ない」と判断して動かず、建屋や重要機器への浸水を防ぐ対策が講じられなかったことが27日、分かった。東電関係者が明らかにした。
12月に中間報告を出す政府の事故調査・検証委員会も経緯を調べており、研究の進展で得た津波リスク評価の扱いや対応が適切だったかが焦点となる。
関係者によると、新たな津波評価について同管理部は、学術的な性格が強く、深刻に受け取る必要はないと判断したという。』
→ZAKZAKには『原子力設備管理部の部長を07年発足時から昨年6月まで務めていたのは、皮肉にも現在、福島第1原発で陣頭指揮を執る吉田昌郎所長だった。』との記述が。
Wikipediaの吉田所長の経歴にも『福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所両原発の発電部保守課、ユニット管理課などを経て、2007年から本店原子力設備管理部長。2010年6月から福島第一原子力発電所所長。』とあるので間違いはなさそうだ……。
一夜明けて快晴。
・産経web---『東電冬の「でんき予報」、3日連続で「やや厳しい」』
『冬の節電を促すため東京電力が今月からリニューアルした同社サイト上の「でんき予報」は、3日連続で電力需給の逼迫(ひっぱく)度合いを示す使用率が90%超の「やや厳しい」となった。1日からの冷たい雨で暖房や照明需要が増えたため。荒れた天気が予想される3日も90%を想定したが、東電は「供給余力は十分にあり安定供給に支障のないレベル」と説明している。』
→90%を超えてはいるが夏場の最大供給能力からみると現在の母数そのものが低すぎるのではないか。『本当』の最大供給能力がいくらで、当日の供給能力がいくらで、その使用実績がいくらと解かり易く出してほしいものだ。こんな『でんき予報』では狼少年になってしまう。
・読売online---『「奇跡の一本松」保護を断念…海水で根が腐り』
『東日本大震災の津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」について、保存活動を続けてきた地元の「高田松原を守る会」が保護を事実上断念したことがわかった。
同会は、国の名勝「高田松原」に唯一残った松を復興のシンボルにしようと、周囲に鉄板を打ち込んだり、地中の海水を吸い上げたりしてきた。しかし、財団法人「日本緑化センター」(東京)が10月に調べたところ、海水で根がほとんど腐り、松を維持するのは極めて難しい状態と判明。会では「再生不可能」として保護作業を打ち切った。現在は立ち枯れるのを見守るしかない状況という。』
→復興のシンボルだっただけに残念だ。
■12月3日(土、268日目)
冷たい雨の寒い朝。
・日経web---『東電中間報告、自己弁護に終始 幹部証言公表せず 』
『東京電力が2日発表した福島第1原子力発電所事故の中間報告書は、事故原因に迫る詳細な資料や幹部の証言などについては公表しなかった。第三者が検証したとしているが、事故対応の正当化と自己弁護の印象が強い。事故原因については政府や国会などが第三者委員会を複数設け、それぞれ独自の調査・検証作業を進めている。東電自らの検証の限界が浮き彫りになり、第三者の事故調査委員会が事実の詳細を明らかにできるかどうかが焦点になる。
東電の社内調査は、山崎雅男副社長を委員長とし、役員、部長が委員となって手掛けた。強い権限を持つ立場にもかかわらず社内資料の公開が不十分で、幹部の証言なども盛り込まなかった。
東電が中間報告の評価を委ねた第三者委員会(委員長=矢川元基東大名誉教授)も、東電の事故後の対応について「誰が指揮、作業していようがほぼ同じ状況になっていたに違いない」「本当に頭が下がる思いである」などとの意見書を公表した。委員は2日の記者会見には同席しなかった。
中間報告書は、専門家から大津波の可能性について指摘は受けたが根拠がなかったとして対策を見送った経緯を説明した。ただ、専門家らの間には異論が出ており、複数の事故調の検証が待たれる。
今後は政府の事故調査・検証委員会や民間の福島原発事故独立検証委員会のほか、国会、経済産業省原子力安全・保安院などが設置した事故調の見解に注目が集まる。
国会の事故調は国政調査権で証言を求めることができるなど強制力を伴う。東電の中間報告は検証の通過点にすぎず、様々な観点から事故原因の究明が続いている。』
→7個のPDFが東電のサイトに公開されている。読むだけでも大変な量だ。山崎副社長は会見で「国と一体となって安全対策を実施してきた」と国の責任を強調。『安全上重要な機器に地震による損傷はなく、事故の直接原因は想定以上の津波』と主張するのであれば、今回の事故が『原子力損害賠償法が定めた「異常に巨大な天災地変」の免責条項に該当すること』を堂々と主張してはどうか。
