今話の名セリフ:「だって、アタシ、アタシ・・・、本当はスクールアイドル、もっともっとやりたいよ!」
「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」2期第4話「アイ Love Triangle」の感想です。
~ オープニング前 ~
「気付けば、時が早過ぎて切なくなって・・・。」
「何もかもキミとだから楽しくなる・・・。これから未来が、どんな色で光っても・・・。」
先日のQU4RTZのライブは好評で、スクールアイドルフェスティバルでも見てみたいという声もありました。
それを聞いて、第2回スクールアイドルフェスティバルに向けて盛り上がるメンバー達。中でも、愛は、ライブ会場に来られないファンにも楽しんでもらいたいと、オンラインライブを提案。皆、愛の案に協力的です。
また、愛は、ユニットライブにも意欲的。それを聞いたエマは果林に、果林はユニットをやる気はないかどうか聞きましたが、果林は、誰かと気持ちを合わせるより、競い合う方が合っていると、やる気はないようです。
~ Aパート ~
ある日・・・、
「それ、可愛いじゃん!」
「愛・・・。」
「ヤッホー! カリン! 何してるの?」
「あ、ええ、今流行のコーデをチェックしにね。」
「ふーん?」
「何よ!」
「あ、そちらは?」
「紹介するね! こちらはアタシのおねーちゃん!」
「え?」
「・・・的な存在の!」
「川本美里です。愛ちゃんとは家が近所で、昔からよく遊んでいたの!」
「おねーちゃん! この子は朝香果林! アタシと同じスクールアイドル同好会のメンバーだよ!」
「はじめまして。いつも愛ちゃんがお世話になってます。」
「果林ちゃんって呼んでもいい?」
「ええ、もちろん!」
その後、愛と美里は、果林と一緒にボウリングで遊びました。
愛と果林は、もう1ゲームやろうと意欲的な一方、美里は、少し休む事に。愛は、具合が悪いんじゃないかと心配しますが、美里は、少し疲れただけだと愛を安心させます。
美里は少し前まで入退院を繰り返していたとの事。今は元気だそうで、今日はその退院祝いで、愛と美里は一緒にお出かけしていました。
その後も、愛、美里、果林は、色んな所を回って、沢山遊びました。水上バスにも乗りました。
しばらくして、愛の実家であるもんじゃ焼き屋に。
愛は美里に、近日オンラインライブをする事を話しました。それを聞いた美里は、絶対に見ると、愛をより元気付けさせました。
「オンラインライブは、美里さんのためだったのね。」
「もちろん、沢山の人に見てほしいのも本当だよ! でもね、実は愛さん、小っちゃい頃は結構泣き虫の人見知りだったんだ・・・。」
「冗談でしょ?」
「ホントホント! でも、おねーちゃんがいつも笑いかけてくれて、沢山遊びに連れて行ってくれたおかげで、いっぱい友達もできたし、身体を動かすのも大好きになったんだ!」
「だから今度は愛さんの番! やっと元気になれたんだもん! 色んな所に行って、楽しい事いっぱいしようね!」
「そうね・・・。」
その翌日、生徒会では、スクールアイドルフェスティバルと文化祭の合同開催が正式に決まりました。
そして、栞子に、フェスと文化祭をまとめる責任者になってほしいと依頼。栞子は、生徒のために頑張れるのならと、引き受けました。
同じ頃・・・、
「美里さん。」
「果林ちゃん・・・。」
「こういうのに興味あるんですか?」
「昔は海外で働いてみたいって思ってたんだけど・・・。」
「昨日はありがとう。愛ちゃんと果林ちゃんのおかげで、すごく・・・。」
「そんな風に無理して笑う必要ないんじゃないですか?」
「え?」
「ごめんなさい。でも、美里さん、何かを抱えているように見えたから・・・。」
「愛とは長い付き合いなんですよね? だったら、本当の気持ちを伝えてもいいんじゃないですか? 愛だって、その方が・・・。」
「今、愛ちゃんは、やりたい事を見つけて、どんどん進んでいる最中でしょ? 余計な心配させたくないの・・・。」
「すごいね・・・。愛ちゃんも、果林ちゃんも・・・。歌って踊って、沢山の人を笑顔にして・・・。」
「美里さん・・・。」
