自分の場合、モチーフを見て描く場合は色を沢山の種類使いがちである。これは、明暗と光(光線の色、モチーフの輪郭線に起こる現象、その他光によって起こる現象など)と影、意図的に絵作りを行う上で恣意的に作る画面上の表現や効果(効果線、視線誘導、立体感の表現、遠近感の表現、パースの表現など)、印象、モチーフや画面に対しての感情、その時の自分の感情を画面上で表現しようとした為である。
自分はカマイユ技法やフォカマイユ技法以外の明暗を付けづにモチーフを描くのがまだ苦手意識がある様だと思った。面取りや平面構成に近い表現は少しなら出来るが、まだまだ初心者の域を過ぎないと思った。
モチーフや現実的な風景にデフォルメや脳内でイメージした意図的な表現を組み合わせて絵画を面白くしたいと思ったこともよくあった。計画を立てて下描きやエスキースを作ってからやらないと上手く行かないことが多いのでやろうと思ったが、時間と手間とお金と材料が掛かり大変だと思って億劫で面倒臭く感じて、実際に描くに至っていない作品は多くある。
実際にモチーフを見て描くと色々なことを考えたり意識したりする為に考えたり集中したりすることが増え、画面やモチーフ、絵の主題に対しての意識や集中力や意図の様なものがバラバラになり、絵を見ている人からしてみればこの絵は何を表現しているのかや何か表現したいのかがよく分からない、ということがよくあったし、今も陥ることのある悩みの一つでもあった。
抑々(そもそも)、自分は絵で表現したい物事やテーマや主題、メッセージなどを最初から持っていた訳ではなかった。正直、絵を描く時の動作が楽しいとかテクニックが上達していくのが楽しいとか色が綺麗に塗れたり色の隣り合いや重なり合いによって組み合わさった色が変化していくように感じるのが楽しいとか形の変化や種類を知るのが楽しいとか自分や他の人達の絵を見たりそれらの絵について知るのが楽しいとか綺麗な線や思っていた線を引けるのが嬉しくて楽しいとか、絵を描く楽しさややり甲斐としてはそんなところである。
通っていた画塾の先生に作家性があるとか作家に向いていると言われた事があり、油画専攻が向いているからということで油画専攻を専攻した。
メッセージ性や伝えたいことが無いから絵を描いたり作品として仕上げるモチベーションには繋がらず、作家には向いていないのではないかと悩み、不安になったこともあった。
しかし、美術の世界は分からないことだらけなのでやっている内に新しいことが分かったりメッセージ性を持たないスタイルの作家もありかもしれない若しくは悪くないかもしれない、と言う変な希望が芽生えたことにより、再び作家を目指すことに前向きになれた。この希望はあって良かったのかもしれない。色々と悩んで苦悩したり苦労したこともあったが、この考えに行き着けて良かったと思った。絵を描くことを嫌いにならずに済んだし、この考えはおそらく最終地点では無いけど絵を描くことだけでも色々なことを試行錯誤出来るほどまでには幼少期と比べると成長出来たのだから。
最近は自分の絵のテーマの様なものが憶測や推測を過ぎないが見つかった。今までの悩みであったメッセージ性の問題に対して一筋の希望の光が見えた瞬間である。この出来事を糧としてこれからも精進し、作家として前進し続けていきたい。
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