「ねえ、この後キモチイイ事しない?」
薫子は妖艶な笑みを浮かべて俺を誘惑した。
でも俺はその誘いを受け入れられなかった。
理由は分っている。薫子がそういう誘いをする時は絶対にカネの話だからだ。
「いやぁ......いいよ。今はそういう気分じゃないし」
「あら、珍しいじゃない。貴方って女の子ならだれかれ構わずガッツくタイプなのに」
「いや......本当にいいから」
黒いスーツ越しに豊満な身体を密着させてくる薫子の誘いを受け流し、俺は玄関の扉を開けて外をブラつくことにした。
公園に差し掛かった時、1人の男に呼び止められた。
ナルシストの龍一だ。
「オウ、さっき薫子と一緒に来たんだけど、アイツお前の家に行ってなかった?俺ちょっとトイレで髪セットしててさぁ」
相変わらずマイペースな男だ。
誰も気にしやしないのに髪型のセットに余念がないんだから。
「そういえば、この前の話考えてくれたか?出資して欲しいって話」
「いや......」
以前会社を退職して独立したいという相談を受けていた。
それだけではなく、俺に出資をして欲しいという。
ファッション系の事業を起こしたいとのことだったが、上手くいく気配はない。
薫子も龍一も学生時代からの腐れ縁ではあるが、正直言ってもう距離を置きたいと常々思っている。
「額が額だし、もうもうちょっと考えさせてよ」
そこで拒否できない自分の優柔不断さが嫌になる。
俺は逃げるように公園を後にして近所の神社まで足を運んだ。
「あ......こんにちは」
神社に差し掛かると、箒を持った巫女装束の少女に声をかけられた。
近所に住んでいる芳子だ。
「あの......この前は勉強教えていただいて......ありがとうございます」
近所との仲は良好で家に上がらせてもらうことがよくあるのだが、その兼ね合いでたまに芳子に勉強を教えることがある。
芳子は要領も良いため、こっちも教えていて楽しい。楽しいのだが......
「あの......あのぉ......良かったらまた今度......色々教えてください」
芳子が顔を赤らめながら小さな声で俺に呼びかける。
完全にただ勉強を教えてほしい顔のそれではない。
勉強を教えているうちに学校の授業にはない"色々"を教える間柄にまで発展してしまったのだ。
薫子の言うように女の子には見境がないのかと我ながら嫌になる。
「あの......私色々覚えますから......好きな事一杯......していいですから」
聞いているだけで恥ずかしくなるようなセリフをこちらに投げかけてくる。
ふと彼女の方をちらっと見ると、箒を持つ腕の手首には切り傷の跡が見え隠れしていた。
「うん......そうだね。また機会があったら......うん」
歯切れの悪い回答をしながら、俺は逃げるように神社を後にして駅に向かった。
駅に向かうと溜息をついて電車を待つ。
昨年は流行りの病気の影響で、ついに天涯孤独の身になってしまった。
両親から受け継いだ金や不動産などの資産はあるが、どうにも心に隙間が出来たような気持ちなる。
そして、遺産目当てにその心に土足で入ってくるような会社の同僚たち。
近所には依存的で自傷癖のある少女。
会社でも自宅でも人間関係で悩ましい事がここ最近立て続けに起こっている。
何より、面倒臭かろうがそういった人間関係を断ち切れず、天涯孤独を恐れている自分が存在している。
また、自身の心の中に潜むドロドロした欲望。
その欲望に身を任せて、金絡みが前提と知りながら薫子とは何度も関係を持ってしまったし、ロクな結末になるわけがないと自覚しつつ、芳子の身体を貪った。
そして、この期に及んでもこのドロドロした欲望は満たされない。
先人たちが何故淫らな行為を禁じたのか。その理由が分かる気がする。
一度この刹那的な快楽を知ってしまうと、その底の深さは計り知れない。抜け出せない。
そんな事を思いながら、俺は歓楽街へと足を運ぶ。
今日は性感マッサージをしようか、ソープに行こうか。
いや、両方行くという手もあるな。風俗をハシゴするのも悪くはない。
もう何でもいい。俺は快楽に身を任せて気持ち良くなりたいのだ。
という所で目が覚めました。初夢の話です。
なんちゅうインモラルな初夢みとん俺は......頭おかしくなったか。
多分今年起こるであろうイベントに対する不安感もあるのか、それとも深夜につけっぱなしにしていた映画の影響か。
まあなんだ、俺プラトニックなヒューマニストだからさ。信じてくれよ。こんな夢あるわけないやんな(笑)
オウなんだその目はコラ。やんのかタココラ。
謹賀新年。
旧年中はお世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。