「じゃあ、私、こっちだから!」
直後、果林のスマホに、愛からのメッセージが。果林に会って話したい事があるようです。
しばらくして、愛は果林に、美里の様子についてどう思ったか聞きました。
「おねーちゃんってね、入院中の治療が大変な時でも、いつも笑顔だったんだけど、退院してからかな・・・。時々考え込んでる感じがあって・・・。」
「気のせいかもだけど、元気ないのかなって思って・・・。」
「確かに、私もそう見えたわ・・・。」
「そっか・・・。」
「アタシ、おねーちゃんと話してみる!」
「愛! 話してどうするの!」
「どうって・・・。悩みを聞いたり励ましたり・・・。気晴らしに遊んだり・・・。」
「それを美里さんは望んでいるのかしら?」
「どういう事?」
「今はそっとしておいた方がいいと思うわ・・・。」
「嫌だよ! そんなの! 悩んでるおねーちゃんを放っておくなんてできない!」
「話聞いてくれてありがとう・・・。愛さん、行ってくるね!」
そして・・・、
「いきなり呼び出してごめんね!」
「ううん。懐かしいね、ここ。小さい頃、よく一緒に・・・。」
「ねえ、おねーちゃん。」
「ん?」
「アタシ、おねーちゃんに聞きたい事があるんだ・・・。」
「おねーちゃん、何に悩んでるの?」
「悩んでなんて・・・。」
「アタシ、おねーちゃんのためなら何でもしたいよ! お願い! 教えて! アタシにできる事!」
「思い付かないわ・・・。」
「おねーちゃん・・・。」
「ごめんなさい・・・。思い付かないの・・・。愛ちゃんにしてほしい事、何も・・・。」
「だって、私・・・。」
「私?」
「もしかして、アタシのせい・・・?」
「違う! 悪いのは私なの!」
「私が入院している間、学校に行けなくなった私の時間は、どんどん友達と離れていったけど、愛ちゃんはずっと励ましてくれたよね・・・。」
「嬉しかったよ! 本当に! 愛ちゃんが支えだった・・・。でも・・・。」
「おねーちゃん! 愛さんね、スクールアイドルになったよ!」
「やりたい事を見つけて、どんどん先に進んでいく愛ちゃんを近くで見ているうちに、ふと気付いたんだ・・・。」
「私にはもう何もない・・・。どこにも行けない・・・。楽しいって気持ちも、分かんなくなっちゃった・・・。」
「愛ちゃんはスクールアイドルを頑張ってるだけなのに、勝手だよね・・・。」
「昨日は?」
「え?」
「アタシ、昨日すごく楽しかった! おねーちゃんが元気になって、また一緒に遊べて・・・。」
「おねーちゃんは、楽しかった?」
「愛ちゃんの事は、これからも応援してるから・・・。」
~ Bパート ~
その翌日・・・、
「そう・・・。美里さんが・・・。」
「あーあ・・・。バカだな・・・。おねーちゃんの気持ちに全然気付けなくて・・・。」
「愛さんなら、笑顔にできるって勝手に思い込んで・・・。でも、本当はずっと傷付けてた・・・。」
「愛さん、どうすれば良かったのかな? カリンの言う通り、そっとしておけば良かった? それとも、スクールアイドルにならなければ良かったの・・・?」
「そんな話、意味ないわよ。」
「ショックなのは分かるわ。でも、オンラインライブだって近いんだから、しっかりしなきゃ! あなたのファンが待ってるわよ?」
「できない・・・。」
「え?」
「できないよ! 楽しい事を教えてくれたおねーちゃんをアタシが傷付けた・・・。そんなアタシがスクールアイドルなんてできないよ!」
「本当にやめるつもり?」
「分かったわ。じゃあ、代わりに私がステージに立ってあげる。」
「愛のファンをごっそりいただくチャンスだもの! きっと美里さんも魅了されて、ファンになっちゃうわね?」
「嫌だよ! そんなの!」
「おねーちゃんやファンのみんなをカリンに取られちゃうのはヤダ!」
「でも、スクールアイドルやめるんでしょ?」
「だったら、やめるのやめる!」
「だって、アタシ、アタシ・・・、本当はスクールアイドル、もっともっとやりたいよ!」
「それが、あなたよ!」
「え?」
「誰も傷付けないなんて、そんな事、できる人いないわ。それでも、太陽みたいにみんなを照らせる笑顔が、あなたにはあるでしょ?」