中間報告別冊個別項目のPDFに、3月14日~15日にかけての全員撤退問題が記されている。項目名は『一部所員撤退』となっているが。その一部を引用しようと思ったがPDFにコピープロテクトがかかっている。こんなに細かくプロテクトをかけなくともいいのではないか。
・毎日jp---『◆東電中間報告の骨子◆』
『・安全上重要な機器に地震による損傷はなく、事故の直接原因は想定以上の津波
・津波の想定は、唯一の基準の土木学会の手法に基づき評価。より大きな津波を想定した社内試算は具体的根拠に欠ける
・国と一体で整備した過酷事故対策を超え、機器がほぼすべて機能喪失
・津波到達後の運転員の操作は手順書に基づいており、問題はない
・1、3号機の爆発を引き起こした水素の漏えい経路は不明。2号機で水素爆発はなく、4号機の爆発音を誤認
毎日新聞 2011年12月3日 東京朝刊』
■12月2日(金、267日目)
今年の流行語大賞に『なでしこジャパン』に決まった。お祭りと言えばそれまでだが『暫定基準値を超えましたが安全です』を忘れてはならないのではないか。
・東京web---『核燃料露出まで1・5メートル 福島4号機プールの水位低下 』
『東電福島第1原発事故で、冷却機能を失った使用済み核燃料プールでは燃料の熱で水が蒸発、発熱量が多い4号機では水位が5・5メートル低下し、燃料の上端から1・5メートルに迫っていたとの評価結果を東電がまとめたことが1日、分かった。
水位低下は3月11日の事故発生後、4月20日すぎまで1カ月以上続き、燃料が露出する寸前の状態になった。22~27日に930トンを集中的に注水して満水状態に戻したが、東電が作成したグラフでは、この注水がなければ5月初めに燃料が露出していたと読み取れる。燃料は露出が続くと溶け、放射性物質が環境中に放出される恐れがある。』
・毎日jp---『福島原発事故:発生直後、千葉のキセノン濃度40万倍に』
『東京電力福島第1原発事故直後、大気中の放射性物質「キセノン133(半減期5日)」の濃度が事故前に比べ最大で約40万倍になっていたことを、環境中の放射性物質の調査などを専門に行う財団法人「日本分析センター」(千葉市)が1日、明らかにした。同日東京都内で行われた文部科学省の環境放射能調査研究成果発表会で公表した。
同センターによると、キセノン133の大気中の平均濃度は、3月14~22日に千葉市で1立方メートルあたり1300ベクレルへ急上昇した。事故前は「不検出」から3.4ミリベクレルの間で、3月11日の事故直後は40万倍に達した。通常の濃度に戻るまで約3カ月かかったという。
同センターの磯貝啓介さんは「キセノン133は福島第1原発からプルーム(雲のような塊)になって千葉市まで流れてきたのだろう。3カ月間の外部被ばく量の累積は1.3マイクロシーベルトで、健康に影響が出るレベルではなかった」と話している。
キセノン133は、原発の燃料として使われるウランやプルトニウムが核分裂するときにできる。他の物質とほとんど反応しないため、吸い込んでも内部被ばくの恐れはない。同センターは千葉市の敷地内と、全国の4カ所(札幌市、秋田市、福岡県太宰府市、沖縄県南城市)で専用装置を使って06年度から継続的にキセノンなどの濃度を観測している。』
こんなことまで記録に残す必要があるかどうか若干のためらいはあるが・・。
・スポーツ報知---『西山元審議官、やっぱり福島行かない』
『女性職員との不適切な交際で停職1か月の懲戒処分を受け、環境省の福島除染推進チーム次長に就任した西山英彦・元官房審議官(54)が、赴任するはずだった福島には行かず、東京で勤務することが1日、分かった。
参院東日本大震災復興特別委員会で、社民党の吉田忠智氏(55)が西山氏の女性問題に触れ「こんな人物が除染を担当して福島の皆さんが信頼すると思いますか。不適切ではないか」と質問した。
「コクムダイジ~ン!」と呼ばれて答弁に立ったのは、細野豪志環境相(40)だった。「福島環境再生事務所」の設置に向け、「各省に応援要請しており、今ご指摘の人物についても経産省の方から併任という形で派遣をしていただいている」と答えた。
細野氏は西山氏から「被災者の皆さんのためにもしっかりやりたい」と言われたことを明らかにした。ただ、「福島の皆さんもいろいろ思いがありますので、本人は表に出ることなく、東京、そして本当に必要なときは地元に行って、裏方としてしっかりと除染で汗をかきたいと申しております」と語った。
環境省は11月18日に西山氏の人事を発表。チームの本拠地がある福島に赴任し、放射性物質除去関連業務に当たると説明していた。環境省秘書課によると、西山氏は就任後1度、福島入りしたが、現在は東京にいて「出張などで福島に行くかも知れないが、次にいつ行くか分からない」という。』
■12月1日(木、266日目)
・日経web---『福島1号機の溶融燃料、格納容器の床65センチ侵食 東電発表 』
