歌う狸ブログ

街角狸マニアがあらゆるマニアについて歌う「マニアソングス」誕生秘話

現代に生きるナヤンデルターヌ人

2020-06-01 00:00:01 | タヌキソングス
NHKスペシャル「人類誕生」に感銘を受けて作ったタヌキソングがあります。3回シリーズの2回目、「最強ライバルとの出会い、そして別れ」という回でしたが、絶滅した最後のネアンデルタール人がその大きな脳で何を考えていたのだろうか?みたいな問いかけがありました。その答えは誰にも分かりませんが、もし今もネアンデルタール人が生きていたら、今の世の中はものすごく生きづらくて悩んでるだろうなと思ってしまったのがきっかけでした。そこからは、悩んでるネアンデルタール人、私などはさしずめ半狸人ですので、ナヤンデルターヌ人だな、となってタイトルが生まれました。



今現在地球上に生きている人類は我々ホモ・サピエンスだけですが、かつてその最強のライバルだったのがネアンデルタール人と言われています。屈強な体格で脳味噌も大きかったネアンデルタール人が何故絶滅して、小柄な人類だったサピエンスが生き残ったのか、興味が尽きません。(我々のDNAの中にネアンデルタール人のDNAも少し受け継がれているそうですが。)番組では気候変動による食糧事情を主な原因にしていたように思いますが、実際にはもう少し血生臭い要因もあったのかもしれません。
 
 
大ベストセラー「サピエンス全史」によりますと、地球上の全動物の中で唯一サピエンスだけが虚構を産み出し、想像上のものを語る能力によって集団が団結でき、個の力では勝るネアンデルタール人に打ち勝ったのではないかとしています。考えてみると我々の国も会社も全て人間が考えた虚構の上に成り立っていますので、もし自分が現代に生き残った虚構を理解出来ないネアンデルタール人だと考えるとゾッとします。そんな気持ちになる必要は全くないのですが、お時間がありましたら下の再生ボタンからお聴き頂けたら幸いです。



新時代のジャグバンド-The Worthless-祝新譜リリース!

2020-05-07 21:23:00 | タヌキソングス
The Worthlessの新譜「愛の色」が発表されました!!

やりました!やったね!おめでとう!
え、なんのこと?と思った皆様はこちらをご覧ください。


ワースレスは下北沢を中心に活動する歌うヒゲと踊るマリオネットのジャグバンドで、ギターボーカルの鷲見くんとは「猫見豪とむらたぬき」というユニット名で曲を作って第五回日本タヌキレコード大賞に選ばれた仲です。




ワースレスのマスコット、踊るマリオネットの「トートン」に憧れて作ったのが狸のマリオネット「タヌキマリオ」でした。


そんなワースレスがコロナの時代に放ったダウンロード限定ミニアルバム「愛の色」ですが、私はいきなり度肝を抜かれてしまいました。これまで幾度となく演奏を聴いてきましたが、それはどこからどう聴いても伝統的なジャグバンドのスタイルにのっとった演奏でした。(注 洗濯板を叩いてリズムをとり、バンジョー、ウクレレ、ギターをかき鳴らし、カズーでソロをとる。)PAは頑なにノンリバーブ、ましてやマイク無しの完全生音で演奏することもある生粋のライブバンド。

ところがこのアルバム「愛の色」では馴染みのアコギのストロークに続いて聞こえてくるのはたっぷりとリバーブを効かせたボーカル。さらに深い深いリバーブをかけたエレキギター。ミュージカルソー(ノコギリ)や完全打ち込みのリズムトラックもあったかと思うと、やはり最後は聴き慣れたアコースティックスタイルに戻ってくる。

今のご時世なかなか集まってライブもレコーディングも出来ないという、どのバンドにとっても苦しい状況だと思いますが、そんな中でもリモートワーク(例のGarageBandですよ)でトラックを交換し、バンドサウンドを拡張したワースレスの貪欲さはすごいと単純に尊敬してしまいました。考えてみるとジャグという音楽はもともと手近にあった日用道具(デカいビンや金タライ)を楽器として活用して始めた音楽だったそうですが、今の時代、一番手近にある道具はスマホに入っているGarageBandなのかもしれません。そんなことで新時代のジャグバンドとして新たな一歩を踏み出したThe Worthless。皆様も是非一度お聴きください。(ワースレスの楽曲はこちらから購入出来ます。)

日本タヌキレコード大賞はありまーす!!