「せいぜい頑張りなさい。」
「待って!」
「愛さんと一緒にステージに立ってほしい!」
「私はそういうの興味ないって言ったでしょ?」
「ううん。気持ちを合わせるとかじゃなくて・・・。仲間っていうか、ライバルとして、同じステージに立って、同じ歌で競い合おうよ!」
「アタシに火をつけてくれたカリンとなら、すっごいライブができる気がするんだ!」
「だから!」
「競い合う・・・。そんな形があるのなら、面白いかもね!」
「受けて立つわ! 愛!」
「うん! 負けないよ!」
そして、後日・・・、
「ごめんね、愛ちゃん・・・。あんな事言って・・・。」
「自分がなくしたものを愛ちゃんが、みんな持っているように思えて・・・。自分がみじめで・・・。」
「せめて謝りたくて、ここまで来たけど・・・。やっぱり、無理だよ・・・。」
「りなりー?」
「大丈夫・・・。愛さんなら大丈夫・・・。」
「ありがとう!」
「行ってきます!」
『皆さん、こんにちは! 私達、DiverDivaです!』
「今日は、ここにいるみんなも、画面の前の向こうのキミも、全員魅了してあげるわ!」
「みんなー! 楽しむ準備はできてるー?」
「できてない人いるんじゃないの?」
「でも、大丈夫! 愛さんの中には、小さい頃からもらってきた沢山の楽しいがあるから、それを今からみんなにあげる!」
「明日から一歩でも進んでみようって思えるような最高のライブをするから!」
「だから、ここにいるみんな! 配信を見ているみんな! 笑顔になる覚悟は決まった?」
「逃がさないわよ!」
「会場に来てくれるなんて思わなかったよ!」
「身体が、勝手に動いちゃったの! 胸が苦しいくらいにドキドキして、心が動き出して、楽しかった!」
「私、愛ちゃんのファンになってもいい? 愛ちゃんのライブ、すっごく笑顔になれて、頑張る力がもらえるから!」
「うん!」
「これからも、いい勝負ができそうね。」
「そうだね!」
「でも、それだけじゃなくて・・・。」
「ありがとう!」
その後日・・・、
「美里さん。」
「果林ちゃん!」
「やっぱり興味あったんですね。」
「うん。今から勉強しなきゃいけないけど。」
「遅いなんて事ないですよ。どんな事だって。」
「実はね、今の私の目標は、果林ちゃんなの。」
「え?」
「果林ちゃんみたいに、愛ちゃんと切磋琢磨できる人になりたいんだ。」
「負けないからね!」
「望むところです!」
~ エンディング後 ~
「すごい盛り上がりでしたね。」
「当然よ! アタシのライブだもの!」
「ランジュを見ていると、やはり人は、それぞれ適性に合ったステージにいるべきだと思います。」
「栞子!」
「ただいま! 久しぶりね!」
「姉さん・・・。」
今回は、これで終了です。
【まとめ】 ※今回も、かなり長いです。長文苦手な方は、ご注意下さい。
今話は、果林と愛のユニット「DiverDiva」(ダイバーディーバ)が結成され、ライブまで披露されました。
QU4RTZの2話構成とうってかわって、1話構成で終わったのは意外に感じました。まあ、考えてみれば、DiverDivaの人数は、QU4RTZの半分ですので、キャラ掘り下げなどにかける時間は半分程度で済むでしょうし、1話構成で終わっても不思議ではないですかね。
それに、前々話、前話では、果林と愛の2人っきりによる会話シーンがあり、ユニット結成の伏線にもなっていたでしょう。となると、ユニット結成までの時間にじっくりかけちゃうと、「尺稼ぎ」と言われかねないでしょうから、1話構成で早々と話を終わらせるのが良いのかもしれませんね。
DiverDivaは、果林と愛がお互いをライバルとし競い合う事が大きな特徴ではありますが、このニジガクアニメでもしっかり表現されていたと思います。
Aパートでは、ボウリングやゲーセンなどで遊んでいた時は競い合いながら楽しんでいるところが見られましたし、Bパートでも、果林が愛の代わりにステージに立つと言って、愛のやる気に火をつけたりと、このユニットらしいな、としみじみ感じましたね。
