専用車で高野山に向かった。ドライバーさんの情報では、昨日の高野山へ行く道は大変混んでいたそうだ。2時間以上かかるだろうと言われた。車窓の景色。泉北臨海緑地。大阪市内を過ぎ、堺や泉北の埋立地の工場群を見ながら和歌山に向かった。高度経済成長時代の日本のことを少しお話しした。
9時53分、高野山に到着した。少し、紅葉が始まっている。
まずは大伽藍に行った。これは中門。高野山は高いところにあるので、雷がよく落ちて、建物は何度も燃え、何度も再建されたという話をした。伽藍の玄関である中門は2015年に再々々々建された。
四天王が門を守っている。これは広目天。ジュディーさん「奈良でも見たよ」と。お二人はご自身で奈良に行かれたそうだ。大仏殿で見た広目天をよく覚えておられた。
私が拝観券を買っている間に、お二人は子供たちに取り囲まれていた。英語学校に通う子供たちと先生だった。ここで外国人に英語案内(肝試し)をしていた。
伽藍には建物がたくさんある。誰がどこで説明するか決まっていて、原稿もあった。
六角経蔵の前では4年生くらいの男の子が、一生懸命に英語原稿を読んだ。お二人はニコニコして聞いていた。ジュディーさんはUCLA で演劇を専攻し、プレスクールの子どもたちに劇を教えてこられたそうだ。「小さな子供達が大好き。自分より背の高い子は、、、」とおっしゃった。ジュディーさんも私と同じくらい小柄。
フィリップさん、一周回って、中に納められているお経をマスターしようともくろんでいる。
大伽藍では他に、金堂、根本大塔、御影堂に行った。圧巻は根本大塔。内部は写真撮影不可。16本の柱に描かれた菩薩は堂本印象の筆による。御影堂は後世の人たちにとってはとても重要なお堂。中に空海さんの肖像画があるので。年に1度だけ拝むことができる。ブラタモリの延焼を防ぐ水のカーテンの画像をお見せすることができた。
次に金剛峯寺に入った。ジュディーさん、めざとく屋根の上の天水桶を見つけられた。中に入って、襖絵を丁寧にご覧になった。初めて研修でこの寺に入った時は、普通の襖絵に見えたが、だんだん良さがわかってきた。
台所にある畳の部屋の襖絵。
ジュディーさん「直島の家プロジェクトで見たよ」
直島の家プロジェクトの『石橋』にも千住博さんのよく似た作品がある。
何年か前に、この絵の創作過程を丹念に追ったテレビ番組を観た。
ランチは『みやま』で。9月に研修でお世話になったガイドさんが教えてくれたお店。今日はどこのレストランにも列ができていた。たまたま、ほとんど待たずに案内してもらうことができた。ランチ難民にならずにすんで、ホッとした。
フィリップさんは精進料理御膳をジュディーさんと私はそば御膳をいただいた。お二人とも、胡麻豆腐を美味しいとおっしゃった。中東ではよく胡麻を食べるそうだ。お二人はヨルダンやエジプトにも行かれている。
食後の散歩は奥之院で。中の橋から御廟まで1時間くらいかけて往復した。これは新明和工業の慰霊碑。戦前は戦闘機を作っていた会社だが、戦後は戦争に関わっていない。アポロ11号の部品を作ったそうだ。フィリップさんは、NASAでエンジニアをなさっていたそうだ。
シロアリさん、駆除してごめんなさいね。アメリカではシロアリに悩むことはないそうだ。カリフォルニアは湿度が低い。
日産自動車は、もちろんご存知だった。
参拝者が植えていったと言われている杉の木。最高齢は600歳くらい。
この後、御陵橋を渡り、最も神聖なところ、御廟に入った。御廟の地下には名前が書かれた身代わり仏がぎっしり並んでいた。「少しでも空海さんのそばにおりたい、という願いがこもっているんです。空海さんは亡くなっていないんです。生きながら仏様になったのです。だから今でも日に2回、食事を届けているんです。」と説明しながら、ブラタモリの食事を運ぶ映像をお見せした。自分が信じていないことを言うと言葉に力がこもらない。
庶民が作った五輪塔。
中の橋の近くまで戻ってきた。1〜2週間すると、紅葉は盛りを迎えるだろう。
2時40分に車で帰路についた。車の窓から見えた景色。2時54分。お二人は眠りの世界へ。
4時25分。大阪市住之江区平林南
中の橋の近くまで戻ってきた。1〜2週間すると、紅葉は盛りを迎えるだろう。
2時40分に車で帰路についた。車の窓から見えた景色。2時54分。お二人は眠りの世界へ。
4時25分。大阪市住之江区平林南
ちょうど5時に梅田のホテルに着いた。秋晴れの下、気持ちのいい遠足になった。お二人は友人に勧められて高野山を選んだそうだ。フィリップさん「予想以上に良かった」と言ってくれた。天気と素材が重要だと、改めて思った。お二人とは2日間でいろいろなお話ができた。明日はクッキング・クラスに参加して、お好み焼きとたこ焼きを作るそうだ。そして明後日、関西空港から帰国される。投票は旅行前に済ませたそうだ。お気をつけてお帰りください。ありがとう。