2020-04-29 13:01:05 | タヌキソングス
月刊マニアブログフェスタ4月号

全30名のマニアが一斉にブログを書きまくる企画「マニアブログフェスタ」ですが、当ブログも参加させて頂いております。そのマニアブログフェスタ内の注目記事を主催の別視点スタッフさんが紹介する「月刊マニアブログフェスタ4月号」が配信されました。


ブログと連動した出品サイトMarchelに出品中のタヌキCD「化かされたなら」をご紹介頂きましてありがとうございました!

日本タヌキレコード大賞受賞!

でも、私は言いたいですね、ちょっと待ってくれ齋藤さん!と。日本タヌキレコード大賞が架空の賞だと思ってたんですか!!架空じゃないですよ、リアルですよ!

2017年末の感動の受賞の瞬間が記録されていますのでご覧ください。


リアルな証拠にちゃんと表彰状もpdfで送られてきましたよ!!

発表を待つリアルなドキドキ感と受賞後のコメントはこちら!!!


どうですか!!!!!架空の賞じゃないことがお分かり頂けましたでしょうか!!!!!!!

「化かされたなら」スタジオ版

つい興奮して「!」が多くなってしまい失礼しました。レコ大がリアルかどうかはさておいて、折角出来たタヌキソングを形にしておきたくて取り組んだのが前回お話したGarageBandによる録音です。この当時はとにかく一人多重録音が初めてで楽しくなってしまい、結果的にバンドではなく自分一人でドラム以外の全楽器を演奏して録音するスタイルになりました。バンド村田食堂の凄腕バンジョー奏者山本さんが作った化かされ感満載のイントロフレーズをギターでコピーするのが一番大変でしたが、こうしてスタジオ版「化かされたなら」が誕生しました。
(SoundCloudでご試聴頂けます。)


この「化かされたなら」も入ったオリジナルタヌキCD全7曲入りはマルシェルから通販でご購入頂けますので、よろしければ是非記事下のリンクからご覧ください。

歌う狸のコラボ祭り

そんなこんなでタヌキCD残りの曲の紹介や、ジャケットデザイン秘話なんかも今後紹介していきたいと思っていますが、このブログのもう一つのテーマは他のマニアさんとのコラボです。

セカンドアルバムとして製作した「マニアソングス」というアルバムは10人のマニアの世界観を歌に込めた作品で、こちらの収録曲も今後ご紹介していきたいと思います。マニアの皆さんは世の中を変わった見方で見ているので曲のアイデアが次々に湧いてくるんですよね。これからもどんどんコラボさせてもらって曲を作っていきたいなと思っていたところ、電飾マニアのタナゴさんから早速コラボのお誘いがありました。同じくマニアブログフェスタに参加されているタナゴさんは先日、令和サイバー歌謡「電脳街道ひとり旅〜A・KI・HA・BA・RA〜」というオリジナルソングを発表されたのですが、楽曲も映像も完璧にサイバーな世界観が作り込まれていて素晴らしい作品でした。この歌を歌ってみて欲しいというお誘いで、なんとボーカリストとしてコラボさせて頂くことになりました。オリジナルのボカロっぽい歌がものすごくサイバー感があるので、どうやって歌おうか悩みましたが、歌い込みを重ねるうちに気分が盛り上がってしまい、ものすごい熱唱になってしまいました。この曲Bメロから先が特に歌詞の意味が全く分からなくて最高に気持ちいいんですよね!(褒めてます!)タナゴさんコラボ企画もこれから色々な方が参加されるようですので楽しみです。




スマホで簡単作曲術-GarageBand超入門

2020-04-23 21:26:11 | タヌキソングス
前回はどうぶつの森「たぬき島」からお届けしましたが、今回は現実世界からスマホを握りしめてお届けします。皆様にも是非スマホを片手に読んで頂きたいと思います。

初のタヌキソング「化かされたなら」を作って以来、タヌキソングを含めて色々な曲を作曲してきましたが、それらは全て無料ソフト「GarageBand」で作っています。GarageBandはiPhoneやiPad、Mac PCに最初から入っているアプリですが、使わない人にはおそらく一度も開いたことのないアプリだろうと思います。(しかもiOS版は立ち上げた瞬間に横画面で固定になるので、間違って開いてしまった場合には閉じ方が分からなくなって思わず舌打ちしてしまうことでしょう。)でも使ってみるとめちゃくちゃ簡単に曲が作れてしまうので、是非一度お試し頂きたいと思います。ということで、今回は全く楽器も機材も使わずに30分で1曲作ってみましょう!楽器が弾けなくても出来ますのでよろしければお付き合いください。

たんたんたぬきの・・・を録ってみよう!

