世界各地で依然として続く紛争は領土をめぐるものが多い。その際に単純に「当該国がその地域の主権を共同で持てばいいのではないか」という考えが生まれるだろうが、それはもちろん簡単なことではない。
2つまたはそれ以上の国家が同等の主権を行使することを「共同主権」と言うが、歴史上はけっこう事例がある。比較的新しいものとして1906年から1980年までイギリスとフランスによって共同で管理された「共同統治領ニューヘブリディーズ」(英語: New Hebrides Condominium フランス語: Condominium des Nouvelles-Hébrides) が挙げられる。この島は18世紀にイギリス人とフランス人の両方によって植民地化されたが、英仏共同統治とする形で設置されたものである。