小学生時代通った図書館の司書さんとは、すっかり顔馴染みになり、司書さんに会いたくて本を読みに行きました。
我が子が小学生の頃、近所の公民館に結構蔵書豊かな図書館支所が併設されていて、毎週土曜日に通っていました。
司書さんは1人で、通ううちに、すっかり私の好きな作家と読書傾向を掴まれていました。
ある日ドアを開けると、満面の笑みを浮かべ
「夏樹静子と小杉健治の新作来たわよ、一番乗りどうぞ」と差出してくれました。
当時は子育てや、好きでしているとはいえ仕事に忙しく、難しい本に手が出ず、もっぱら推理小説かエッセイを借りていました。
それからも、司書さんが得意気な笑みを浮かべた時は、新作が届いた時でした。
コンピューター管理の予約制度などない、古き良き時代だから出来た事だと思います。
人がいない時は好きな本の話をして、私にとっては至福の時でした。
今は自分で自動貸出機に本を置くと10冊分を打ち出したレシートが出て来ます。
便利になったけれど、少し寂しさを感じて図書館を後にします。