グラントマト社長の日記 《健康と環境の先進地域キラメキ福島をつくろう!》

グラントマト株式会社 南條 浩の公式ブログ です。

規模拡大と自給率について

2023年03月08日 | 新着NEWS
穀物生産は、適した土地で規模拡大を進めることが、企業経営において大切な戦略ですが、日本の自給率の向上につながるかといえば、良く検証しなければなりません。
数十ヘクタールの耕作面積を誇る生産者が珍しくなくなってきましたが、それと同時に耕作放棄農地も増えています。それは、中山間地であったり傾斜地であったり、規模拡大には適さない土地がそうなっているのですが、現在、大規模経営に適さないそのような土地から生産される穀物は30~40%を占めるのではないでしょうか?
今のような規模拡大だけに頼った食糧安保政策を進めていると、栽培方法や栽培品種などの改善で穀物生産が増加する要因を加算しても、10~20%の生産量が落ちるような気がします。
国民の胃袋を満たすために、多額の農業予算を使用し、穀物増産をするはずが、逆になってしまうという皮肉な未来が待っていると思います。


これは生産者の責任ではありません。やはり国土に合ったグランドデザインを描けない国策の失敗だと思います。
日本の国土は80%が山林と言われます。その山林に接した土地の多くは穀物生産の規模拡大に向かない土地ですが、そこに具体的な政策を長期的に行う覚悟が必要です。
日本の飼料穀物まで含めた自給率は28%前後です。今の豊かな食生活維持しようとしたら、足りない72%の何割を国内生産で賄うかを考えれば、どういう条件の農地までを活かすべきか答えは明白です。
しかし、そういう条件の良くない農地は何の施策も講じなければ生産活動を行う人はいません。
農政が今まで否定してきた、兼業農家の重要性を見直す時期に来ているのだと思います。兼業農家に穀物自給率向上の協力をしてもらおうとすると、60㎏あたり15,000円~18,000円の単価が必要であり、これが地方再生対策であり食糧安保対策なのだと思います。
これを経済合理性にマッチしないという考えもあるでしょうが、国策としては食糧で人の命を守るほうがはるかに優先順位が高いのです。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 為替 | トップ |   

新着NEWS」カテゴリの最新記事