数年前に亡くなった
夫の叔母の形見です
お嫁さんから箱入り新品同様の
高価な靴五点と仕立て良い礼服
を頂き有り難く愛用しています
夫の妹はブランドの服を
頂いたが 好みでないと処分
したそう 血繋がりの叔母
でも好みが違うからと聞くと
仕方ない事と思います
形見だからといって感傷的に
ならない人もいるでしょう
物の豊かな時代なので
「泣く泣くも良い方を
取る形見分け」も
昔の話です
ハイブランドのバッグ
宝石 書画骨董の名品なら
また話が違うのでしょうか
形見の靴を履いた時 足元を
じっと見られる事がよく有り
判る人には判るのでしょうか
江戸時代の旅人の草履を見た
旅籠とは違う意味の見方ですが
足元を見るとはこの事かもと
少し可笑しくなります
可愛がってくれた叔母が最後に
こんな楽しみを遺してくれた
のかと 素直に喜んで愛用し
日々大切に磨いています
「形見分け まだせぬままに
桜咲く」
八牧 美喜子