ブーゲンビリアのきちきち日記

神奈川の米軍基地のある街から毎日更新。猫と花と沖縄が好き。基地と原発はいらない。

オーマイニュースの記事

2009年03月29日 09時13分17秒 | 日韓市民記者交流会
オーマイニュースの記事は、これからすべて消去されるので、ここで載せたいと思います。2007年3月に書いた記事です。カテゴリは米軍基地にすべきかオーマイにすべきか迷ったけれど、残念な気持ちをこめてオーマイにします。




「静かな空を返して」 住民は黙っていない

厚木基地爆音訴訟 第4次提訴へ


小牧 みどり(2007-03-01 07:58)


海上自衛隊機 (撮影者:小牧みどり)
 厚木海軍飛行場(厚木基地)は、神奈川県の厚木市にあるのではなく、大和市、綾瀬市、海老名市にある。それなのになぜ、厚木基地というのか、「大和基地」と言いにくい事情でもあるのだろうか。

 そんなことを思いながら、先日、厚木基地の飛行場のそばまで行ってみた。

 夕暮れ、寒くなってきたので帰ろうとしたそのときだった。聞いたこともない爆音がやってきた。海上自衛隊の飛行機だ。写真では大きく撮れなかったけれど、実際はものすごく巨大な物体が、頭の上を低空で飛んできた。なんとも言えない恐怖を感じた。

 日の丸がはっきり見えた。戦争と無縁であれば、この飛行機の形は美しいと、正直わたしは思う。しかしこの飛行機は、平和に暮らしている日常に不気味な影を落として去っていった。

* * * * *

 厚木基地爆音訴訟という裁判がある。

 「静かな空を返して」。政府の責任を追及し、基地問題の抜本的見直しを求めて、1960年に地域住民が立ちあがった。厚木基地爆音防止期成同盟(爆同)が基地周辺住民の純粋な市民運動として結成され、それ以来46年間、闘い続けてきた。

 今までに、3つの裁判がある。

 第1次訴訟は、1976年9月に提訴され、1995年12月に最高裁判決が出された。原告92人だった。

 第2次訴訟は、1984年10月提訴、1999年7月東京高裁判決。原告161人だった。

 第3次訴訟は、1997年12月提訴、2006年7月東京高裁判決。原告5047人だった。(いずれも提訴時)

 第3次訴訟は実に、8年7カ月に及ぶ裁判だったが、ついに、予想以上の勝利判決を勝ち取った。国は上告を断念し、住民に対して40億円の補償をしなければならなくなった。

 その原告団事務局長として闘ってこられた藤田栄治さんに、厚木基地爆音訴訟のこれまでと、第4次訴訟のこれからについて、お話を聞く機会に恵まれた。

 「40億円というとすごい額のように思われるかも知れないが、1世帯あたり1カ月3000円、1日にしたら100円、これで我慢しろと言うことですよ。飛行差し止めは敗訴で、騒音は変わらないんですよ。スーパーホーネットの配備で、騒音の質が変わってきただけですよ。人によってはヘリの騒音のほうがうるさいと感じる場合もあります」

 藤田さんはいう。

 たしかに、神奈川県相模原に住んでいるわたしも、ジェット機よりもヘリの騒音のほうがうるさく感じるし、こわいと思う。ジェット機はうるさくても時間は短い。ヘリは低空で今にも墜落しそうで、いつまでもうるさく、精神的にイライラさせられる。今年1月中旬、相模原市役所上空を15機のヘリが編隊を成して飛んでいるのを見たときは、映画のシーンか、ここは、かつてのベトナムかと、わが目を疑った。

* * * * *

 日米政府により昨年5月1日、在日米軍の再編が最終合意された。この「米軍再編」は、厚木基地の騒音解消のためになされたわけではない。厚木基地にある米軍の空母艦載機を59機、岩国基地に移駐させ、かわりに岩国基地の海上自衛隊機17機を厚木基地に配備するのは、爆音解消のためではない。なぜなら、マスコミのインタビューに答えて在日米軍厚木基地の司令官は言っている。「厚木基地は横須賀の空母艦載機との即応態勢の維持のため、重要な施設だ」と。

 横須賀の原子力空母母港化をあわせて考えると、厚木基地の重要性は変わらず、住民の負担が軽減されるとは思えない。また、艦載機の整備は厚木基地で行われており、岩国基地へ移駐したあとも、整備は厚木基地でやることになる。格納庫の返還もない。米軍機の爆音が軽減される確かな保障はない。自衛隊機の追加配備は爆音の通年化、基地の恒久化につながる。

 現在の自衛隊機の飛行回数だけでも、年2万5000回から2万8000回になる。騒音度は85デシベルを超える。さらに、岩国基地から自衛隊機が移駐してきたらどうなるか。岩国から来ると予想される17機のうち4機はジェット機で、厚木基地に常駐配備の自衛隊機20数機も2008年以降は逐次ジェット機化すると予想される。

 第3次訴訟で勝訴したといっても、爆音は変わらないどころか、「爆音」の被害地域は広域化している。防衛施設庁は昨年1月、滑走路を軸として南側の藤沢市、北側の東京都町田市などで騒音地域(住宅防音工事の助成対象区域)を拡大した。

 第4次訴訟団準備委員会委員長でもある藤田栄治さんは「これからの訴訟は、爆音問題だけでなく、反基地、平和運動として輪を広げていきたい。民事でなく行政訴訟を起こすことも検討している。数は力です。原告を7000人以上にして、損害賠償を求めていきたいと思っています」と言う。

 わたしは早速原告になりたいと申し入れたが、原告適格というのがあり、誰でも原告になれるわけではない。数字で75デシベル以上の騒音地帯の住民が原告適格になる。

 藤田さんの「数は力」という言葉が、印象に残った。満開の白梅に、いつもの季節より早めの春のような風が吹いていた。第4次原告の募集は今年3月から7月の予定です。秋口の10月ころに提訴できればと考えているそうです。


 【参考資料】第3次訴訟東京高裁判決の要旨(抜粋)
 被告・国は、厚木基地周辺における騒音状況が悪化しているにもかかわらず、外交交渉などによる、厚木海軍飛行場の国外への移転や、騒音の廃絶等の抜本的な対策について、努力した形跡は全くない。国民の生命身体の安全を図ることを基本的な義務とする、その立場からすれば、あまりにも無為無策であって、騒音等の加害行為を維持継続しているその態度は、ほとんど故意による侵害行為というべきである。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ミリ飯級DDG)
2009-03-29 21:02:30
まあ、次世代戦闘機に期待するのですな。ステルス化が進めばある程度は静かになるので。F/A-18シリーズは本当に五月蝿いので当分待てば良いでしょうに。それと、北朝鮮の弾道ミサイルはどうでしょうねー。過ぎるのか、はたまた国内に落ちるのか。
返信する
Unknown (take)
2009-03-29 23:12:48
>「大和基地」と言いにくい事情でもあるのだろうか。
 いくつかの説があるようですが、あなたは何でだと思います?

>これからの訴訟は、爆音問題だけでなく、反基地、平和運動として輪を広げていきたい
 論点を広げるから話がまとまりにくくなるのではないのでしょうか?基地との共存を前提に騒音被害の軽減を求めていくのが現実的だと思うのですが?
返信する
さっそくきましたね (ブーゲンビリア)
2009-03-30 00:07:03
ミリ飯級DDGさま
北朝鮮のミサイル、どうでしょうねえ・・アメリカの指示待ち?かなあ・・

takeさま
大和基地じゃ米軍基地じゃないみたいだからですか?教えてください。
論点を広げて原告が増えていますが何か?
返信する