直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
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漢字の呪い 漢字の弱点

2015年09月25日 | ちょこのひとかけ


字で意味をあらわし、読みもあらわす。
漢字とはなんて便利なものだろう……と思うこともありましたが、
最近、漢字はものすごく危ないものだと思うようになりました。

簡単に言えば、『漢字は呪われている』と思うのです。
そしてそれが弱点であると。

たとえば、この世に漢字しかなかったとして、
カカオで作ってどろどろにしたものを甘く固めて、
バレンタインにもっとも多く流通する、
あのお菓子を漢字の当て字で思いつくままに書いてみてください。

たとえば音を漢字で表して、こう書いてみます。

 『貯庫冷凍』(ちょこれいとぅ)

これは音を漢字で表してみただけのものですが、
これを見たら、別のものが伝わらないでしょうか?

たとえば、庫に貯蔵ができて、冷凍してもうまい、と言うような。


このように、漢字は音に対して、
ただの音で返すということができない文字です。
絶対、表現したら『意味を付け加えてしまう』という呪いにかかっています。

カタカナで『チョコレート』と書けば、
『なんか意味はわからないけど、チョコレートという読みのものなのだな』
と思えますが、
漢字で『貯庫冷凍』と書けば、
『たぶんチョコレートは庫に貯蔵ができて、冷凍するようなものなのだな』
と思ってしまうはずです。
ここに、漢字の弱点のひとつがあります。

もうひとつは、たとえば『貯庫冷凍』は、
本当に『チョコレート』と読むのか、という問題です。

『貯庫冷凍』は、
もしかしたら、『ちょっくられいとう』だったのかもしれません。
もしかしたら、『ショコラ レイトウ』かもしれません。
もしかしたら、『チョグラ ヒエゴール』かもしれません。

漢字は一文字一音の原則がないために、
並び方や使い方、時代によって読みが変わり、
その読みの常識がなくなると、読みを復元できないのです。
これが漢字の弱点の二つ目です。


もし、この漢字文化がいつか滅びて、
未来の人が漢字文章を見たとしても、
意味を見出すことはできるでしょうが、
おそらく、読みがわからないでしょう。

漢字はとても危ない文字です。
小説などには漢字の横に読みのルビーが振ってあることも多いですが、
あれは今思うと、とてもすばらしいことだと思います。

古文書や古い文書が読みにくい、あるいは読めないのは、
漢字を使っているせいなのが大きいです。

漢字は決して合理的なものではありません。
公文書などでは後の世にも伝わるように、
漢字には必ず表音のルビーを配しておくべきだと、
古い文書とひたすら対峙して思いました。
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