「海と毒薬」(遠藤周作著:講談社文庫)
1958年の作品、戦争末期に九州大学付属病院で実際に起こったアメリカ兵捕虜に対する生体解剖事件をモチーフとした小説、数ある遠藤作品の中でも代表作の一つとして数えられる本です。
解剖時の様子や関わった人たちの心の描写が、とてもリアルで思わず目を背けたくなりました。極限状態であった背景はあるにしても、残虐な行為に対する思いはどうであったのか、それらを含めて人間の良心とは何か等、根源的に考えさせる力を持っていると思いました。
まなもく、発表60年を迎える作品ですが色褪せていませんでした。閉塞感が強い現代にあって、人の生き方はどうであるべきか。歴史の事実を押さえた上で、ぜひ多くの人と考えたいものです。
お勧めの一冊です。
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4062769255
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