挿入歌「Eternal Light」についても、キレのあるカッコ良いダンスシーンが披露され、かなりの見応えを感じました。さすが、可愛いよりも「カッコ良い」とか「イケメン」といった言葉が合う子達だけあるな、と思いましたね。
また、今話を語るにあたって、愛の姉的な存在・川本美里を忘れてはならないでしょう。今話をすごく面白くしてくれた良キャラだったと感じています。
やりたい事に一生懸命な愛に対して無力感を抱いていたのは、我が子が自立して親離れしていく時に感じるものに似てますかね。美里にとって、愛は、いつも自分を頼ってくる可愛い妹。そんな印象が強いのでしょう。それも、愛が幼い頃は、泣き虫で人見知りの弱い子だったと思うと尚更でしょうね。
それが、少しずつ、笑顔の絶えない人当たりの良い明るい子へと変わっていき、さらに、やりたい事まで見つけてしまえば、妹の成長に嬉しさを感じる一方、自分の保護はもう不要だと思い込んでしまい、寂しさも抱くでしょう。しかも、病弱で入退院を繰り返している身となれば、やる気十分な愛と比べて自分は何もできないと、弱気に感じてしまうのも仕方のない事だと思います。
ですが、仕方ないで終わらせてしまえば、この先の長い人生をただただ無為に過ごしていくだけ。それじゃ駄目でしょう。
愛のやる気に対して劣等感は抱いても、愛の元気な姿を見るのは嬉しいですし、これからも愛を応援したいと思うのは、紛れもない事実。だったら、それを糧に、前に進む事だって不可能ではないと思います。
そうは言っても、愛の進むスピードと比べると、自分はゆっくりだとネガティブに感じたりするかもしれません。ですが、他人は他人。自分は自分。他人に無理に合わせようとせず、自分のペースで進む事が大切ですよね。
Bパートラストでは、DiverDivaのライブを見て、海外で働いてみたい気持ちが再燃しました。そのために勉強すべき事は沢山あり、夢が実現するまで相当時間がかかるのかもしれませんが、焦り過ぎは禁物。物事の習熟ペースは人それぞれでも、大事なのは、諦めない事ですね。
人は、みんな違って、みんな良い。それが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の特徴であり、今話のゲストキャラ・美里からもそう感じる事ができたのは、すごく良かったな、と思います。
あと、大きく印象に残った演出が2つほどあります。
1つ目は、愛達がゲーセンでゲットしたパンダのキーホルダーが後日、愛や美里の鞄に付けられていましたが、ユニットライブ開始前は、たいてい、そのパンダが、背中が見える裏向きだった事。その時は、愛も美里も、互いの気持ちがすれ違っていて、互いに向き合いたくないとか、向き合ったら何か悪いことが起きるかもしれない、などと思っていたでしょう。あの裏向きパンダは、愛と美里の関係のトーンダウンの役目を上手く果たしていたと思います。
ですが、DiverDivaのライブを見て、美里が愛に今の楽しい気持ちを伝えた時は、お腹が見える表向きになっていました。愛に向き合いたい気持ちが強く表現されていて、これも良い演出でしたね。
2つ目は、果林と美里が話していた時に描かれていた飛行機雲。Aパートでは2本、Bパートでは3本描かれていました。
Aパートでは、前に伸びていく飛行機雲と、まったく伸びない飛行機雲が描かれていましたが、これは、前者は愛、後者は美里を表していたでしょう。あの時は、やりたい事を見つけてどんどん前に進んでいる愛に対し、美里はもう何もできないんじゃないかと劣等感を抱いて停滞してましたし。
Bパートでは、かなり前に伸びている飛行機雲2本に向かって、1本の飛行機雲が前にグングン伸びていましたが、こちらは、前者は愛と果林、後者は美里を表していたでしょうね。これまでは無力感の大きさゆえ前に進めなかったのが、愛や果林に負けたくないくらい、やる気が出て、前に進みたい気持ちが湧いてきたのですし。いつか日本を飛び立ちたい事も、あの飛行機雲演出にかかわっているでしょうね。
さて、次回は、歩夢、しずく、せつ菜のユニット結成の話になるのでしょう。1話構成で終わるかどうかは分かりませんが、次回も目一杯楽しみたいと思います。
