コロナ禍で退会する迄、夫の転勤毎に四ヵ所ジムに通いました。必ずサウナが付いていたので夜のレッスン後利用していました。
面白い事に、必ずサウナの中心となる古参会員がおられます。新参物の私にも、どなたが核になる方か直ぐに分かります。最初のジムの女性は美しく華かで最古参の貫禄たっぷりなので、直ぐに私の脳内で「女王」と名付けました。
第二の地にもやはり貫禄たっぷりの高齢女性が、サウナ内でその地位を欲しいままにされていたので、「女帝」と命名しました。
第三の地では、知的でエキセントリックな雰囲気の女性で、話題に「○○不要論」等発せられ知識も豊富なので、「教授」と命名しました。後に本当の大学教授だった事を知り、びっくりしたものです。
最後の地では、運動は一切せずサウナのみに通われる女性で、いつもサウナ上段に胡座で瞑想をされています。その場所は彼女の座として、その時間帯は他者が座る事は許されないと聞き、迷わず「牢名主」と命名しました。この四つの名前は一度たりとも口には出していません。あくまでも私の脳内プレイです。
唯一、夫にだけは今日の報告事項として命名した事を話すと「いつも楽しそうでいいね」とからかいます。楽しいなんて気楽ではありません。目立たぬように隅っこで小さくなり、時折愛想笑いを返して、時に頷きながら静かに汗を流していました。
女王には女王なりに地位を維持する為のご苦労が有っただろうと拝察しています。
しかも、別の場所でお会いしたら皆さん優しく、お土産等下さったり、良い方ばかりでした。
「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」の諺が頭を過りました。
楽しかったジムの思い出の一つです。