『東京電力は30日、福島第1原子力発電所の原子炉内で、溶け落ちた核燃料がどうなっているか推定した結果を発表した。1号機では全量が原子炉圧力容器を突き抜けて格納容器に落下。底に敷かれたコンクリートを、場所によっては鋼鉄製の容器の壁から37センチのところまで侵食したという。燃料の広がりは今後の除染や廃炉へ向けた作業を妨げる可能性がある。
30日に国が開いた研究会で、東電が水位計データなどをもとにしたコンピューター解析の結果を示した。政府と東電は年内に冷温停止状態の達成を計画する。圧力容器底部が100度以下になるのが条件の一つだが、1号機の圧力容器に燃料が残っていなければ、底部温度を判断基準にする意味は薄れる。
東電の推定によると、地震後もっとも早く炉心溶融(メルトダウン)を起こした1号機は最悪の仮定では全燃料が格納容器に落下、コンクリート床の深さ1.2メートルのくぼみなどにたまった。燃料は1500度以上になり、コンクリートと反応して最大65センチ侵食したという。燃料は格納容器内にはとどまっている。
溶けた燃料が配管を傷つけ、高濃度の汚染水が格納容器の外に流れ出した可能性もあると推定した。東電は2号機で燃料の最大57%、3号機では同63%が溶け落ち、格納容器の床を12~20センチ侵食したと試算した。
2、3号機では溶け落ちた核燃料の3%程度が水から露出しているものの、冷却は進んでおり侵食を起こす反応は「現在は停止している」と分析した。2号機の格納容器の一部は11月でも約400度と高温だが、「温度計付近に溶けた燃料が付着していると考えられる」(東電)。
ただ、水位計などのデータは信頼性に問題がある。1号機で事故直後に圧力が急低下した理由なども不明。エネルギー総合工学研究所の内藤正則部長は「圧力容器の支えが損傷し、傾いている可能性もある」とみる。
岡本孝司・東大教授は「(燃料が圧力容器内にとどまった)米スリーマイル島原発事故のときより燃料の取り出しは難しい」と指摘、廃炉作業は難航する公算が大きい。東電などは今後、別の計算法による推定も試みる。』
→日経朝刊には『溶けた核燃料、格納容器の壁まで37センチ』の見出しが。客観的事実の推定は解ったが、これがどの程度危険なのか、危険でないのか、若しくは解らないのか、これらの記事からは読み取れない。あくまでも『推定』で実際に内部の様子を把握できていないというのは不安が残る。ファイバースコープのようなもので中をのぞき見ることはできないものか。『オリンパス』など、日本の技術を結集すればできそうな気もするのだが・・・。
■11月30日(水、265日目)
・共同通信---『注水停止命令は形だけ 指示無視、第1原発所長』
『東京電力福島第1原発で事故後、1号機の原子炉で始めた海水注入を東電本店が中断するよう求めたが、吉田昌郎所長が現場の作業員に「今から言うことを聞くな」と前置きして「注水停止」を命令し、注水を継続していたことが、政府や東電関係者への取材で29日、分かった。吉田所長の行動には「独断だ」との批判の一方、「事態のさらなる悪化を防いだ」との評価もある。政府が設置した第三者機関「事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)も、この「形だけの停止命令」を把握、原発で過酷事故が発生した際、現場がどのように判断し、意思決定すべきかを考える具体例として注目している』
・中日web---『中日春秋』
『▼内閣府の原子力委員会は、過酷な事故が起きる可能性は最悪の場合、一基当たり「五百年に一回」との試算を発表した。原発コストを計算する中で、原子炉の運転実績と福島第一原発1~3号機の事故を三回と数えた
▼五百年に一回であれば、少し安心するかもしれないが、この数字に猛反発しているのが原発推進派の学者だ。見方を変えれば、五十基以上の原発がある日本では、十年に一度はどこかで福島第一原発級の事故が起きる計算になるからだ
▼安全の強化を前提に、推進派が適切とするのは一基当たり「十万年に一回」。国際原子力機関が求める安全目標値だ。原発の稼働から約四十五年間に、最悪の事故が三基で起きたのにこんな数字を平然という神経を疑う』
■11月29日(火、264日目)
・日経web---『原発事故調、菅前首相らの聴取来年に 』
『政府の東京電力福島原子力発電所の事故調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長)が12月26日に公表する中間報告で、菅直人前首相ら事故当時の政府首脳の証言が盛り込まれない見通しになった。前首相や関係閣僚へのヒアリングが来年1月以降になる公算が大きくなったためだ。原発事故の検証では政府の対応の是非も焦点となっているが、事故後9カ月たってまとまる中間報告でも全体像は明らかにならず、解明には時間がかかりそう。