薫子は妖艶な笑みを浮かべて俺を誘惑した。
でも俺はその誘いを受け入れられなかった。
理由は分っている。薫子がそういう誘いをする時は絶対にカネの話だからだ。
「いやぁ......いいよ。今はそういう気分じゃないし」
「あら、珍しいじゃない。貴方って女の子ならだれかれ構わずガッツくタイプなのに」
「いや......本当にいいから」
黒いスーツ越しに豊満な身体を密着させてくる薫子の誘いを受け流し、俺は玄関の扉を開けて外をブラつくことにした。
公園に差し掛かった時、1人の男に呼び止められた。
ナルシストの龍一だ。
「オウ、さっき薫子と一緒に来たんだけど、アイツお前の家に行ってなかった?俺ちょっとトイレで髪セットしててさぁ」
相変わらずマイペースな男だ。
誰も気にしやしないのに髪型のセットに余念がないんだから。
「そういえば、この前の話考えてくれたか?出資して欲しいって話」
「いや......」
以前会社を退職して独立したいという相談を受けていた。
それだけではなく、俺に出資をして欲しいという。
ファッション系の事業を起こしたいとのことだったが、上手くいく気配はない。
薫子も龍一も学生時代からの腐れ縁ではあるが、正直言ってもう距離を置きたいと常々思っている。
「額が額だし、もうもうちょっと考えさせてよ」
そこで拒否できない自分の優柔不断さが嫌になる。
俺は逃げるように公園を後にして近所の神社まで足を運んだ。
「あ......こんにちは」
神社に差し掛かると、箒を持った巫女装束の少女に声をかけられた。
近所に住んでいる芳子だ。
「あの......この前は勉強教えていただいて......ありがとうございます」
近所との仲は良好で家に上がらせてもらうことがよくあるのだが、その兼ね合いでたまに芳子に勉強を教えることがある。
芳子は要領も良いため、こっちも教えていて楽しい。楽しいのだが......
「あの......あのぉ......良かったらまた今度......色々教えてください」
芳子が顔を赤らめながら小さな声で俺に呼びかける。
完全にただ勉強を教えてほしい顔のそれではない。
勉強を教えているうちに学校の授業にはない"色々"を教える間柄にまで発展してしまったのだ。
薫子の言うように女の子には見境がないのかと我ながら嫌になる。
「あの......私色々覚えますから......好きな事一杯......していいですから」
聞いているだけで恥ずかしくなるようなセリフをこちらに投げかけてくる。
ふと彼女の方をちらっと見ると、箒を持つ腕の手首には切り傷の跡が見え隠れしていた。
「うん......そうだね。また機会があったら......うん」
歯切れの悪い回答をしながら、俺は逃げるように神社を後にして駅に向かった。
駅に向かうと溜息をついて電車を待つ。
昨年は流行りの病気の影響で、ついに天涯孤独の身になってしまった。
両親から受け継いだ金や不動産などの資産はあるが、どうにも心に隙間が出来たような気持ちなる。
そして、遺産目当てにその心に土足で入ってくるような会社の同僚たち。
近所には依存的で自傷癖のある少女。
会社でも自宅でも人間関係で悩ましい事がここ最近立て続けに起こっている。
何より、面倒臭かろうがそういった人間関係を断ち切れず、天涯孤独を恐れている自分が存在している。
また、自身の心の中に潜むドロドロした欲望。
その欲望に身を任せて、金絡みが前提と知りながら薫子とは何度も関係を持ってしまったし、ロクな結末になるわけがないと自覚しつつ、芳子の身体を貪った。
そして、この期に及んでもこのドロドロした欲望は満たされない。
先人たちが何故淫らな行為を禁じたのか。その理由が分かる気がする。
一度この刹那的な快楽を知ってしまうと、その底の深さは計り知れない。抜け出せない。
そんな事を思いながら、俺は歓楽街へと足を運ぶ。
今日は性感マッサージをしようか、ソープに行こうか。
いや、両方行くという手もあるな。風俗をハシゴするのも悪くはない。
もう何でもいい。俺は快楽に身を任せて気持ち良くなりたいのだ。
という所で目が覚めました。初夢の話です。
なんちゅうインモラルな初夢みとん俺は......頭おかしくなったか。
多分今年起こるであろうイベントに対する不安感もあるのか、それとも深夜につけっぱなしにしていた映画の影響か。
まあなんだ、俺プラトニックなヒューマニストだからさ。信じてくれよ。こんな夢あるわけないやんな(笑)
オウなんだその目はコラ。やんのかタココラ。
謹賀新年。
旧年中はお世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。