ということで何の曲を作ろうか考えましたが、「たんたんたぬきの・・・」でお馴染みのタヌキソングをやってみたいと思います。この曲は子供の遊び歌として各地でローカルな歌詞がある歌です。一番有名なのは「たんたんたぬきの金○は、風もないのにぶーらぶら」というやつでしょうか。この曲は元々なんと「Shall We Gather at the River」という聖歌だというので驚きです。日本には明治時代に伝わり、「流水天にあり」という題名がつけられつけられたそうで、現在では「まもなくかなたの」という訳詩で歌われています。

ちなみにコード進行は

C-C-G-C
C-C-G-C
F-C-G-C
F-C-G-C

という16小節の構成になっています。

早速GarageBandを開いてみましょう

お待たせしました。まずはGarageBandを開かないと始まりません。スマホからGarageBandという赤いギターのアイコンを探してみましょう。(今回はiOS版GarageBandバージョン2.3.8で解説します。iPhone/iPadをお持ちでない方は申し訳ありません!)


Garagebandを開いて「曲を作成」を押すとKEYBOARD、DRUMSなどのアイコンが並んだ画面が出てきます。



ここで録音する楽器を選びます。今回は最初にKEYBOARDを入れてみましょう。KEYBOARDの枠の左下にあるSmart Pianoを触ります。



するとこんな感じで一番上にGとかCとかコードが並んだ画面が出てきます。試しに好きなところを押してみるとコードに対応した和音が流れます。これを押すだけでピアノが全く弾けなくてもコードが鳴らせてしまうのですから素晴らしい発明です。もしもピアノが弾けたならなどと嘆く必要はありません。

次に曲の設定をしておきましょう。スマホだと小さいので見にくいですが、右上に「+」マークがあり、これを押すとソングセクションという画面が開きます。



セクションAの横に「8小節>」とあり、初期設定は8小節でループするようになっているのですが、8小節のところを触ると「セクションの長さ」という画面が開きます。



最初から作る曲の長さが決まっていれば「マニュアル」の横の数字を触っていくと小節数を変更することが出来ますが、決まっていなければ「自動」の横にあるスイッチをオンにしてみましょう。これで曲の長さを気にせずに作曲出来ます。(今回は16小節でやってみます。)



尚、右上の歯車マークを押すと曲のテンポやキーを選択出来ます。今回はデフォルト設定(テンポ110、キーCメジャー)でやってみます。

それでは早速ピアノパートをレコーディングしてみましょう。赤い丸ボタンを押すとカウントに続いて録音がスタートします。何を弾いても絶対にコードから外れた音が鳴ることはありませんので何の心配もありません。





とりあえず弾き終わったら停止ボタンを押します。再生ボタンを押すと今録音した音を聞くことが出来ます。上の段の左から三番目のアイコンを押すとピアノが最初のトラックとして記録されているのが分かります。



頼れるドラマーを誘ってみよう

次はこのアプリの醍醐味、バーチャルドラマーを召喚してみましょう。先程の画面の左下にある「+」ボタンを押すと最初の楽器選択画面になります。ここでDRUMMERというアイコンを押すと、今録音したピアノに合うようにバーチャルドラマーがいい感じにドラムを叩いてくれます。流石に生のドラマーのように痒いところに手が届くドラムは叩けませんが、どんな時でもパッと現れてリズムを入れてくれる頼れるやつなのです。



リズムパターンやフィルの多い少ない等、細かい調整はこの画面で出来ます。



あとは好きな楽器を好きなだけ入れるだけ

ここまで来たらあとは自分の感性に従ってひたすら楽器を足していくだけです。ピアノやギター等の弾き方は先程のようなコード弾きの他、単音で弾くことも出来ますし、Autoplayでいい感じにリズムを刻んでくれるモードもあります。私のお気に入りはWORLDカテゴリにあるErhu(二胡)と中国の鳴り物です。STRINGSのAutoplayを入れてゴージャスに仕上げましょう。






