直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

難升米と難斗米と元のよみかた

2020年10月10日 | ちょこのひとかけ
気分転換にといわゆる魏志倭人伝をひさしぶりに眺めたら、
読める名前が増えていることに気づきました。

いわゆる魏志倭人伝に出ている日本関係の名称は、
今思われている漢字に対する読みがかなり違うものがぼちぼちあります。
本来どういう読みで、どういう意味なのかというのは、
古代神道関係で説明できるものがすくなからずあります。


代表例は卑弥呼です。
これは今一般にヒミコと読まれていますが、そんなわけはありません。
卑弥呼は名前を変えて今にも通じる神になりますから、
ヒミコであるわけがないのです。
つまり、読み方が違います。

それに伴い、卑奴母離。
今はこれをヒナモリかなにかと読みますが、そんなわけがありません。
卑弥呼がヒミコでないのですから、
卑奴母離がヒナモリになるわけもありません。

根拠もない思い込みをする人は、
卑奴母離の卑奴は『鄙びた』の鄙をあらわすのだと言っているようですが、
交流拠点の対馬が、鄙びているわけがないでしょう?

それに、卑弥呼は日巫女としたがりますが、
そういう人は卑弥弓呼の存在を無視します。
卑弥呼が日巫女だとしたら、
男の卑弥弓呼は、日巫弓女でしょうか? 意味がわかりません。

卑弥呼は日巫女ではありません。
それは、神道における卑弥呼の神名からしても明らかですし、
神道を知らずとも、卑弥弓呼の存在を考えても明らかです。
つまり、解釈が間違っているのです。


というのを踏まえて。

古代神道におけるもろもろを調べた後だと、
いわゆる魏志倭人伝には、古代神道がらみの名称が
ぼちぼち出てくるのだとわかりました。

たとえば伊聲耆掖邪狗。
学校で習ったころや、神道の研究をする前は
何がなにやらといった文字列ですが、
神道の研究で古い文字を読み、神の名前を調べたあとだと
漢字をどう読めばいいかは普通にわかります。

伊聲耆+掖邪狗。
古代神道にはほぼそのままの読みが登場します。
本拠地や氏族もわかるレベルの人物です。


それに、難升米。
いわゆる卑弥呼の元にいて、戦いでも活躍した、
重要な地位にいた人物だということですから、
その周辺で関連する人間を考えると――
当てはまる名前は、ひとつしかありません。

……が。漢字と読みがあからさまにおかしいのです。
神道側、日本側からすると、その人物しかいないのに、
中国側からすると、読みも違う漢字が当てられているという矛盾。

この矛盾はなぜ起こるのかぼちぼち調べていたのですが
最近になってようやくわかりました。
どうも難升米の本名は、中国皇帝にとっては
許しがたい名前だったようで、
そのため、読みどころか漢字も変えて記載したようです。

たとえば――と言っても、いい例が浮かびませんでしたが、
韓国人が、日本の天皇のことを『日王』と呼ぶようなものを
考えるのがわかりやすいと思います。

日本の使者の一人が、「わたしの名前は天皇です」と言ったのに、
天皇という名称を嫌った相手が、その言葉を残したくなくて、
記録に『日王という者が来た』と書いた感じです。

ですから、『難升米』をなんと読むか、なんて考えることに
まったく意味はありません。
『難升米』なんて人物は存在しませんし、
『難升米』なんて発音にまったく意味はありません。
単なる本名を嫌った置き換え名称の侮蔑なのです。


本当か? と思う人は、いわゆる魏志倭人伝の

  張政等 因齎 詔書黄幢 拜假難升米 爲檄告喩之

の文章をまず訳してみてください。

この文章を注釈もいれずに訳せたら――
その訳は、完全な間違いです。

この文章の異常性にも気づかないような人、
すなわち、古文の解読法も知らず、
文章をまともに読めないような知識薄弱の人が、
何を言っても害悪にしかなりません。

他人を疑う前に自分の知識不足を恥じて、
知識を蓄えてから口を開いてください。

魏志倭人伝は、この箇所以外にも
古文の読み方を知らなければまったく意味が変わってしまう箇所が
いくつもあります。
古文の読み方を知らない人が、
漢字の正しい発音や元の漢字などを復元できるわけがないのです。


というのはさておき。
『難升米』とは何か、を考えたいのであれば、
まずは、本名が何であったかを考えたほうが早いでしょう。

いわゆる卑弥呼のそばにいて、
卑弥呼から頼られる人物。
これは、邪馬台国がどこにあって、
そばにはどういう国があったのか、
神がいたのか、を合わせて考えることでわかります。

当時、大臣クラスの力のある人物で、
かつ、邪馬台国あたりを本拠地として、
さらに、卑弥呼のそばにいられたような人物なんて
そんなに数はいないのですから、考えればわかるはずです。

もしわからないのであれば、
それは、魏志倭人伝の解釈を誤り、卑弥呼の名前の読みを間違え、
邪馬台国の場所を間違えているためです。

いわゆる魏志倭人伝に出てくる地名から、
現在残っている地名にこじつける以外で、
邪馬台国の場所をはっきりと示すことができれば、
わかるようなものです。

『難升米』の一族からは、現在まで続く、
結構有名な神様も出ていますから、
古い神道を知っているだけでも
『難升米』が誰で、どう読むのかもわかるはずです。


とにかく、古文の現代語訳を見るに思うのは、
漢字の読みがめちゃくちゃだということです。

卑弥呼もそうですし、卑奴母離もそうですし、
邪馬台国もそうですし、かの有名な印、
『漢委奴国王』もそうです。
『漢委奴国王』は『かんのわのなのこくおう』などではありません。
すくなくとも、古い神道を根拠にすれば、元の読み方はわかります。


とりあえず、いわゆる魏志倭人伝の誤りをただし、
邪馬台国や卑弥呼などの正しい読み、
邪馬臺国がどこにあったか、
卑弥呼は現在の神道ではなんという神様になっているか、
などを説明するシリーズを書き始めてみました。

興味があればどうぞ。

・古代神道が語る邪馬台国 第01巻



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