今話の感想は、これで以上です。この記事へのコメント、トラックバックは、こちらにお願いします。
「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」2期第4話「アイ Love Triangle」の感想です。
~ オープニング前 ~
「気付けば、時が早過ぎて切なくなって・・・。」
「何もかもキミとだから楽しくなる・・・。これから未来が、どんな色で光っても・・・。」
先日のQU4RTZのライブは好評で、スクールアイドルフェスティバルでも見てみたいという声もありました。
それを聞いて、第2回スクールアイドルフェスティバルに向けて盛り上がるメンバー達。中でも、愛は、ライブ会場に来られないファンにも楽しんでもらいたいと、オンラインライブを提案。皆、愛の案に協力的です。
また、愛は、ユニットライブにも意欲的。それを聞いたエマは果林に、果林はユニットをやる気はないかどうか聞きましたが、果林は、誰かと気持ちを合わせるより、競い合う方が合っていると、やる気はないようです。
~ Aパート ~
ある日・・・、
「それ、可愛いじゃん!」
「愛・・・。」
「ヤッホー! カリン! 何してるの?」
「あ、ええ、今流行のコーデをチェックしにね。」
「ふーん?」
「何よ!」
「あ、そちらは?」
「紹介するね! こちらはアタシのおねーちゃん!」
「え?」
「・・・的な存在の!」
「川本美里です。愛ちゃんとは家が近所で、昔からよく遊んでいたの!」
「おねーちゃん! この子は朝香果林! アタシと同じスクールアイドル同好会のメンバーだよ!」
「はじめまして。いつも愛ちゃんがお世話になってます。」
「果林ちゃんって呼んでもいい?」
「ええ、もちろん!」
その後、愛と美里は、果林と一緒にボウリングで遊びました。
愛と果林は、もう1ゲームやろうと意欲的な一方、美里は、少し休む事に。愛は、具合が悪いんじゃないかと心配しますが、美里は、少し疲れただけだと愛を安心させます。
美里は少し前まで入退院を繰り返していたとの事。今は元気だそうで、今日はその退院祝いで、愛と美里は一緒にお出かけしていました。
その後も、愛、美里、果林は、色んな所を回って、沢山遊びました。水上バスにも乗りました。
しばらくして、愛の実家であるもんじゃ焼き屋に。
愛は美里に、近日オンラインライブをする事を話しました。それを聞いた美里は、絶対に見ると、愛をより元気付けさせました。
「オンラインライブは、美里さんのためだったのね。」
「もちろん、沢山の人に見てほしいのも本当だよ! でもね、実は愛さん、小っちゃい頃は結構泣き虫の人見知りだったんだ・・・。」
「冗談でしょ?」
「ホントホント! でも、おねーちゃんがいつも笑いかけてくれて、沢山遊びに連れて行ってくれたおかげで、いっぱい友達もできたし、身体を動かすのも大好きになったんだ!」
「だから今度は愛さんの番! やっと元気になれたんだもん! 色んな所に行って、楽しい事いっぱいしようね!」
「そうね・・・。」
その翌日、生徒会では、スクールアイドルフェスティバルと文化祭の合同開催が正式に決まりました。
そして、栞子に、フェスと文化祭をまとめる責任者になってほしいと依頼。栞子は、生徒のために頑張れるのならと、引き受けました。
同じ頃・・・、
「美里さん。」
「果林ちゃん・・・。」
「こういうのに興味あるんですか?」
「昔は海外で働いてみたいって思ってたんだけど・・・。」
「昨日はありがとう。愛ちゃんと果林ちゃんのおかげで、すごく・・・。」
「そんな風に無理して笑う必要ないんじゃないですか?」
「え?」
「ごめんなさい。でも、美里さん、何かを抱えているように見えたから・・・。」
「愛とは長い付き合いなんですよね? だったら、本当の気持ちを伝えてもいいんじゃないですか? 愛だって、その方が・・・。」
「今、愛ちゃんは、やりたい事を見つけて、どんどん進んでいる最中でしょ? 余計な心配させたくないの・・・。」
「すごいね・・・。愛ちゃんも、果林ちゃんも・・・。歌って踊って、沢山の人を笑顔にして・・・。」
「美里さん・・・。」
「じゃあ、私、こっちだから!」
