「18歳からの民主主義」(青井未帆/大山礼子他33名執筆、岩波新書編集部編:岩波新書)
「1票には変える力がある。憲法、景気、雇用、教育、社会保障等々、問題山積みの日本社会。その社会を1票が変えるかも知れない。その道の達人たちが、的を絞ってやさしく解説。18歳から101歳まで、あらゆる世代の熱いメッセージも集めた、自分の意思を社会に生かすためのガイドブック」(BOOKデータベース要約)と紹介されていました。
読み手に合わせて変化のできる優れものだなと、まずは思いました。初めて投票に臨む人にとっては、自分の関心に沿っての刺激を与えてくれるだろうし、投票を呼びかける人たちににとっては、相手の関心に合わせた話しをする素材の一つになります。全てのメッセージではありませんが、さらに理解を深めるためのオススメの本も紹介されており、続けて考えていくことができるようになっています。今までにないくらいに、付箋をたくさん貼って読みました。
さらにここに付け加えるとするなら、選挙に関する情報へのアクセスや投票方法に関する様々な制約(例:点字版選挙広報が制度化されていない、在宅投票の対象者制限が大きい等)についても、現実にある問題として取り上げて欲しいですし、多くの人にも知ってもらいたいと思いました。
日本の民主主義をめぐる状況は危機的であるし、昨年来その危機はさらに進行しています。でもあきらめない運動が大きく進んでいる状況があり、参議院選挙を前にこの本が出された意味は大きいと思います。ぜひ、たくさんの方に読んでいただきたいと思います。
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4004315999
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