直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

ドライブ:榛名山 後編

2008年10月20日 | 旅行
昨日の話の続きです。


それから道行きでスーパーに寄り、
お菓子とパンを購入。
わたしにとって地方と都会の一番の差は、
『食べるものを売っているかいないか』です。
たとえば東京の片田舎といえど、
うちの近所では、そこらへんをすこし流せば
コンビニもあるし、食べ物屋チェーンの
お店があって、適当に食事できます。
でも田舎は。コンビニもなければ
食べ物屋さんすらないところがあります。
あっても夕方五時で閉まって、
夕食にすらならないというところも
普通にあります。過信できません。

普段なら名物料理うんぬんという友達も
ここら近所にはなにもないそうで
ずいぶんとあきらめた顔をしていました。
なんでもすこし離れれば、
なんだかうどんとかいうものが
いちおう名物だったらしいのですけど。

なぜわたしは外で食べ物屋に入るのが
嫌なのかとそのときすこし考えたのですが、
どうやら慣習にあるみたいです。

たとえば田舎のお店は、まず
健在なのか、つぶれているかの見分けができません。
次に、健在で現在営業中なのか、
健在だけど現在準備中なのかがわかりません。
それから、よそものが入っていいお店なのか、
だめなお店なのかがわかりません。

入って行って、
「もうやってないよ」とか
「まだ時間じゃないよ」「もう店じまいだよ」とか
「よそものは帰れ!」とか
言われるんじゃないかと、
知らず知らずに考えているので、
わたしにはお店に入るのがすごいストレスです。

うまく入っても、もしかしたら一皿三千円も
するようなお店だったらどうしようとか、
お店ならではのルールがあったらどうしようとかを
考えると、本当に怖くてたまりません。
どちらかと言えば、『そのお店に入って、
生きて出られるのか否か』という
問題に直面するのがとても嫌です。

個人的にはメニューもよく見えず、
よく選べもしないまま対面であせらされて
注文させられるマクドナルド系もすごく苦手です。
メニューがあって好きなだけ選んでから
注文のために人を呼ぶ、
ファミレス形式がいまのところまだ楽です。
一人では怖くて入れませんけど。

というわけで、選ぶ→手にする→持っていって
自分の番が来たらお金を払う→自分のものになる
というコンビニ形式が一番楽でいいです。
料金が先払いなら、なにかあった際は
購入済み、未購入にかかわらず
品物を置いて非難すればいいのですが、
料金後払いで食べているときに何か起こったとして、
非難のために逃げ出したら犯罪になります。
……世の中は憂鬱でいっぱいです。


それはさておき。
わたしは夕食にと思ってパンを買いました。
いつもドライブの夕食は、
どこか見かけたら買おうなんて言いながら
なにも見つからずに飢えたまま帰るという
まずしい食生活なので、
これを防ごうと思ったのです。
そうしたら、友達も実はそう思っていたのだとか。
最近友達もだんだん懲りてきています。

そのまま結構乗っていたら、山に入りました。
道はくねくね、対向車が嫌な感じです。
R=15くらい、半径15mくらいのカーブが
いくつも折り重なる、山道です。
てっぺんに展望台でもあれば、
いい景色になるのになんて言っていたのですが
そんなものもなく。
ただ、遠い山の先になにか人工的なもので
ツノができているのが見えました。

◆◆画像08-10-19_008◆◆


せっかくだからああいうところに
言ってみたいと言うと、
それが目的のロープウェーでした。
いやおうなく気分も高まります。

でもそこに向かっているとき、
なんだかとても景色のいいところに出ました。
山・原っぱ・道。
なかなかの景色です。

◆◆画像08-10-19_009◆◆



とてつもなくわくわくしてきたので、
車を降りて歩いてみました。
山のせいか風はひんやりしていて、
そばにはすすきもあって
今日いちばんの風景です。
そんな中にいると胸の底から
『わあーっとした気分』がわきあがって
うれしくなります。

そんな景色に一つでも会えたら、
ドライブはもう成功と言えます。
今回のドライブは成功です。
友達もそう思っていたようです。

足は立っていたくないほど
がくがくしていたのですが、
すこし歩いてみました。
友達も「車をとめておいて歩いてみる?」
と訊くくらいでした。

わたしは向かう先は知っていたので、
車は友達にまかせて、
車が追いついてくるまで歩いてみました。
横の林からはどんぐりもいっぱい落ちていて、
歩く傍で、がさがさという音が
たびたび響いていました。
こういうのが秋の音なのかもしれないと
いい気分で歩きました。

それから、ロープウェー。
たしか到着したのが三時半くらい。
前は時間が遅くて乗れなかったものです。
乗る前にちらっと見たら、
そばのお土産やさんが
もうお店を閉めようとしていました。
さすが田舎です。

それは後にして、まずはロープウェーです。
こんな田舎なのでいつ終了するかわかりません。
窓口がどこかわからず、
もう終わってるのではないかと思ったものの、
まだやっていました。そしてすぐに発車でした。

車から見たロープウェーは、
山の急勾配をさっくりつないでいて、
これは前回逃したこともあって
すごい景色かもしれません。

◆◆画像08-10-19_010◆◆


そんな期待をしながら登っていくと――
中腹より上は、もやの中でした。

◆◆画像08-10-19_011◆◆


本当にすごかったです。
いつかどこかの山の上で
歩けそうな雲が下のほう一面に、
というのとは違って、
どちらかといえば五里霧中です。
景色は何一つ見えませんでした。
高いところに登ったとき用に、
今回は安い双眼鏡も用意したのに
がっかりです。

