城犬のおいど

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武蔵国 稲付城

2024-08-13 08:32:39 | 城館
武蔵国 稲付城 <イナツケジョウ>
別称なし
城郭種別城郭
縄張り平山城
築城者太田道灌
築城年不明
廃城年不明
主な城主太田氏
指定史跡都指定
住所東京都北区赤羽西
[Google] [地理院地図]
城址碑あり
現地案内板あり
スタンプ
現存建造物なし
復元建造物なし

概要
稲付城跡は現在の静勝寺境内一帯あたりに太田道灌が築城したといわれている戦国時代の砦跡です。
1987年に静勝寺南方面で行われた発掘調査によって、1582年頃に普請されたとみられる城の空堀が確認されました。
また、静勝寺に伝存する「静勝寺除地検地絵図(1687年)」には境内や付近の地形のほか、城の空堀の遺構が道として描かれており、稲付城の城塁配置を推察することができます。
この付近には、鎌倉時代から岩渕の宿が、室町時代には関が設けられて街道沿いで三方を丘陵に囲まれた土地に、エドジョウと岩槻城を中継するための山城として築かれたのです。
太田道灌の死後、この城には孫の太田資高が隠居し、後に後北条氏に使えました。資高の子康資は後北条氏の家臣として岩淵郷五ヶ村を所領しました。
1655年に太田道灌の子孫太田資宗は静勝寺の堂舎を建立し、道灌とその父資清の法号にちなんで寺号を自得山静勝寺と改めました。その後も江戸時代を通じて太田氏は、太田道灌の木造を安置する道灌堂や厨子を造営するなど静勝寺を菩提寺としていました。

城址碑


静勝寺東山門

参道

道灌堂

右手の道灌堂の厨子には、太田道灌の坐像が安置されています。像は、道灌の命日である7月26日にちなんで毎月26日に開扉されます。道灌堂は道灌の250回忌にあたる享保20年(1735)7月に建立され、厨子は350回忌にあたる天保6年(1835)7月に製作されました。
太田道灌(1432~1486)は室町時代の武将で、扇谷上杉家に仕えて30余度にも及ぶ合戦に参加したといわれますが、長禄元年(1457)4月に江戸城を築いたことで知られています。像は頭を丸めており、道灌が剃髪した文明10年(1478)2月頃から同18年に没するまでの晩年の姿を映しています。体には胴服を着けており、左脇には刀一振が置かれています。正面を向き、右手で払子を執って、左手でその先を支え、左膝を立てて畳座に坐しています。像高は44.5センチ、構造は檜材の寄木造りです。頭部は前後二材矧ぎで玉眼を嵌入し、差首としています。胎内に納入されていた銘札によると、元禄8年(1695)静勝寺第6世の風全恵薫によって造立され、以後、6回の修復が施されました。現在の彩色は、昭和62年(1987)4月に行われた修復によるものです。像は、道灌が没してから二百年以上もの後に造立されたものではありますが、その風貌を伝える唯一の木像として大変に貴重で、平成元年(1989)1月に北区の指定有形文化財に指定されました。
※現地看板より



本堂


山門

稲付城は跡は、武蔵野台地北東部の標高21m程度の舌状台地先端上に立地する自然地形を利用した中世の城館跡です。文化・文政期の地誌「新編武蔵風土記稿」にも「堀蹟」として登場します。
現在静勝寺が所在する平坦面に主郭があったと考えられています。北面と東西面は崖面で、南側は台地が続き平坦な地形になっています。周辺からは、発掘調査によって幅約12m、深さ約6mの空堀の跡等が検出され、その際に16世紀前半頃の遺物が出土しました。
静勝寺には室町時代の武将、太田道灌の木造坐像が所蔵されています。寺伝によれば、城はこの道灌による築造とされています。今のところ築城した人物を特定する明確な根拠はありませんが、荒川を前面にひかえ北方の防御を重視した城の構造と、発掘調査の成果などから、南側に勢力をもった扇谷上杉氏にかかわりのある城館であったと推測されます。道灌が扇谷上杉氏の家宰であったことから、道灌築城の可能性も考えられます。
※現地看板より

静勝寺の坂


2019/6訪問

周辺地図

※ 当サイトの地図は、主郭等の城の中心部にロケーションを置いておりますのでご注意ください。
※ 城址等は、私有地になっている場合もありますので、有権者の確認を行うなどをし他の人の迷惑になるような行為はやめましょう。
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