映画は観る人の好みがあり、みな自分にとっての最高の映画があるだろう。しかし万人が認める史上最高の映画というのはなかなか決められるものではない。
一方でハリウッドでは史上最低の映画については共通の見解がある。それはエド・ウッド監督による「Plan 9 from Outer Space」(プラン9・フロム・アウター・スペース)だ。
エド・ウッド (「Plan 9 from Outer Space」DVDの解説とWikipediaをもとに編集)
1924年10月10日、ペンシルバニア生まれ。22歳で海兵隊を除隊後、演劇に興味を持ち巡回ショーの一員となる。1948年に「The Casual Company」という芝居の脚本・演出・製作・主演を担当するが失敗に終わる。同年「The Street of Laredo」という短編西部劇で映画界デビューするはずだったが、ラッシュを観たプロデューサーがあまりの内容のなさに怒り手を引いてしまったため、未完成・未公開に終わる。ハリウッドで仕事を探す毎日を送っていたエド・ウッドは落ち目の存在だったベラ・ルゴシと出会い、彼のネームバリューを前面に押し出して「グレンとグレンダ」(1953)を監督する。
自身が最高傑作と信じた「プラン9・フロム・アウタースペース」に全く買い手が付かず、それどころか彼のフィルムを営業していたプロデューサーが疲労と絶望のうちに死んでしまう。この事態にはさすがのエド・ウッドも打ちひしがれ、アルコールに依存、酒浸りの生活を送るようになった。1978年12月10日に他界。
この作品はとても凝っており、特に「Plan 9 from Outer Space」のシーンを見事なまでに再現しており驚かされる。(従って「Plan 9 from Outer Space」→「エド・ウッド」の順で観たほうがいい)
オリジナルの映画にそこまでの価値があるとは全く思えないが、それほどティム・バートン監督のエド・ウッドへの思い入れは強いようだ。ジョニー・デップが演じるエド・ウッドに思わず感情移入してしまった。