Hugっとに初代のふたりが
登場したことが話題になったが
同時にえみるとルールーの関係にも
大きな進展がみられた
果たしてアンドロイドであるルールーの心は
どう変化したのか
引き続き考えていきたい
前回の考察ではルールーを変えたのは
「好き」すなわち「愛」であると結論づけたが
初代が登場した22話ではルールーとえみるの愛
敵であるパップルさんの愛の
2種類の愛が描かれていた
えみるとルールーは
互いを傷つけたくない想いから
すれ違いが生じてしまった
だが互いの気持ちをぶつけ合うことで
より愛を深めることができた
対してパップルさんは愛していた人
に裏切られ絶望に陥る
きっとあの人なら止めにきてくれる
そんなかすかな希望さえも叶わず
結局自分がオシマイダーに
なってしまったのである
…ルールにとってはかつて自分を
傷つけた元上司であるパップルさん
だがオシマイダーになり、なおも苦しむ
彼女をみて最初に救おうと試みたのは
他でもないルールーであった
そしてルールー&えみるとパップルさんの
対話の中に愛についての1つの結論が
見えたように思える
「私は嘘というものがよくわかりません
ただわかるのは、あなたがそんなに
苦しむほどに人を愛したということです
そこに嘘はないはずです
あなたはすべてを失ったわけでは
ありません、あなたにはまだ
人を愛する心があります」(ルールー)
「愛する心を持ち続ければ
必ず誰かに届きます
愛は無敵なのです」(えみる)(22話)
この二人の言葉は何かもを失い
絶望に陥ったパップルさんに生きる希望を与えた
忘れてはならないのはパップルさんは
ルールーの記憶を一度消そうとさえした
張本人であるということである
彼女のこの姿勢はイエス・キリストのいう
「敵を愛し、迫害するもののために祈れ」
という精神そのものではないだろうか
思えば最初にミライクリスタルが
生まれたときえみるもルールーも
決してひとりで変身しようとはしなかった
あんなに憧れたプリキュアなのに
「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ」
自分の夢と同じくらい大切なのは相手の夢
それを実践したふたりだからこそ
愛のプリキュアに覚醒できたのだろう
つまりパップルさんは愛する心はあるが
その愛する相手を失ったということである
プリキュアさんのすごいところは
見返りを求めない愛を与え続けることにあるが
一般人にはなかなか難しいだろう
そしてよく考えてみると
ふたりが言っているのは「愛」ではなく
愛する「心」である
愛する心を持ち続ければ誰かに届く
それは恋人かもしれないし
友達かもしれないし家族かもしれない
通りすがりの他人かもしれないし
もしかしたら以前に衝突したことのある
相手という可能性だってある
現にルールーの愛する心は
自分の敵であるパップルさんでさえ変えた
彼女たちの言う愛の力は
そんなところにあるのである
さて、いよいよ中盤の山場である
現れる強敵に対してプリキュアたちは
どのように挑んでいくのだろうか