そして田中賞の歴代受賞作品をみていくと、「関門橋」(1973年)、「大鳴門橋」(1985年)、「瀬戸大橋」(1988年)、「横浜ベイブリッジ」(1991年)、「レインボーブリッジ」(1993年)、「東京湾アクアブリッジ」(1997年) など、日本の国土開発の歴史を感じることができる。一方で茨城県のサザンヤードカントリークラブ歩道橋や、兵庫県のローズウッドゴルフクラブのBridge of Rなど私的な橋梁も技術の高さが評価されて受賞している。
一方で、土木と建築の両分野を包含する国際的な学会であり1929年に設立されたIABSE (International Association for Bridge and Structural Engineering 国際構造工学会) も2000年から「Outstanding Structure Award」を表彰している。過去数年以内に完成した最も驚くべき、革新的、創造的、または刺激的な構造を表彰するものだ。
全世界の土木・建築・両部門からの選出であり、しかも最優秀賞(Winner)は1作品、優秀賞(Finalist)も数作品と極めて難易度が高い。(2009年以前は区別なしで1~3作品)
しかし日本からは、2000年のキーエンス本社ビル、2002年のMiho Museum Bridge、2010年のモード学園スパイラルタワーズ (優秀賞)、2015年のあべのハルカス (優秀賞) と多くの受賞がある。 Miho Museum Bridgeは2001年土木学会デザイン賞の優秀賞とのダブル受賞となる。