直後、果林のスマホに、愛からのメッセージが。果林に会って話したい事があるようです。
しばらくして、愛は果林に、美里の様子についてどう思ったか聞きました。
「おねーちゃんってね、入院中の治療が大変な時でも、いつも笑顔だったんだけど、退院してからかな・・・。時々考え込んでる感じがあって・・・。」
「気のせいかもだけど、元気ないのかなって思って・・・。」
「確かに、私もそう見えたわ・・・。」
「そっか・・・。」
「アタシ、おねーちゃんと話してみる!」
「愛! 話してどうするの!」
「どうって・・・。悩みを聞いたり励ましたり・・・。気晴らしに遊んだり・・・。」
「それを美里さんは望んでいるのかしら?」
「どういう事?」
「今はそっとしておいた方がいいと思うわ・・・。」
「嫌だよ! そんなの! 悩んでるおねーちゃんを放っておくなんてできない!」
「話聞いてくれてありがとう・・・。愛さん、行ってくるね!」
そして・・・、
「いきなり呼び出してごめんね!」
「ううん。懐かしいね、ここ。小さい頃、よく一緒に・・・。」
「ねえ、おねーちゃん。」
「ん?」
「アタシ、おねーちゃんに聞きたい事があるんだ・・・。」
「おねーちゃん、何に悩んでるの?」
「悩んでなんて・・・。」
「アタシ、おねーちゃんのためなら何でもしたいよ! お願い! 教えて! アタシにできる事!」
「思い付かないわ・・・。」
「おねーちゃん・・・。」
「ごめんなさい・・・。思い付かないの・・・。愛ちゃんにしてほしい事、何も・・・。」
「だって、私・・・。」
「私?」
「もしかして、アタシのせい・・・?」
「違う! 悪いのは私なの!」
「私が入院している間、学校に行けなくなった私の時間は、どんどん友達と離れていったけど、愛ちゃんはずっと励ましてくれたよね・・・。」
「嬉しかったよ! 本当に! 愛ちゃんが支えだった・・・。でも・・・。」
「おねーちゃん! 愛さんね、スクールアイドルになったよ!」
「やりたい事を見つけて、どんどん先に進んでいく愛ちゃんを近くで見ているうちに、ふと気付いたんだ・・・。」
「私にはもう何もない・・・。どこにも行けない・・・。楽しいって気持ちも、分かんなくなっちゃった・・・。」
「愛ちゃんはスクールアイドルを頑張ってるだけなのに、勝手だよね・・・。」
「昨日は?」
「え?」
「アタシ、昨日すごく楽しかった! おねーちゃんが元気になって、また一緒に遊べて・・・。」
「おねーちゃんは、楽しかった?」
「愛ちゃんの事は、これからも応援してるから・・・。」
~ Bパート ~
その翌日・・・、
「そう・・・。美里さんが・・・。」
「あーあ・・・。バカだな・・・。おねーちゃんの気持ちに全然気付けなくて・・・。」
「愛さんなら、笑顔にできるって勝手に思い込んで・・・。でも、本当はずっと傷付けてた・・・。」
「愛さん、どうすれば良かったのかな? カリンの言う通り、そっとしておけば良かった? それとも、スクールアイドルにならなければ良かったの・・・?」
「そんな話、意味ないわよ。」
「ショックなのは分かるわ。でも、オンラインライブだって近いんだから、しっかりしなきゃ! あなたのファンが待ってるわよ?」
「できない・・・。」
「え?」
「できないよ! 楽しい事を教えてくれたおねーちゃんをアタシが傷付けた・・・。そんなアタシがスクールアイドルなんてできないよ!」
「本当にやめるつもり?」
「分かったわ。じゃあ、代わりに私がステージに立ってあげる。」
「愛のファンをごっそりいただくチャンスだもの! きっと美里さんも魅了されて、ファンになっちゃうわね?」
「嫌だよ! そんなの!」
「おねーちゃんやファンのみんなをカリンに取られちゃうのはヤダ!」
「でも、スクールアイドルやめるんでしょ?」
「だったら、やめるのやめる!」
「だって、アタシ、アタシ・・・、本当はスクールアイドル、もっともっとやりたいよ!」
「それが、あなたよ!」
「え?」
「誰も傷付けないなんて、そんな事、できる人いないわ。それでも、太陽みたいにみんなを照らせる笑顔が、あなたにはあるでしょ?」
「せいぜい頑張りなさい。」
「待って!」