◆◆画像08-10-19_012◆◆


でもとりあえずはそばに道を見つけたので
もっと上を目指します。
ロープウェーがあるような大きな山は
もともと山岳信仰の対象であることが多く、
そのため真の頂上には祭るためのなにかが
もうけられていることが多いのです。

途中で道が二手にわかれていたので、
もしかしたら片方がはずれかも
しれないと思いながら友達とそれぞれを辿ります。
わたしのほうには途中左手側に、
別のルートがありました。

頂上の祠は近年になって作ったような新しさで
ちょっと興ざめでした。
そこからの眺めも、もはや白いもやしか見えず
いろいろがっかりでした。
せっかくなので、足は怪しいですが
わき道に行き、すこしいったところにある
石碑を見て、ロープウェー乗り場に戻りました。

結構寒かったので、なにかあったかいものでも……
とちょっと思って、ようやくそこには
何もないことに気づきました。
今までは乗り場にはたいていお土産屋さんがあって
待つ時間は退屈しなかったのに。

それから下にいき、お土産屋さんをひやかし。
さてどうしようかと話したところ、
車を運転してみる? と訊かれました。
そういえば前ここに来たときには
車を返す時間に追われたか何かで
やめておいたのでした。

そう訊かれたらわくわくし出して
多少心配はありましたが、
運転してみることにしました。
免許は常に携帯しているわたしです。

運転席に座り、ブレーキを踏んで、キーを回し。
サイドをさげて……シフトをどこにいれればいいか
わかりません。前進だからforwardあたりかなあと
見つめるのですが、それらしい文字はありません。
結局は教えてもらって、ドライブのDに合わせて、
ブレーキを離せば発進です。

車が進みだします。
ハンドルを切るとそっちのほうに動いていきます。
こんな大きいものが動くんだなあと
なんだか感慨深いものがありました。
――と書くと無免許運転してるみたいですが、
ほんとにちゃんと免許はあります。

とりあえず後ろから来る車はないので、
横から人や車が出てきて巻き込むことがないことを
特に気をつけました。
出ようとしているところに二台ほど
乗り物が来たのですが、
どういう動きをするのかがわからないので
全部見送り。
それから向かいの駐車場まで行ってみました。

せっかくなのですこし、ただぐるぐる回り、
そこからブレーキの練習。
親友の運転はやさしいですが、
友人のブレーキはがっくんがっくんして吐きそうです。
それは踏み込みかたにあるのだそうで、
練習してみました。

すこしわかってきたので、そこから外へ。
広いまっすぐな道のすぐさきに駐車場があったので
そこに入ります。
車がわたしの操縦で動いているということに
とてつもなくわくわくしていました。

駐車場も終わり際のせいか、
ほとんど車がいなかったので、
通路をぐるぐる回り。
今度は駐車の練習をしてみました。
前は運転が怖かったのですぐに友達に
変わってしまいましたが、今回は広い上に
ちょっと慣れています。

前に行って――後ろに戻ろうとして、
どっちに切ればいいのかわからなくなって、
ハンドルが何回まわっているのかわからなくなって。
あとはふと思い出して車のバーを見ながら
入れてみようと思ったら、
車の先っぽには車体認識用の
バーが立っていなくて。
しかもラインを見ようと
左に振り返っていてもどうにも見づらくて。
実はそれは、いつも助手席だったので
駐車ラインを見るのは左だったという癖で。
本来は右から見るものだったという、
いろいろな発見もありました。

ぴったりだと思って駐車しているのに
結構幅があいたりと、なかなか車体感覚というのも
難しいものだと思いました。
せっかくなので運転する勇姿を写真に撮ってもらいつつ、
そこそこ満足したので車を降りました。
できれば湖の周り一周したいところでしたけど。
終わってから写真で時間を見直したら、
結構やっていたと思ったのに15分程度でした。

それからはそばの、榛名湖に立ち寄りました。
なかなかきれいな景色でした。

◆◆画像08-10-19_013◆◆


横には木で作った道があって、
足はへとへとながらも、
どこまで続いてるか試してみたいという
好奇心に半分までしたがったのですが、
道の上にぼぞぼぞと蚊の大群がいたので
あきらめて逃げ帰りました。

◆◆画像08-10-19_014◆◆



山のいただきはもやのなか。
◆◆画像08-10-19_015◆◆




その後は結構近くにあるので、
伊香保へいきました。


◆◆画像08-10-19_016◆◆


高根展望台より。下に見えるのが伊香保。

二十四時間やっているとなん言いける
温泉、というか銭湯に行ってひとっぷろ。
温泉饅頭もおみやげに購入。
家へ向かいました。

途中高速で、流している歌が
知らないものに突入したところで、
気がついたら二度ほど寝ていました。
友達も、運転中に多少の危機を
迎えたらしく、もしだめなら
さっき練習したこともあって、
わたしにハンドルを任せるつもりだったとか。

いつも運転手が友達だけなので
あまり遠くへも無茶もできませんが、
わたしも運転できたらもっと選択の幅が
広がるようです。
運転してみたら結構面白かったので、
わたしも普通に車に乗れるように
なってみたいです。


観光地としてはほとんどどこにも行っていませんが、
結構たのしいドライブになりました。
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