今回は全11トラックを重ねました。


それでは私が作ったバージョンをお聴きください。皆様も時間を持て余した時には是非スマホ作曲をお試しください。長らくのお付き合いありがとうございました。



ついに誕生!初タヌキソング「化かされたなら」

2020-04-02 20:19:11 | タヌキソングス
ポンポコと音頭という2大タヌキソング要素をあっさり放棄して曲作りに着手した私でしたが、やはりどうやってもタヌキらしい曲は生まれません。
そんな時、ふと立ち寄った道の駅で一冊の薄い本に出会いました。


ふと立ち寄ったというのはかなり端折ってしまいましたが、この道の駅というのは徳島県三好市にある道の駅大歩危でした。
四国は狸伝説が色濃く残る土地で、狸スポットが山のようにある聖地です。(狸好きにとっては。)
そんな聖地巡礼の途中に立ち寄ったのが大歩危でした。
(ちなみにトップ画像は大歩危近くの祖谷渓谷に立つ超開放的な小便小僧です。)

この本はこの道の駅発行ということで、一般の書店には並んでいないようですので、この出会いはまさに奇跡でした。

おもしろ やましろ たぬき話

さて、内容ですが、この本には65個のリアル狸化かされ話が収録されています。
しかも体験者の実名付きなのがリアルで、中にはなんども化かされている人もいます。
何となく不思議な出来事があって「あれは狸に化かされたのかな」と思うことはあると思いますが、実際に狸に化かされた人の証言を直に聞くことができる機会は貴重です。

化かされ方もくすりと笑えるものからかなり恐ろしいものまであるのですが、
特にお気に入りのエピソードは、女性に化けた狸につられて行方不明になり、翌日満身創痍で見つかったおじさんの話と、夜釣りをしていたら急に岩場に汽車が止まったと言い出して岩を押しはじめたおじさんの話です。
もちろん女性や子供が化かされたエピソードも満載ですし、狸が畑仕事を手伝ってくれた、みたいな話も載っています。
それでもやはり化かされるおじさんの話が気になってしまうのは、自分がおじさんだからでしょうか。

不可解なことや忌むべきことが起きた際、その正体を狸のせいにして、いつまでも悩んだり、恐れたりしないというのが厳しい自然の中で共同生活を営む人々の生活の知恵だったのではないか、あとがきの中で筆者の下岡先生は、何故この地に狸話が語られてきたのかについてこのように考察されています。

化かされたなら

そんな狸話からインスパイアされて作ったのが初のタヌキソング「化かされたなら」です。
考えてみると「騙される」というのはネガティブな言葉ですが、「化かされる」という言葉には人知を超えた力に対する諦めとおかしみが感じられる気がします。
心のどこかで化かされて現実世界から逃避したいと思っているのかもしれません。
上手くいかないことが多い世の中ですが、全て狸に化かされていると思えばやり過ごせるという意味と、なんでも狸のせいにして反省しない人(自分)ってどうなの?という自戒を込めて歌詞を考えました。
2017年7月の初演の時の録音が残っていますのでお聴き頂けたら幸いです。


化かされたなら(作詞作曲むらたぬき)

街の灯りに誘われて
腹鼓でも打ちながら
飲めや歌えの大宴会
気がつきゃ一人徳利かかえ
暗い夜道を歩いていたら
物陰手招き美女の影
抱き寄せてみたは良いものの
お尻の尻尾は隠せない

化かされたならしかたなし
化かされたならしかたなし

今日から俺も大金持ちと
あり金集めて出かけたが
狸にゃ馬は当てられぬ
お札が木の葉に早変わり
これではねぐらに帰れない
飛び乗ったのは狸列車
あっちへ行ったりこっちへ来たり
化かされ狸は帰れない

化かされたならしかたなし
化かされたならしかたなし

そうこう楽しく過ごしてきたが
このごろ君の姿が見えないと
はては遠くあの山の
そのまた先のその先の
極楽とやらに行ったのか
いつか世界がまどろんで
目の下のクマもふくらんで
君との大事な思い出も
全部忘れてしまっても
もう誰も気にしない
世の中すべて化かしあい
世の中すべて化かしあい

化かされたならしかたなし
化かされたならしかたなし