「愛さんと一緒にステージに立ってほしい!」
「私はそういうの興味ないって言ったでしょ?」
「ううん。気持ちを合わせるとかじゃなくて・・・。仲間っていうか、ライバルとして、同じステージに立って、同じ歌で競い合おうよ!」
「アタシに火をつけてくれたカリンとなら、すっごいライブができる気がするんだ!」
「だから!」
「競い合う・・・。そんな形があるのなら、面白いかもね!」
「受けて立つわ! 愛!」
「うん! 負けないよ!」
そして、後日・・・、
「ごめんね、愛ちゃん・・・。あんな事言って・・・。」
「自分がなくしたものを愛ちゃんが、みんな持っているように思えて・・・。自分がみじめで・・・。」
「せめて謝りたくて、ここまで来たけど・・・。やっぱり、無理だよ・・・。」
「りなりー?」
「大丈夫・・・。愛さんなら大丈夫・・・。」
「ありがとう!」
「行ってきます!」
『皆さん、こんにちは! 私達、DiverDivaです!』
「今日は、ここにいるみんなも、画面の前の向こうのキミも、全員魅了してあげるわ!」
「みんなー! 楽しむ準備はできてるー?」
「できてない人いるんじゃないの?」
「でも、大丈夫! 愛さんの中には、小さい頃からもらってきた沢山の楽しいがあるから、それを今からみんなにあげる!」
「明日から一歩でも進んでみようって思えるような最高のライブをするから!」
「だから、ここにいるみんな! 配信を見ているみんな! 笑顔になる覚悟は決まった?」
「逃がさないわよ!」
「会場に来てくれるなんて思わなかったよ!」
「身体が、勝手に動いちゃったの! 胸が苦しいくらいにドキドキして、心が動き出して、楽しかった!」
「私、愛ちゃんのファンになってもいい? 愛ちゃんのライブ、すっごく笑顔になれて、頑張る力がもらえるから!」
「うん!」
「これからも、いい勝負ができそうね。」
「そうだね!」
「でも、それだけじゃなくて・・・。」
「ありがとう!」
その後日・・・、
「美里さん。」
「果林ちゃん!」
「やっぱり興味あったんですね。」
「うん。今から勉強しなきゃいけないけど。」
「遅いなんて事ないですよ。どんな事だって。」
「実はね、今の私の目標は、果林ちゃんなの。」
「え?」
「果林ちゃんみたいに、愛ちゃんと切磋琢磨できる人になりたいんだ。」
「負けないからね!」
「望むところです!」
~ エンディング後 ~
「すごい盛り上がりでしたね。」
「当然よ! アタシのライブだもの!」
「ランジュを見ていると、やはり人は、それぞれ適性に合ったステージにいるべきだと思います。」
「栞子!」
「ただいま! 久しぶりね!」
「姉さん・・・。」
今回は、これで終了です。
【まとめ】 ※今回も、かなり長いです。長文苦手な方は、ご注意下さい。
今話は、果林と愛のユニット「DiverDiva」(ダイバーディーバ)が結成され、ライブまで披露されました。
QU4RTZの2話構成とうってかわって、1話構成で終わったのは意外に感じました。まあ、考えてみれば、DiverDivaの人数は、QU4RTZの半分ですので、キャラ掘り下げなどにかける時間は半分程度で済むでしょうし、1話構成で終わっても不思議ではないですかね。
それに、前々話、前話では、果林と愛の2人っきりによる会話シーンがあり、ユニット結成の伏線にもなっていたでしょう。となると、ユニット結成までの時間にじっくりかけちゃうと、「尺稼ぎ」と言われかねないでしょうから、1話構成で早々と話を終わらせるのが良いのかもしれませんね。
DiverDivaは、果林と愛がお互いをライバルとし競い合う事が大きな特徴ではありますが、このニジガクアニメでもしっかり表現されていたと思います。
Aパートでは、ボウリングやゲーセンなどで遊んでいた時は競い合いながら楽しんでいるところが見られましたし、Bパートでも、果林が愛の代わりにステージに立つと言って、愛のやる気に火をつけたりと、このユニットらしいな、としみじみ感じましたね。
挿入歌「Eternal Light」についても、キレのあるカッコ良いダンスシーンが披露され、かなりの見応えを感じました。さすが、可愛いよりも「カッコ良い」とか「イケメン」といった言葉が合う子達だけあるな、と思いましたね。