ヒアリング対象は前首相の他に枝野幸男前官房長官(現経済産業相)、海江田万里元経産相、細野豪志前首相補佐官(現原発事故担当相)ら。これまでの東電関係者らへのヒアリングは非公開だったが、前首相らの場合は同意があれば公開も検討する。2月下旬の海外専門家を招く国際会議までに一定のめどをつけたい考え。
事故調は11月29日に開く第5回会合で、中間報告の事務局原案をまとめる。』
→中間報告に官邸のヒアリングがなければその価値はずいぶん下がるのではないか。中間報告といえばそれまでだが、今までいくらでもヒアリングする時間は取れたのではなかろうか。一部では原発の情報は国民の目に触れることなく非公開の事故調査・検証委員会に流れてしまうとの報道も。日本という国が存亡の危機にあった(まだある?)状況を一刻も早くオープンにして欲しいものだ。
・asahi.com---『福島産の米、宮城産と偽り販売 仙台の会社を県が調査』
『宮城県の米卸大手「協同組合ケンベイミヤギ」(仙台市太白区)が、福島県産の米を宮城県産などと偽って販売していたことが分かった。東北農政局や宮城県、仙台市は日本農林規格(JAS)法や米トレーサビリティー法違反などの疑いがあるとして調べるとともに、同組合に立ち入り調査をした。
宮城県などによると、同組合は2010~11年、昨年収穫した福島県産のひとめぼれやコシヒカリを宮城県産としたり、宮城県産の通常のササニシキなのに農薬を抑えた特別栽培米と表示したりして販売していた。農政局と宮城県が先月2回にわたって立ち入り調査をした際、同組合は誤って表示したことを認めたという。
県の調査では、米の取引情報を帳簿などで適切に記録・保存していなかったほか、実際より価値の高い商品に見せかけた疑いが強いとして、米トレーサビリティー法と景品表示法に違反する可能性があるという。また、JAS法違反の疑いで仙台市が調べている。』
→予想されたこととはいえ、これだけはやめて欲しいものだ。産地偽造されたら、一袋単位で調べないかぎり解らない。
・共同通信---『福島県が2市に出荷見合わせ要請 コメ基準値超えで』
『福島市と福島県伊達市の農家で生産されたコメから暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、県は29日までに、二本松市と本宮市の一部のコメについても出荷を見合わせるよう求めることを決めた。
県によると、対象は二本松市の旧岳下村や本宮市の旧白沢村など9地区で2381戸。県はすでに緊急調査を進める同県伊達市など4市1941戸の農家に出荷見合わせを要請しており、見合わせの対象は計4322戸になる。
うち、基準値超えが判明した伊達市の旧小国村と旧月館町計312戸に対しては、政府が29日午後にも出荷停止の指示を出す方針。』
→福島米の安全宣言が出されたとたん、局地的ではあるかも知れないが、次々と基準値越えが出てきた。本当に安全なのか判断のしようがない。
先週末くらいのTV報道(局は忘れたが)で、福島の生産者が自分の孫には茨城米を食べさせているとの映像が流れた。福島米が安全とはいえ、当事者(家族)の正直な感覚だろう。ふと思ったが、福島県でも20歳以下の子供達には積極的に県外産米(少しでも汚染されてないお米)を食べさせた方がいいのではないか。多少の非難は無視すべきだ。少しでも子供達を放射能から遠ざけるのが最優先事項。全国の60歳以上が積極的に基準値を下回るお米を食べればいい。嫌な人は食べなければいいだけの話し。それくらいのことを言う政治家・識者と言われる方々はいないものか。
■11月28日(月、263日目)
・共同通信---『「大津波あり得ない」東電動かず 原発事故調査委、経緯解明へ』
『2008年に東京電力社内で、福島第1原発に想定を大きく超える津波が来る可能性を示す評価結果が得られた際、原発設備を統括する本店の原子力設備管理部が、そうした大津波は現実には「あり得ない」と判断して動かず、建屋や重要機器への浸水を防ぐ対策が講じられなかったことが27日、分かった。東電関係者が明らかにした。
12月に中間報告を出す政府の事故調査・検証委員会も経緯を調べており、研究の進展で得た津波リスク評価の扱いや対応が適切だったかが焦点となる。
関係者によると、新たな津波評価について同管理部は、学術的な性格が強く、深刻に受け取る必要はないと判断したという。』
→ZAKZAKには『原子力設備管理部の部長を07年発足時から昨年6月まで務めていたのは、皮肉にも現在、福島第1原発で陣頭指揮を執る吉田昌郎所長だった。』との記述が。
Wikipediaの吉田所長の経歴にも『福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所両原発の発電部保守課、ユニット管理課などを経て、2007年から本店原子力設備管理部長。2010年6月から福島第一原子力発電所所長。』とあるので間違いはなさそうだ……。