また、今話を語るにあたって、愛の姉的な存在・川本美里を忘れてはならないでしょう。今話をすごく面白くしてくれた良キャラだったと感じています。
やりたい事に一生懸命な愛に対して無力感を抱いていたのは、我が子が自立して親離れしていく時に感じるものに似てますかね。美里にとって、愛は、いつも自分を頼ってくる可愛い妹。そんな印象が強いのでしょう。それも、愛が幼い頃は、泣き虫で人見知りの弱い子だったと思うと尚更でしょうね。
それが、少しずつ、笑顔の絶えない人当たりの良い明るい子へと変わっていき、さらに、やりたい事まで見つけてしまえば、妹の成長に嬉しさを感じる一方、自分の保護はもう不要だと思い込んでしまい、寂しさも抱くでしょう。しかも、病弱で入退院を繰り返している身となれば、やる気十分な愛と比べて自分は何もできないと、弱気に感じてしまうのも仕方のない事だと思います。
ですが、仕方ないで終わらせてしまえば、この先の長い人生をただただ無為に過ごしていくだけ。それじゃ駄目でしょう。
愛のやる気に対して劣等感は抱いても、愛の元気な姿を見るのは嬉しいですし、これからも愛を応援したいと思うのは、紛れもない事実。だったら、それを糧に、前に進む事だって不可能ではないと思います。
そうは言っても、愛の進むスピードと比べると、自分はゆっくりだとネガティブに感じたりするかもしれません。ですが、他人は他人。自分は自分。他人に無理に合わせようとせず、自分のペースで進む事が大切ですよね。
Bパートラストでは、DiverDivaのライブを見て、海外で働いてみたい気持ちが再燃しました。そのために勉強すべき事は沢山あり、夢が実現するまで相当時間がかかるのかもしれませんが、焦り過ぎは禁物。物事の習熟ペースは人それぞれでも、大事なのは、諦めない事ですね。
人は、みんな違って、みんな良い。それが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の特徴であり、今話のゲストキャラ・美里からもそう感じる事ができたのは、すごく良かったな、と思います。
あと、大きく印象に残った演出が2つほどあります。
1つ目は、愛達がゲーセンでゲットしたパンダのキーホルダーが後日、愛や美里の鞄に付けられていましたが、ユニットライブ開始前は、たいてい、そのパンダが、背中が見える裏向きだった事。その時は、愛も美里も、互いの気持ちがすれ違っていて、互いに向き合いたくないとか、向き合ったら何か悪いことが起きるかもしれない、などと思っていたでしょう。あの裏向きパンダは、愛と美里の関係のトーンダウンの役目を上手く果たしていたと思います。
ですが、DiverDivaのライブを見て、美里が愛に今の楽しい気持ちを伝えた時は、お腹が見える表向きになっていました。愛に向き合いたい気持ちが強く表現されていて、これも良い演出でしたね。
2つ目は、果林と美里が話していた時に描かれていた飛行機雲。Aパートでは2本、Bパートでは3本描かれていました。
Aパートでは、前に伸びていく飛行機雲と、まったく伸びない飛行機雲が描かれていましたが、これは、前者は愛、後者は美里を表していたでしょう。あの時は、やりたい事を見つけてどんどん前に進んでいる愛に対し、美里はもう何もできないんじゃないかと劣等感を抱いて停滞してましたし。
Bパートでは、かなり前に伸びている飛行機雲2本に向かって、1本の飛行機雲が前にグングン伸びていましたが、こちらは、前者は愛と果林、後者は美里を表していたでしょうね。これまでは無力感の大きさゆえ前に進めなかったのが、愛や果林に負けたくないくらい、やる気が出て、前に進みたい気持ちが湧いてきたのですし。いつか日本を飛び立ちたい事も、あの飛行機雲演出にかかわっているでしょうね。
さて、次回は、歩夢、しずく、せつ菜のユニット結成の話になるのでしょう。1話構成で終わるかどうかは分かりませんが、次回も目一杯楽しみたいと思います。
今話の感想は、これで以上です。この記事へのコメント、トラックバックは、こちらにお願いします。